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A

Adams, C. C., Furstenberg, E., Li, J., & Schneider, J. (1997). Exploring Knots. The Mathematics Teacher, Vol. 90, No. 8, pp. 640-647, 652. (IF 70)

 本稿は、結び目理論(Knot Theory)の専門家でもあるColin Adamsらによる結び目理論の教授学習のための1つの指導書である。ここでの学年は第9学年から第12学年と設定され、目標として「生徒が結び目を作り、いくつかの基礎的な結び目理論の応用を見て、さらに結び目理論の未解決の問題に直面すること」が掲げられ、ワークシートや結び目を実際に作るための実物を用いての指導例が挙げられている。



Ainley, J. (1995). Re-Viewing Graphing: Traditional and Intuitive Approaches. for the learning of mathematics, Vol. 15, No. 2, pp. 10-16. (IF 63, 64)


Alper, L., Fendel, D., Fraser, S., & Resek, D. (1996). Problem-Based Mathematics: Not Just for the College-Bound. Educational Leadership, pp. 18-21. (IF 67)

Antonini, S., & Mariotti, M. A. (2008). Indirect proof: what is specific to this way of proving?. ZDM, Vol. 40, Issue 3, pp. 401-412. (IF 134)

 本論文は,ZDM第40巻3号の証明特集号に掲載された論文であり,間接証明(背理法と対偶による証明)に関する教授学的・認知的な困難点を明らかにすることが目的である。筆者らは,特に思考の自然な方法である間接的アーギュメンテーションと間接証明の間に認められる関係性と,その接続に注目する。分析の視点として定理 [Theorem]」と「認知的統一性 [Cognitive Unity]」という観念を導入し,間接証明の困難性を同定し,また生徒達が如何にそれを克服し得たかが議論される。


Arbeitsgruppe Mathematiklehrerbildung (1981). Wissen und Metawissen. Untersuchungen zum Mathematikunterricht herausgegeben vorn Institut fur Didaktik der Mathematik der Universitat Bielefeld, Band 2, S. 246-270. (IF 36)


Arcavi, A., & Schoenfeld, A. H. (1992). Mathematics Tutoring Through a Constructivist Lens: The Challenges of Sense-Making. Journal of Mathematical Behavior, Vol. 11, No. 4, pp. 321-335. (IF 37)


Arzarello, F., Bazzini, L., & Chiappini, G. (1995). The Construction of Algebraic Knowledge: Towards a Socio-Cultural Theory and Practice. Proceedings of the 19th Conference of PME, Vol. 1, pp. 119-134. (IF 51, 53)


Austin, J. D. (1992). Graphing Statistical Functions. School Science and Mathematics, Vol. 92, No. 5. (IF 32)

B

Baggett, P., & Ehrenfeucht, A. (1992). What Should be the Role of Calculators and Computers in Mathematics Education?. Journal of Mathematical Behavior, Vol. 11, No. 1, pp. 61-72. (IF 32)


Balacheff, N. (1990). Towards a Ploblematique for Research on Mathematics teaching. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 24, No. 4. (IF 21)


Ball, B. (2002). What is mathematical thinking?. Mathematics Teaching, Vol. 181, pp.17-19.(IF 93)


Barbeau, E. J. (1988). Which Method is Best. Mathematics Teacher, Vol. 81, No. 2, pp. 87-90.(IF 10)


Barnard, T., & Tall, D. O. (1997). Cognitive Units, Connections and Mathematical Proof. Proceedings of the 21st Conference of the PME, Vol. 2, pp. 41-48. (IF 68)

 数学的証明は,ある者にとっては魅力的であり,また他の者にとっては受けつけ難いものであるように思われる。この論文では,1つの理論が,ある時点で意識の対象となり、演繹的証明が形式化されるのを認め,個人の認知的構造における結合となりうる"認知的ユニット"を含んだものとして示されている。初等数学ではよく,それぞれのステップがその次へのきっかけを与えるような連続的アルゴリズムを含むが,証明は推論するために,他の道の選択と統合をも要求する。√2の無理性の標準的な証明とその√3の無理性への一般化を考察することにより,理論は説明される。





Battista, M. T. (1999). Fifth Graders' Enumeration of Cubes in 3D Arrays: Conceptual Progress in an Inquiry-Based Classroom. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 30, No. 4, pp. 417-448. (IF 76)


Battista, M. T., & Clements, D. H. (1998). Finding the Number of Cubes in Rectangular Cube Buildings. Teaching Children Mathematics, Vol. 4, No. 5, pp. 258-264. (IF 79)


Battista, M. T., Clements, D. H., Arnoff, J., Battista, K., & Borrow, C. van A. (1998). Student's Spatial Structuring of 2D Arrays of Squares. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 29, No. 5, pp. 503-532. (IF 73)

 われわれは、1つの対象物やそのまとまりに与える組織ないし形態を構成する心的操作、として空間的構造化を定義する。それは、空間的状況に対する生徒の量的取り扱いの根底にある、本質的な心的過程である。本稿では、正方形からなる二次元の長方形的配列に対する生徒の構造化および数え上げを詳細に調査する。多くの生徒が、われわれがそのような配列のなかに想定する列-行ごとの(row by column)構造を"見る"ことをしないことが研究から示唆される。これらの配列に対する生徒の構造化の様々な洗練の度合いについて記述し、構造化の心的過程の本質を精緻にする。



Bauersfeld, H. (1992). Classroom Cultures from a Social Constructivist's View. Educational Studies in Mathematics, Vol. 23. No. 5, pp. 467-481. (IF 37)


Becker, J. P., & Selter, C. (1996). Elementary School Practices. A. J. Bishop et al. (eds.), International Handbook of Mathematics Education, pp. 511-564. (IF 68)

 著者らは、小学校(5-10歳の子どもたち)の実践を取り扱い、数学教育者らが過去30年間に実行してきた、教室に関連する研究について議論する。ここでは、2つの重要な流れが同定され、1つのセクションがそれぞれにあてられる:最初の研究は、指導/学習プロセスの分析に焦点化して述べられている;下位セクションは、子どもたちのインフォーマルな数学、教室での相互作用、指導/学習の補助用具、そして電卓やコンピュータについて取り扱う。続いて、研究は教授理論を開発し、テストすることに焦点を合わせ、指導への実践的示唆を与えることについて報告する;ここでは、模範的例である4つのプロジェクトが提示される、それらは日本の'オープンアプローチ', アメリカの'包括的学校数学プロジェクト', オランダの'現実的数学教育', そしてドイツのプロジェクト'mathe 2000'である。 そしてその章では、2000年そしてそれ以降の方向づけを与えるかもしれない小学校数学教育の視座を提示しており、そこでは学習者にとっての活動の役割を強調している。変化のための重要な条件を同定することによって、数学教育の原理に取り組む必要があると結論づける:それらは、評価の代案的形式、様々な教師教育やより学校と関連する研究である。



Bednarz, N., & Janvier, B. (1988). A Constructivist Approach to Numeration in Primary School: Results of a Three Year Intervention with the Same Group of Children. Educational Studies in Mathematics, Vol. 19, No. 3. (IF 10)


Beevers, B. S. (2001). A Simpler Approach to Similar Triangles. Mathematics in School, Vol. 30, No. 3, pp. 21-23.(IF 84)

相似な三角形」というテーマにおける,伝統的な方法は平均的なレベルの生徒や平均を下回る生徒には適しているとは思われず,より有能な生徒に適していると思われる。したがって,本稿では,その伝統的な方法とは異なる2つのアプローチを紹介する。



Behr, M., & Harel, G. (1990). Students' Errors, Misconceptions, and Cognitive Conflict in Application of Procedures. Focus on Learning Problems in Mathematics, Vol. 12, No. 3-4, pp. 75-84. (IF 24)


Bell, A. (1993). Principles for the Design of Teaching. Educational Studies in Mathematics, Vol. 24, No. 1. (IF 40)

Beran, D. (1992). SSA and the Steiner-Lehmus Theorem. Mathematics Teacher, Vol. 85, No. 5, pp. 381-383. (IF 35)

Berenson, S. B. (1997). Language, Diversity, and Assessment in Mathematics Learning. Focus on Learning Problems in Mathematics, Vol. 19, No. 4, pp. 1-10. (IF 72)

 本稿において著者は、アメリカの公立学校では白人の生徒とラテン系やアフリカ系の生の間の達成度についての格差が大きいことを指摘している。著者は、多数派の文化に属する教師と多様な文化に属する子どもとが、それぞれが用いる言語や数学的意味において心理学的、社会文化的にどのように異なるのかという疑問を投げかけている。この問いに着手するために、本稿は、Vygotskyのコミュニケーション道具、認知、そしてこれらの道具の社会文化的な効果に関する理論的枠組みについて調べている。また、分割における生徒の言語的な意味の幾つかの研究結果を報告し、最後に、社会文化的な多様性の含意、指導、そして評価について議論している。



Berger, D. E., & Wilde, J. M. (1987). A Task Analysis of Algebra Word Problems. D.E. Berger, K. Pezdek, & W.P. Banks (Eds.), Application of Cognitive Psychology: Problem Solving, Education, and Computing, LEA, pp. 123-127. (IF 22)


Berger, M. (1998). Graphic Calculators: an Interpretative Framework. For the learning of Mathematics, Vol. 18, No. 2, pp. 13-20. (IF 70)


Berger, M. (1998). Graphic Calculators: an Interpretative Framework. For the Learning of Mathematics, Vol. 18, No. 2, pp. 13-20. (IF 77)

 本稿ではVygotsky理論に基づき、内的活動(数学の理解)へと翻訳されるような外的活動(グラフや数を媒介として)としてグラフ電卓での活動を捉えている。また、Peaによるテクノロジーの拡大効果と認知的再組織効果、それに対応するJonesの作業時の効果と結果として生じる効果のそれぞれの違いを再解釈することにより、グラフ電卓が数学学習と生徒との間をいかに媒介しているかを明らかにしようとしている。



Berglund, A., Daniels, M., Hedenborg, M., & Tengstrand, A. (1998). Assessment to Increase Students' Creativity: Two Case Studies. European Journal of Engineering Education, Vol. 23, No. 1, pp. 45-54. (IF 80) 

 本稿では,創造性とコミュニケーション能力の評価に焦点をあてた,スウェーデンのUppsala大学とVaxjo大学における事例研究を報告する。スウェーデンにおける工学物理,コンピュータサイエンス,そして数学の学部教育は,伝統的に技能の訓練を強調していた。生徒は,これらの技能を分析したり,判断したり,コミュニケートしたり,議論したりすることを奨励されていない。著者の経験において伝統的な試験は,生徒の自立と創造性の発達を抑制することがあり得る。そこで本稿では,生徒によるプレゼンテーションや討論会を行い,インタビューやアンケート,教師間の議論など多角的な視点からの,創造性やコミュニケーション能力の評価を試みる。



Bibby, T. (2002). Creativity and Logic in Primary-School Mathematics: a View from the Classroom. for the Learning of Mathematics, Vol. 22, No. 3, pp. 10-13. (IF 91)


Biehler, R. (2005). Reconstruction of Meaning as a Didactical Task: The Concept of Function as an Example. In J. Kilpatrick, C. Hoyles, O. Skovsmose (eds.): Meaning in Mathematics Education (pp. 61-81). Springer. (IF 104,105)

Biehlerは,授業の文脈における数学的意味,及びそれと学問としての数学に関する意味の全容(the landscape meanings)との関係を検討している。氏は,関数の概念を相補性の事例として取り上げている(関数は,数学的対象でもあり,思考の道具でもある)。また,Biehlerは,指数関数について精緻化された意味の全容を用いて,教師が関数についてどのように考えるかということを例証する。氏は,ある概念の意味の全容が有する三つ組構造((a) 適用領域 (b)概念構造(理論)(c)思考の道具)のあり方を示している。最後に,数学的概念の意味の体系的再構成は,重要な直面すべき教授学的課題であることを考察している。



Bishop, A. J. (1994). Cultural Conflicts in Mathematics Education: Developing a Research Agenda. for the learning of mathematics, Vol. 14, No. 2, pp. 15-18. (IF 45)


Bishop, A. J. (1998). Culture, Value, and Assessment in Mathematics. ICMI-EARCOME 1 Proceedings, Vol. 1, pp. 27-37. (IF 69)

 本稿は、1998年8月に韓国清州で行われた第1回ICMI-EARCOME における、Alan J. Bishop氏による Plenary Lecture のものである。オーストラリア、アメリカを例に、数学教育における政治的問題について言及した上で、さらに東アジアの国々における政治的問題のひとつとして「入学試験」をあげている。評価(Assessment)には大きく形成的Assessmentと総括的Assessmentがあり、それぞれ性格を異にする。試験のでき不出来に左右されるような総括的Assessmentを「いちかばちか」の不適切なものとし、それに代わる総括的Assessmentの具体例をClarke(1996)から引用し紹介する。さらに、数学教育における「価値」について「一般教育的なもの」「数学的なもの」「数学教育的なもの」の3種類に分類し、「価値」の変化により数学教育課程のニーズも変容することを述べた上で、Assessmentと数学教育課程との整合の必要性を「価値」というキーワードをもとに主張している。



Blais, D. M. (1988). Concrete Versus Abstract in Teaching Algebra. Mathematics Teacher, Vol. 81, No. 3, pp. 187-188. (IF 7)


Boaler, J. (2002). The Development of Disciplinary Relationships: Knowledge, Practice, and Identity in Mathematics Classrooms. For the Learning of Mathematics, Vol. 22, No. 1, pp. 42-47. (IF 89)

 本論文では,学習に対する行動主義者,構成主義者,状況主義者の視点と,筆者の行なった三つの研究について述べ「知識の転移」について議論する。第一の研究では,学校で行なう実践が単に知識を伝達する手段ではなく,生み出される知識を規定するものであることが示唆され,数学的な能力を知識と実践との複雑な関係としてみるようになった。第二の研究では,生徒たちが実践の中で形成しているアイデンティティの重要性が示唆された。第三の研究では,「規律との関係」というアイディアが,知識と信念をつなげるのに役立つことが示唆された。生徒の数学の使用は知識や実践を越えて,異なる環境の中で表れる知識,実践,アイデンティティと相互の関係するのである。



De Bock, D., Dooren, W., & Janssens, D. (2007). Studying and Remedying Students’ Modelling Competencies: Routine Behaviour or Adaptive Expertise . In: W. Blum, P. L. Galbraith, H.-W. Henn, & M. Niss (Eds.), Modelling and Applications in Mathematics Education: The 14th ICMI Study (pp. 241-248). Springer. (IF 113)

 初めに筆者らは,数学の様々な領域において問題解決を行う際に,生徒による直線的モデルの乱用に関するいくつかの研究を要約する。それらは数学的モデル化における,機械的行動によってもたらされた結果の拡がりを表している。二つ目に,第8学年の学習者が幾何学の問題を解く際,直線的(比例的)モデルか平面的(二乗に比例する)モデルか立体的(三乗に比例する)モデルかを,順応して選ぶことができることを目的とした教授実験について議論する。その結果,実験後には,生徒が自動的に直線的モデルを適用することは少なくなったが,「どこでも(直線的モデルを使う)」か「どこにも(直線的モデルを使わない)」のどちらか一方を見境なく適用することを,交互に切り替える傾向があった。



Boero, P., Pedemonte, B. & Robotti, E. (1997). Approaching Theoretical Knowledge through Voices and Echoes: A Vygotskian Perspective. Proceedings of the 21st Conference of PME, Vol. 2, pp. 81-88. (IF 62, 63)


Bonjour, L. (1991). Is Thought a Symbolic Process?. Synthese, Vol. 89, No. 3, pp. 331-337. (IF 32)


Boorman, P. (1988). Metaphor. Mathematics Teaching, No. 122, pp. 65-66. (IF 11)


Borasi, R. (1987). Exploring Mathematics through the Analysis of Errors. For the Learning Mathematics, Vol. 7, No. 3, pp. 2-8. (IF 22)


Borasi, R. (1990). The Invisible Hand Operating in Mathematics Instruction: Student's Conceptions and Expectations. In T.J. Cooney, & C.R. Hirsch (Eds.), Teaching and Learning Mathematics in the 1990s (1990 NCTM Yearbook), pp. 174-182. (IF 33)


Borasi, R., & Siegel, M. (1994). Reading, Writing, and Mathematics: Rethinking the "Basics" and Their Relationship. In D. Robitaille, D. Wheeler, & C. Kieran (Eds.), Selected Lectures from the 7th International Conference on Mathematical Education, pp. 34-48. (IF 57, 58)


Borovcnik, M. G., & Bentz, H. J. (1991). Empirical Research in Understanding Probability. In R. Kapadia, & M. Borovcnik (Eds.), Chance Encounters: Probability in Education(pp. 27-71). (IF 50)

Bosch, M., & Gascón, J. (2006). Twenty-Five Years of the Didactic Transposition. ICMI Bulletin, No. 58, pp. 51-65. (IF134)

 本稿では,フランスを起源とする数学教授学における「教授学的転置理論」および「教授の人間学理論」の概要とその発展・成果がまとめられている。理論が導入されて25年を迎えたことを機に,ICMI紀要に載せられることになったものであり,今回はそのことも踏まえて,ArtigueとHodgsonによる前文「Building Bridges between Theoretical Frameworks in Mathematics Education」も掲載した。わずか10ページほどの中に転置理論・人間学理論のエッセンスが詰まっており,これらの理論の入門書として最適の一本である。


Van den Brink, J. (1993). Different Aspects in Designing Mathematics Education: Three Examples from the Freudenthal Institute. Educational Studies in Mathematics, Vol. 24, No. 1, pp. 35-64. (IF 55, 56, 57)


Brodie, K. (1995). Peer Interaction and the Development of Mathematical Knowledge. Proceedings of the 19th Conference of PME, Vol. 3, pp. 216-223. (IF 59)

Brousseau, G., Brousseau, N., & Warfield, V. (2014). Teaching Fractions through Situations: A Fundamental Experiment. Springer Netherlands. (IF137)

本書は,1970年代から1999年まで,Guy Brousseau氏をはじめとするメンバーによって実施された,フランスのCOREM(数学教育における観察・研究センター)における教授学的な実験の記録と,それを基にした科学的考察を纏めたものである。今回は,第一章の中でも,書籍全体の雰囲気や概要を掴むために適していると思われる部分を翻訳している。特に「実験」を科学的なプログラムとして遂行するための基本的な考え方を読み取ることが可能である。





Brown, C. A., Carpenter, T. P., Kouba, V.L., Lindquist, M. M., Silver, E. A., & Swafford, F. O. (1988). Secondary School Results for the Fourth NAEP Mathematics Assessment: Discrete Mathematics, Data Organization and Interpretation, Measurement, Number and Operations. Mathematics Teacher, Vol. 81, No. 4, pp. 241-248 (IF 8)


Brown, S. (1992). Second-Grade Children's Understanding of the Division Process. School Science and Mathematics, Vol. 92, No. 2, pp. 92-95. (IF 31)


Brown, T. (1990). Active Learning within investigational Tasks. Mathematics Teaching, pp. 15-18. (IF 25)


Brown, T. (1991). Hermeneutics and Mathematical Activity. Educational Studies in Mathematics, Vol. 22, No. 5, pp. 475-480. (IF 31)


Brown, T. (1994). Creating and Knowing Mathematics Through Language and Experience. Educational Studies in Mathematics, Vol. 27, No. 1.,pp.79-100. (IF 46, 47)


Brown, T. (1996). Intention and Significance in the Teaching and Learning of Mathematics. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 27, No. 1, pp. 52-66. (IF 70)

この論文では、数学の理解における言語の役割と、言語に定められた境界(数学的言語と自然言語との境界)がその状態をどのように限定するのかについて、解釈学における著名な作家であるGadamerとHabermasの優れた議論に焦点を当てて論じられれている。特に、個人による数学の学習が、学習を生じさせる社会的慣習と不可分であることが示されているが、教師の課題は、生徒が自分の数学学習の個人的側面を強調したり、社会的側面を強調したりすることができるようになるということであると考えられている。



Brown, T. (2009).Delineation of Culture in Mathematics Education Research. In M. Tzekaki, M. Kaldrimidou, H. Sakonidis.(eds.), Proceedings of the 33th Conference of PME, Vol. 2, pp. 209-216. (IF 119)

本稿では,Radfordの客観化文化理論における文化,及び,主観の概念を詳しく考察し,そして,この理論が数学的本質の産出や共有をどう取り扱うのかについても詳しく考察する。それは彼の数学的数列に関する学校での取り組みにおける数名の子どもの分析を辿り,そして,役割が教師や生徒の両方に対して,どう理解されているのかについて考察する。Radfordの研究の観点が,カリキュラム改正の概念をどのように前提にするのか,という不足した考慮というクロップした文化の概念をえがくことであることについて議論する。


Bruting, D., & Maples, C. (1992). Making Connections: Beyond the Surface. Mathematics Teacher, Vol. 85, No. 3, pp. 230-235. (IF 43)


Burn, B. (1996). What are the Fundamental Concepts of Group Theory? Educational Studies in Mathematics, Vol. 31, pp. 371-377. (IF 69)

 著者は、Dubinsky et al.の論文「On learning fundamental concepts of group theory」(1994)に対する批判的分析を提起し、群の4つの公理や標準的な定義に代わるものとして、置換(permutation)と変換(symmetry)が群論の基本概念としてみなされるだろうということを提案している。



Burton, M. B. (1991). Grammatical Translation-Inhibitors in Two Classical Word Problem Sentences. For the Learning of Mathematics, Vol. 11, No. 1, pp. 43-46. (IF 28)


Buschman, L. (2002). Becoming a Problem Solver. Teaching Children Mathematics, Vol. 9, No. 2, pp. 98-103. (IF 91)

 本稿は,第1学年から第3学年において問題解決者になるための7段階を提示している。そこでは,その段階は過程,所産,コミュニケーション,推論の4つの観点から分析されている。ある1つの問題を例にして各段階の生徒がどのように問題を解くのかを示し,7つの段階をより明確にしている。また,そこから示唆される児童の問題解決者としての成長をサポートするための教師の役割について述べることで本稿の結論としている。



Bush, W. S., & Fiala, A. (1986). Problem Stories: A New Twist on Problem Posing. Arithmetic Teacher, Vol. 34, No. 4, pp. 6-7. (IF 7)


Bartolini Bussi, M. G. (1996). Mathematical Discussion and Perspective Drawing in Primary School. Educational Studies in Mathematics, Vol. 31, pp. 11-41. (IF 81)

 この論文のねらいは、遠近法描画による三次元空間の平面上の表現についての長期間の指導実験に見られる記号的媒介の機能について分析することであって、その指導実験は、研究プロジェクト数学討論(Mathematical Discussion)において、第2学年から第5学年までの3つの異なる教室で行われた。一方では、描画は子どもの全体に渡る発達に機能上の役割を担っており、他方で、遠近法描画は現代幾何の誕生における現象学的役割を担っている。実験では、(1)生徒の空間経験を三次元空間での幾何の発展に結びつけること、(2)、空間を平面上に表現することの初等幾何的方略を達成するまで、生徒の描画経験を二次元空間での幾何へと結びつけることをねらいとしている。教室での活動は、個々の問題と教師によってうまく整えられた教室での討論とで語られる。



Byers, V., & Erlwanger, S. (1985). Memory in Mathematical Understanding. Educational Studies in Mathematics, Vol. 16, No. 3, pp. 259-281. (IF 17)

C

Cai, J. (1994). A Protocol-Analytic Study of Metacognition in Mathematical Problem Solving. Mathematics Education Research Journal, Vol. 6, No. 2, pp. 166-183. (IF 55, 56)


Campione, J. C., Brown, A. L., & Connell, M. L. (1988). Metacognition: On the Importance of Understanding What You Are Doing. In R. I. Charles, & E. A. Silver (Eds.), The Teaching and Assessing of Mathematical Problem Solving, Vol. 3, pp. 93-114. (IF 34, 35, 36)


Carpenter, T. P., Moser, J. M., & Bebout, H. C. (1988). Representation of Addition and Subtraction Word Problems. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 19, No. 4, pp. 345-357. (IF 10)


Carreira, S. (1997). Metaphorical Thinking and Applied Problem Solving: Implications for Mathematics Learning, In E. Pehkonen (Ed.), Proceedings of the 21st Conference of PME, Vol. 2, pp. 129-136. (IF 63)


Carroll, William, M. (1988). Cross Sections of Clay Solids. Arithmetic Teacher, Vol. 35, No. 7, pp. 6-11. (IF 7)


Chassapis, D. (1999). The Mediation of Tools in the Development of Formal Mathematical Concepts: The Compass and the Circle as an Example. Educational Studies in Mathematics, Vol. 37, No. 3, pp. 275-293. (IF 76)


Chazan, D. (1993). F(x)=G(x)?: An Approach to Modeling with Algebra. For the Learning of Mathematics, Vol. 13, No. 3, pp. 22-26. (IF 67)

Christiansen, I. M. (1997). When Negotiation of Meaning Is Also Negotiation of Task: Analysis of Communication in an Applied Mathematics High School Course. Educational Studies in Mathematics, Vol. 34, No. 1, pp. 1-25. (IF 75)

 本稿は、デンマークの高等学校第一学年で行われた数学の授業に見られる教師と生徒、生徒同士のコミュニケーション場面が分析されている。ここで取り上げられているプロトコルは、「与えられているグラフの点から、世界の人口が直線的に増加していると仮定することは合理的であるか」という質問に対して、議論が行われている。この話し合いには、どの視座を適用して問題に取り組むべきか、という内容が見られ、教師の発言に2つの矛盾した意味を見出すことができる。



Cifarelli, V. (1999). Abductive Inference: Connections between Problem Posing and Solving. In. O. Zaslavsky (Ed.), Proceedings of the 23rd Conference of the PME, Vol. 2, pp. 217-224. (IF 75)

 本稿は、大学院生の目新しい問題の解決活動において、アブダクションがどのように使用されているかを、インタビュー調査を通して検討したものである。その結果、アブダクションは、始めに立てた見通しに従い問題が解決できない場合のその認識の意味づけと、得られた解答が予想していたものと異なる驚くべき事実の意味づけの際に見られた。



Cifarelli, V., & Saenz-Ludlow, A. (1996). Abductive Processes and Mathematics Learning. In E. Jakubowski, D. Watkins, & H. Biske (Eds.), Proceedings of the Eighteenth Annual Meeting of the North American Chapter of the PME, Vol. 1, pp. 161-166. (IF 76)


Clarke, D. (2009). Theoretical perspectives in mathematics teacher education.In M. Tzekaki, M. Kaldrimidou, & H. Sakonidis (Eds.), Proceedings of the 33rd Conference of the International Group of Psychology of Mathematics Education, Vol. 1, pp. 85-93. (IF 127)

「数学教師教育」は,数学教師の学習の焦点が他者の数学教育でありながら,数学教師の学習としてその主要な関心を同定する。徐々に構成,洗練される関連した知識と洗練された実践との両者への一つのプロセスとして数学教師教育を着想する場合,我々は知識の構成や実践の漸進的な洗練を説明するために開発された理論という財産の後継者となる。 PME-33における全体講演での課題は,数学教師教育の文脈における理論の可能な役割の探求すること,数学教師教育を啓発し,特徴づけるような理論を説明的な事例とともに記述すること,数学教師教育の研究や実施の際に理論の選択や利用に関する重要な問題,懸念,考慮すべき点を同定することである。



Clarke, D. J., Waywood, A., & Stephens, M. (1993). Probing the Structure of Mathematical Writing. Educational Studies in Mathematics, Vol. 25, No. 3, pp. 235-250. (IF 55)


Clauson, D. J. (1998). How Rubrics Become Grades. Mathematics Teaching in the Middle School, Vol. 4, No. 2, pp. 118-119. (IF 70)

 Assessmentにおけるルブリックによる得点の結果を評定(Grading)するシステムに結び付けることは、多くの教師にとって多くの課題を残すものであった。例えば、ルブリックを用いて問題解決の評定(Grade)を行うということ自体は概ね理解できるものである。しかし、保護者や教育委員会へ達成度の報告をするような場合、その得点、パーセント、評定(Grade)などをどのように割り振ったらよいだろうか? 本稿では、問題解決過程への得点の割り振り方について述べることにする。





Clement, L. (2001). What Do Students Really Know about Functions? Mathematics Teacher, Vol. 94, No. 9, pp. 745-748. (IF 86)

本稿は、関数の数学的定義と生徒の関数の概念イメージとの違いについて論じている。調査方法は、積分学習前35人にアンケートをとり、特にその中の5人にはインタビューを試みて調査している。その中で、関数の概念は、数学を理解するのに中心的であるけれども、生徒達の関数に対する理解は、余りにも狭く焦点化されているか、または間違った仮定を含んでいるかのどちらかであることが示されている。



Clement, J., & Konold, C. (1989). Fostering Basic Problem-Solving Skills in Mathematics. for the learning of mathematics, Vol. 9, No. 3, pp. 26-30. (IF 31, 32)


Coackley, P. (1991). Schemes of Work. Mathematics Teaching, No. 137. (IF 31)


Cobb, P. (1985). Two Children's Anticipations, Beliefs, and Motivations. Educational Studies in Mathematics, Vol. 16, No. 2, pp. 111-126. (IF 13)


Cobb, P. (1986). Contexts, Goals, Beliefs, and Learning Mathematics. for the learning of mathematics, Vol. 6, No. 2, pp. 2-9. (IF 34, 35)


Cobb, P. (1995). Cultural Tools and Mathematical Learning: A Case Study. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 26, No. 4, pp. 362-385. (IF 55, 56, 57)


Cobb, P. (2000). The Importance of a Situated View of Learning to the Design of Research and Instruction. In J. Boaler(Ed.) , Multiple Perspectives on Mathematics Teaching and Learning (pp.45-82). Westport, CT: Ablex Publishing. (IF 103, 104)


Cobb, P., Yackel, E., Wood, T., Wheatley, G., & Merkel, G. (1988). Creating a Problem-solving Atmosphere. Arithmetic Teacher, Vol. 36, No. 1, pp. 46-47. (IF 12)


Cobb, P., Yackel, E. & Wood, T. (1993). Theoretical Orientation. Wood, T. et al. (Eds.), Rethinking Elementary School Mathematics: Insight and Issues, JRME Monograph, No. 6, pp. 21-32. (IF 51)


Confrey, J. (1994). A Theory of Intellectual Development (part 1). for the learning of mathematics, Vol. 14, No. 3, pp. 2-8. (IF 47)


Confrey, J. (1994). A Theory of Intellectual Development (part 2). for the learning of mathematics, Vol. 15, No. 1, pp. 38-48. (IF 48, 49)


Confrey, J. & Kazak, S. (2006). A Thirty-Year Reflection on Constructivism in Mathematics Education in PME. Handbook of Research on the Psychology of Mathematics Education: Past, Present and Futurepp. 305-345 (IF 120)

本論文はPMEの構成主義への取り組みに関する研究であり,数学教育研究それ自体が研究対象となっている。したがって,数学教育のメタ研究と言えよう。より具体的には,科 学哲学者イムレ・ラカトシュ(Imre Lakatos; 1992-1974)の科学的研究プログラム論に依拠しながら,構成主義の「過去」を合理的に再構成した上で,「現在」の研究プログラムの状況を同定し,「未来」への展望を得る,という論の展開になっている。本号では,構成主義の「過去」に拘わる部分を紹介する。そこでは,構成主義の背景となった研究群や構成主義ムーブメントに対して考察が加えられる。



Confrey, J. & Kazak, S. (2006). A Thirty-Year Reflection on Constructivism in Mathematics Education in PME. Handbook of Research on the Psychology of Mathematics Education: Past, Present and Futurepp. 305-345 (IF 121)

本論文はPMEの構成主義への取り組みに関する研究であり,数学教育研究それ自体が研究対象となっている。したがって,数学教育のメタ研究と言えよう。より具体的には,科学哲学者イムレ・ラカトシュの科学的研究プログラム論に依拠しながら,構成主義の「過去」を合理的に再構成した上で,「現在」の研究プログラムの状況を同定し,「未来」への展望を得る,という論の展開になっている。本号では,構成主義の「現在」と「未来」に関わる部分を紹介する。 そこでは,構成主義の合理的再構成である「十原理(ten principles)」や,現在の数学教育に齎された構成主義の9つの影響,を踏まえた上で,前進的研究プログラムとしての構成主義研究の方向性が示される。



Crites, T. (1994). Using Lotteries to Improve Students' Number Sense and Understanding of Probability. School Science and Mathematics, Vol. 94, No. 4, pp. 203-207. (IF 77)


Crouch, R. & Haines, C. (2004). Mathematical modeling: transition between the real world and the mathematical model. International Journal of Mathematical Education in Science and Technology,vol. 35, No.2, pp.197-206.(IF 102,103)

本稿では,数学的モデル化における「現実の世界と数学的モデル間の移行(数学化)」の段階について,現実的な問題に直面した生徒がどのように解決していくかを多肢選択の質問紙とその後のインタビューを用いて分類し,分析した結果について述べられている。




Cusi, A. (2008). he Principle of Mathematical Induction: An Experimental Approach to Improving Awareness of Its Meaning. Handbook of Mathematics Teaching Research: Teaching Experiment - A Tool for Teacher-Researchers. (pp. 235-243) University of Rzeszow, 2008. (IF133, 134)

本稿は,数学指導の調査研究に関するハンドブック(Handbook of Mathematics Teaching Research: Teaching Experiment - A Tool for Teacher-Researchers【URL: http://trhandbook.pdtr.eu/】)に掲載されていた論文である。数学的帰納法の困難性やそれを克服する方法を論じている先行研究から,数学的帰納法の原理の理解を促進する方法を設計しており,さらに,設計した方法について学生対象に実施調査を行い,プロトコルや教師の観察から結果を明らかにしている。

D

Damarin, S. K. et al. (1988). Computer Instruction in Estimation: Improvement in High School Mathematics Students. School Science and Mathematics, Vol. 88, No. 6. (IF 16)


D’Ambrosio, U. (1994). On environmental mathematics education. Zentralblatt fur Didaktik der Mathematik, Jahrgang 26, heft 6, pp. 171-174. (IF 100)

本論文では,環境問題に対して数学教育はどのようにアプローチすべきであるのか,ということについて述べられている。まずこれまでの数学教育の目標論を批判的に考察した上で,環境問題に対応しうる数学教育の在り方を目標論的な視座で述べ,具体的な方法論として,モデリングの考え方やネットワーキングへの取り組みを導入することの必要性,及び,有効性を述べている。



D’Amore, B. (2005). Secondary School Students’ Mathematical Argumentation and Indian Logic (Nyaya). For the Learning of Mathematics,Vol. 25,No. 2,pp. 26-32.(IF 107)

本論文では,中学生の論証を分析するために,インドの論理学であるニヤーヤを用いている。ニヤーヤは,アリストテレスの三段論法が3つの要素で成り立っているのに対し,その論法の中に5つの要素を区別しているものである。そして実際の中学生の論証は,アリストテレスの論理よりニヤーヤの論理に近い形で行われていると考え,このニヤーヤを用いて分析を行っている。ただし,学校教育における論理のモデルをニヤーヤに置き換えることを主張しているのではなく,一つの見方としてニヤーヤを用いて考察している。


David K. Pugalee, D. K. (2001). Writing, Mathematics, and Metacognition: Looking for Connections Through Students’ Work in Mathematical Problem Solving School Science and Mathematics,, Vol. 101, No. 5. pp. 236-245. (IF 114)

 本研究は,生徒の数学的問題解決過程について,生徒のライティングに現れるものが,メタ認知的構成の証拠として見られるのかどうかを調査したものである。20人の代数学クラス9年生の生徒は,数学の問題を解いた時の,問題解決過程を文書に記述し,提出した。データの質的な分析は,あるメタ認知的構成の存在を示した。生徒の文書における記述は,数学的問題解決において,方向づけ,組織化,実行,そして検証というGarofalo & Lesterの段階の間における様々なメタ認知的行為の関与を明らかにしている。そして、収集したデータの初期分析を行い、Garofalo & Lesterの4つの分類に全てのデータを分類されたことが述べられている。



Davidson, N. & Kroll, D. L. (1991). An Overview of Research on Cooperative Learning Related to Mathematics. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 22, No. 5. pp. 362-365. (IF 35)


Davis, G., Hunting, R. P. & Pearn, C. (1993). What Might a Fraction Mean to a Child and How Would a Teacher Know? Journal of Mathematical Behavior, Vol. 12, pp. 63-76. (IF 45, 46)


Davis, R. B. (1992). Understanding "Understanding". Journal of Mathematical Behavior, Vol. 11, pp. 225-241. (IF 35, 36)


DeGuire, L. J. (1993). Developing Metacognition During Problem Solving. Proceedings of Seventeenth PME Conference, Vol. 2, pp. 222-229. (IF 39)


Dekker, R. and Elshout-Mohr, M. (2004). Teacher interventions aimed at mathematical level raising during collaborative learning. Educational Studies in Mathematics Vol.56, No.1, pp.39-65.(IF 99,100,101)

本稿では教師の介入について,ひとつは生徒の相互作用に焦点をあて,もうひとつは課題の数学的な内容に焦点をあてて述べられている。これらは,生徒の学習を事前テストと事後テストとの比較と,生徒の口頭の発言及びワークシートの記録の分析を通して調査された。この調査を通して生徒の相互作用に対する教師の介入について,理論的・実践的示唆が述べられている。



Dias, A. (1999). Ethnomathematics vs. Epistemological Hegemony. For the Learning of Mathematics, Vol. 19, No. 3, 1999, pp. 23-26. (IF 82)

 本稿は,住宅デザイナーや住宅建築家によって使われる数学的実践を調査し,数学や民族数学の多様な形式の存在だけでなく,数学する多様な方法の存在をも指摘している。そして最後に,そのような数学的活動への成功的であるソフトなアプローチもあるということを再認識することは,学校で数学に関わることに習慣的に自信を失ってきた人々にとって,学校数学という領域をオープンにすることを助けることができるということを指摘しいている。



Doorman, L.M., Gravemeijer, K.P.E. (2009). Emergent modeling: discrete graphs to support the understanding of change and velocity. ZDM , Vol.41, No.1-2, pp.199-211. (IF 120)

本稿では,変化の割合と速度の基本的原理について学習する場面において,生徒をサポートすることを意図した一連の教授に焦点をあてる。この一連の教授での生徒の学習を調査するため,3つの第10学年の教室で教育的状況を構築した。その教室での出来事とコンピュータでの活動はビデオに録画され,集団活動は録音され,生徒の用具は回収された。質的分析では,創発的モデリングのアプローチで,生徒は離散グラフに支援されたとき, 微積分の基本的原理が生徒による運動についての推論から発達することを明らかにする。  本号では,その前半部分を紹介する。



Doorman, L.M., Gravemeijer, K.P.E. (2009). Emergent modeling: discrete graphs to support the understanding of change and velocity. ZDM , Vol.41, No.1-2, pp.199-211. (IF 121)

本稿では,変化の割合と速度の基本的原理について学習する場面において,生徒をサポートすることを意図した一連の教授に焦点をあてる。質的分析では,創発的モデリングのアプローチで,生徒は離散グラフに支援されたとき,微積分の基本的原理が生徒による運動についての推論から発達することを明らかにする。本号では,その授業実践の様子と,教授原理についての議論の部分を紹介する。



Dorfler, W. (1989). Protocols of Actions as a Cognitive Tool for Knowledge Construction. Proceedings of the 13rd Conference of PME. (IF 44)


Dorfler, W. (1991). Meaning: Image Schemata and Protocols. Proceedings of the 15th Conference of PME, Vol. 1, pp. 17-32. (IF 47, 49)


Dorfler, W. (1993). Fluency in a Discourse or Manipulation of Mental Objects. Proceedings of the 17th Conference of PME. (IF 46)


Douady, R. & Parzysz, B. (1998). Geometry in the Classroom. Mammana, C. & Villani, V. (eds.), Perspectives on the Teaching of Geometry for the 21st Century: An ICMI Study, pp. 159-192. (IF 71)

 本論文で提示されている取り組みは道具-対象の教授学の段階を強調する教育工学の例である。その工学は暗に含まれている数学的概念に意味を与える問題から構築されている。これらの問題は様々な方法で取り組むことができ、生徒は様々な枠組みを引き合いに出す必要がある:幾何、グラフ、数、代数など。それらの相互作用は、問題に含まれている数学的観念に対する生徒の理解の発達を助ける。
 よって教師の役割は、数学的知識の断片の文脈化、文脈の変更、問題の再定式化、問題の様々な記述から生起する問いの結合、脱文脈化の過程にあり、かつ手続きや個人的知識の広まりや脱個人化に与えられる。言い換えると、教師は(数学的知識の)道具から対象へ、またその逆方向の状態の変化を保証するように振舞わなければならない。



Dreyfus, T. (1991). Advanced Mathematical Thinking Processes. Tall, D. (Ed.), Advanced Mathematical Thinking, pp. 25-41. (IF 34)


Dubinsky, E. (1991). Reflective Abstraction in Advanced Mathematical Thinking. Tall, D. (Ed.), Advanced Mathematical Thinking. (IF 39)


Dubinsky, E., Dautermann, J., Leron, U. & Zazkis, R. (1997). A Reaction to Burn's "What are the Fundamental Concepts of Group Theory?". Educational Studies in Mathematics, Vol. 34, pp. 249-253. (IF 70)

 この論文は、Dubinskyらの論文へのB.Burnによる反論「What are the fundamental concepts of group theory」に対して、さらにDubinskyらが反論している論文である。B.Burnの主張する「歴史的背景の重視」という点では同意しているが、反論のためのデータを示さなかったことなどに対して強く批判している。



Dunkels, A. (1991). Much more than Multiplying by 5. Mathematics in School, May, pp. 9-11. (IF 27)


Dunkels, A. (1993). Looking at Euclid's Proposition 20 of Book III with Closed and Open Eyes. Journal of Mathematical Behavior, Vol. 12, pp. 9-15. (IF 44)

E

Eggleton P.J. and Moldavan C.C. (2001). The Value of Mistakes. Mathematics Teaching in the Middle School, Vol. 7, No. 3, pp. 42-47. (IF 103)


English, L. D. (1995). General Reasoning Processes and Elementary Algebraic Understanding: Implications for Initial Instruction. Focus on Learning Problemsin Mathematics, Vol. 17, No. 4, pp. 1-19. (IF 58)


English, L. D. (1997). Analogies, Metaphors, and Images: Vehicles for Mathematical Reasoning. English, L. D. (ed), Mathematical Reasoning: analogies, metaphors, and images, pp. 3-18. (IF 71)


English, L. D. (1997). Promoting a Problem-Posing Classroom. Teaching Children Mathematics, Vol. 4, No. 3, pp. 172-179. (IF 79)

 本稿は、数学的推論の過程で媒介するものとして考えられる、アナロジー、メタファー、イメージがレビューされている。現在、メンタルモデルが数学的推論の過程で重要な役割を果たすと考えられており、メンタルモデルは外的現実を表現する内的構造で、メンタルモデルは外的現実と同じような関係的構造を持つものである。したがって、メンタルモデルの構成では、アナロジー的な思考が作用しているのである。また、抽象的な数学的概念などを理解する際には、メタファーの使用が有効的となる。さらに、イメージスキーマの内的構造は、概念や命題間の形式的な関係の理解を発展させるので比喩的に拡張されうるため、数学的推論を促進することが可能である。



English, L. D. (1999). Reasoning by Analogy: A Fundamental Process in Children's Mathematical Learning. Developing Mathematical Reasoning in Grades K-12, NCTM Yearbook, pp. 22-36. (IF 79)


English, L. D. & Halford, G. S. (1995). Proportional Reasoning. Mathematics Education: models and processes, pp. 245-255. (IF 74)

 本稿では、比例的推論に関する様々な先行研究が紹介されており、それに基づいて、筆者自身の意見や見解が述べられている。
 まず、比例的推論の捉え方については、Leshらの同定に賛同している。そして、比例性を獲得できている子どもは、比例関係にある2量を比例していると認識でき、かつ、非比例関係にある2量を比例していないと認識できなければならないことを主張している。更に、一方がm倍になれば他方もm倍になる、や、こちらのものの内包量とあちらのものの内包量が等しくなる、の意味を含む、数量的な構造の共通性についての認識も比例的推論の重要な要素であることを強調している。



English, L. D. & Sharry, P. V. (1996). Analogical Reasoning and the Development of Algebraic Abstraction. Educational Studies in Mathematics, Vol. 30, No. 2, pp. 135-157. (IF 55, 56, 57)


Epp. S. S. (1998). A Unified Framework for Proof and Disproof. The Mathematics Teacher, 91 (8), pp. 708-713. (IF 82)

本稿は,大学生が挙げる証明に関する5つの疑問に答えていくことで進められています。そして,証明の3つの形態(直接証明,反例による反証,矛盾による証明)は,どれもある仮定を立てることから始まるが,そこから論理的に導かれる結論に違いがあり,それらは“同じ統合体の3つの側面”であると述べています。そして,そのことを踏まえて,高等学校における証明指導の見直しを提案している。



Ernest, P. (1989). Philosophy, Mathematics, and Education. International Journal of Mathematics Educationin Science and Technology, Vol. 20, No. 4, pp. 555-559. (IF 15)


Ernest, P. (2008). Epistemology Plus Values Equals Classroom Image of Mathematics. Philosophy of Mathematics Education Journal, No. 23, 2008.(IF 119)

数学の教室での価値観はどのような影響があるか。認識論や数学の哲学を組み合わせた価値観の集合が教室での数学のイメージの基盤を提供するという主張を提案する。当然,題目にある単純な等式は簡略化したものである。そのようなモデルは,数学の教室での価値観と認識論の両者の意味と影響を強調するのに役立つ。しかしながら,理論的かつ経験的に,そのようなモデルを開発し,利用することは,関係した簡略化によって要素が分解され,追加される複雑さを幾重にも示す。 私は二つの数学の哲学と二つの価値観の集まりの輪郭を示し,教室でのそれらの統合した影響を調査する。しかし,この単純な二分化した提示より, 個人の認識論と価値観のバリエーションの方が多くあることを言うのは不要である。また,そのような相互作用は分離を引き起こすわけではない,しかし社会的文脈において,これらは複雑さに更なる層を加える。



Ervynck, G. (1991). Mathematical Creativity. Tall, D. (Ed.), Advanced Mathematical Thinking, Chapter 3. (IF 34, 35)


Even, R. & Markovits, Z. (1991). Teachers' Pedagogical Knowledge: The Case of Function. Proceedings of the 15th Conference of PME, Vol. 2, pp. 40-47. (IF 48)


Even, R. & Tirosh, D. (1995). Subject-Matter Knowledge and Knowledge about Students as Sources of Teacher Presentations of the Subject Matter. Educational Studies in Mathematics, Vol. 29, No. 1, pp. 1-20. (IF 64, 65)

F

Fast, G. R. (1997). Using Analogies to Overcome Student Teachers' Probability Misconceptions. Journal of Mathematical Behavior, Vol. 16, No. 4, pp. 325-344. (IF 72)

 本論文は、日常的な状況と深く関連し、また最も誤概念の傾向がある数学におけるトピックの1つでもある確率を題材とし、中等学校数学の教育実習生を対象として、その誤概念を正しい概念に変化させるためにアナロジーを用いている。
 その結果、確率の誤概念を克服するためにアナロジー的なアプローチを用いることが効果的であるということが示された。



Fauvel, J. (1991). Using History in Mathematics Education. for the learning of mathematics, Vol. 11, No. 2, pp. 3-6. (IF 36)


Fehr, H. (1988). AT Classic: A Philosophy of Arithmetic Instruction. Arithmetic Teacher, Vol. 36, No. 3. (IF 11)


Fendel, D., Resek, D., Alper, L. & Fraser, S. (1998). It's All Write: A Writing Supplement for High School Mathematics Classes. Key Curriculum Press. (IF 68)

 本ユニットの第一の目的は、生徒が自らの数学的Writingに考えを巡らし、その質の向上を図ることにある。生徒はまた、全体的採点法(holistic scoreing)や、ルブリック(rubrics)の作り方及びその使い方を学ぶ。ユニットを通して、生徒は2つの数学の問題について自分/クラスメートが書いたもの(write-ups)を読み、それを採点する。ユニットにおける活動は以下の通り。
・第1時:"It's All Write"の紹介と、「チェスボードの正方形」問題のグループ活動。宿題1で生徒は「チェスボードの正方形」問題についてWritingを行う。
・第2時:「チェスボードの正方形」問題についてのディスカッション。全体的採点法とルブリックの使用の導入説明。宿題2「パーティーでの握手」問題の導入。
・第3時:「パーティーでの握手」問題について最初のディスカッション。「チェスボードの正方形」問題のWriting事例および生徒自身の答案の採点。宿題3「パーティーでの握手」問題のWritingを完成させる。(今号ではここまでの訳を紹介する)
・第4時:「パーティーでの握手」問題についてのディスカッション。宿題4として、問題における重要な考え方の同定およびルブリックの開発。
・ 第5時:「パーティーでの握手」問題について、クラスでルブリックを開発し、お互いの Writingを評価する。



Fennema, E. & Franke, M. L. (1992). Teacher's Knowledge and Its Impact. Grouws, D. A. (Ed.), Handbook of Reserch on Mathematics Teaching and Learning, pp. 147-164. (IF 31)


Fidelman, U. (1987). A Cerebral Basis for an Ontology of Mathematics and Physics. for the learning of mathematics, June, pp. 38-43. (IF 7)


Fielker, D. (1988). Metaphors and Models. Mathemtics Teaching, No. 124. (IF 14)


Fischbein, E. (1989). Tacit Models and mathematical Reasoning. for the learning of mathematics, Vol. 9, No. 2, pp. 9-14. (IF 20)


Fischbein, E., Tirosh, D., Stavy, R. & Oster, A. (1990). The Autonomy of Mental Models. for the learning of mathematics, Vol. 10, No. 1, pp. 23-30. (IF 21)


Fischer, W. L. (1993). Formal Concept Analysis as a Research Tool in Mathematics Education. Hiroshima Journal of Mathematics Education, Vol. 1, pp. 1-35. (IF 49, 50)


Fisher, R. (1990). Cretical thinking. Blackwell, B. (Ed.), Teaching Children to Think, pp. 65-96. (IF 28, 29)


Flener, F. O. (1990). Can Teachers Evaluate Problem Solving Ability? Proceedings of the Fourteenth PME Conference. (IF 33)


Font, V, Godino, J. D, Bruno D’amore. (2007). An Onto-Semiotic Approach To Representations In Mathematics Education. For the learning of mathematics, Vol. 27, No. 2, pp. 2-7. (IF 111)

 数学教授法の研究は,表象に関係する要素の複雑さだけではなく,指導と学習のプロセスにおいて,表象がもつ重要性を明らかにした。特に,表象の使用が引き起こす主要なオープンな問題の1つは,表現された対象と表象の役割を実現する対象の性質と多様性にある。本稿の目的は,数学の知識に対する存在記号論的アプローチによって精巧に作り上げられた記号機能と数学の存在論の概念が,表象の概念を一般化することと,数学的認識を記述するために使用された様々な理論的概念を集約することによって,どのように,そのような問題に我々が立ち向かうことを可能にするかを明らかにすることである。


Font, V., Godino, J. D., and Gallardo, J. (2013). The emergence of objects from mathematical practices. Educational Studies in Mathematics, Vol. 82, Issue. 1, pp. 97-124. (IF131)

数学教育の各種理論と整合性の取れる数学的対象の存在論を提案するという,刺激的な試みの論文です。論文の後半を中心に訳出しました。紙幅の都合上,訳を掲載できなかった一部の節に関しては,囲いの中でその節の内容の概要に触れることとしました。


Forman, G. & Pufall, P. B. (1988). Constructivism in Computer Age: A Reconstructive Epilogue. Constructivism in the Computer Age, pp. 235-250. (IF 13)


Forunato, I., Hecht, D., Tittle, C. K. & Alvarez, L. (1991). Metacognition and Problem Solving. Arithmatic Teacher, Vol. 39, No. 4. (IF 29)


Francis, R. L. (1992). Mathematics in Weighting. Mathematics Teacher, Vol. 85, No. 5. (IF 36)


Frank, M. L. Put Some POW in Year First-Year Algebra Classes. (IF 26)

Franklin, C. (2013). Common Core State Standards and the Future of Teacher Preparation in Statistics. The Mathematics Educator, Vol. 22, No. 2, pp. 3-10. (IF135)

本論文は,The Mathematics Educator 第22巻 2号のGuest Editorialとして掲載された論文であり,これからの数学教育において中心的トピックである統計教育の発展のための提言を行うことが目的である。そして,米国における様々な学力基準の考察を通して,6つの提言が示される。また,統計教育のカリキュラムだけでなく,子どもへの教授のための教師や,教員養成のための研究者の在り方についても議論がなされる。今後の統計教育で目指すべき像が僅か8ページの中に色濃く示されている。



Freudenthal, H. (1993). Thoughts on Teaching Mechanics Didactical Phenomenology of the Concept of Force. Educational Studies in Mathematics, Vol. 25, pp. 71-87. (IF 58, 59, 60)


Fried , M. N. (2007). Didactics and History of Mathematics: Knowledge and Self-knowledge. Educational Studies in Mathematics, Vol. 66, No. 2, pp. 203-223. (IF 113)

 本稿では以下の基本的な仮定を置く。すなわち,数学と数学史はともに,知識の形態であり,そして,それがため,知識獲得の異なった方法をそれぞれ表象する,という仮定である。上はまた,Fried(2001)における基本的な仮定でもあった。その論文で筆者は,これらの知識獲得の方法は,異なった概念的および方法論的の規約を伴うものなので,その結果,数学教育における規約と数学史における規約のあいだに衝突が生じることを,主張した。しかし,その結論は独断的に過ぎるものであった。そこで本稿では,対照的であるが,ソシュールの記号論にいくぶん依拠しつつ,数学史家と現場の数学者それぞれの知識獲得の方法は補完的である,とする立場を採る。この事実を認めることにより,本稿で論じられるように,われわれは,われわれ自身へのより深い理解へと達する。つまり,数学を行う存在としてのわれわれへの理解である。このような理解は,一種の数学的な自己知識と言えるのだが,それゆえ数学教育のための代替的な規約として提案される。 その規約に照らしてみたとき,数学史は,教科として,かつ上述の知識獲得の方法の間の橋渡しとして,数学教育における本質的な役割を担うこととなる。


Fried , M. N. (2014). Mathematics & Mathematics Education: Searching for Common Ground. In M. N. Fried, & T. Dreyfus (Eds.), Mathematics & Mathematics Education: Searching for Common Ground, pp. 3-22. (IF 136)

本稿は,Springer 社より2014 年に刊行されたMathematics & Mathematics Education: Searching for Common Groundのintroduction に相当する同名タイトルの第一章の一部である。本書は,数学教育研究のアイデンティティの問題を背景に踏まえながら,数学と数学教育という2 つの研究領域が共通基盤を持つ,その可能性を探究する一冊である。


Frye, S. M. (1989). The NCTM Standards: Challenges for All Classrooms. Arithmetic Teacher, Vol. 36, No. 9, pp. 4-7. (IF 14)


Furinghetti, F. (1997). History of Mathematics, Mathematics Education, School Practice: Case Studies in Linking Different Domains. For the learning of mathematics, Vol. 17, No. 1, pp. 55-61. (IF 71)

 本論文では、数学教授の過程において、数学教育の領域と数学の歴史がどのように相互に作用するのかを、4人の教師の数学史活用の事例をもとに考察している。そして、数学指導における歴史の介在として大きく2つの流れを示している。それは、数学のイメージを促進させるようものと、数学そのものの理解に寄与するためのものである。ただし、筆者は、前者は後者の段階への第1段階であるかもしれないとも述べている。


G

Gadanidis, G. (1988). Problem Solving: The Third Dimension in Mathematics Teaching. Mathematics Teacher, Vol. 81, No. 1. (IF 11)


Galbraith, P. L. et al. (1992). Towards Numeracy for the Thirds Millennium: A Study of Future of Mathematics and Mathematics Education. Educational Studies in Mathematics, Vol. 23, No. 6, pp. 569-593. (4IF 0, 41)


Ganguli, A. B. & Henry, R. (1994). Writing to Learn Mathematics: An Annotated Bibliography. Technical Report Series No. 5, Center for Interdisciplinary Studies of Writing, University of Minnesota. (IF 61)


Garner, R. (1988). Verbal-Report Data on Cognitive and Metacognitive Strategies. Weinstein, C. E. et al. (Eds.), Learning and Study Strategies, pp. 63-74. (IF 57)


Garofalo, J. (1989). Beliefs and Their Influence on Mathematical Performance. Mathematics Teacher, Vol. 82, No. 7. (IF 17)


Garuti, R. (1997). A Classroom Discussion and An Historical Dialogue: A Case Study. Proceedings of the 21st Conference of the PME, Vol. 2, pp. 297-304. (IF 67)


Gellert, U. (2004). Didactic Material Confronted with The Concept of Mathematical Literacy. Educational Studies in Mathematics, Vol.55, No.1-3, pp.163-179.(IF 98)

本稿では,教材の使用に関して,教師と生徒,そして,教材開発者と教師の間の関係について数学的活動という視点で述べている。また,数学的リテラシーという概念を述べた上で,「価値ある数学的活動とは何か?」という問いに対して,数学的リテラシーという始点で主張を述べている。



Glaister, P. (1993). On the General Solution of an Operation Table. International Journal of Mathematical Education in Science and Technology, Vol. 25, No. 5, pp. 603-604. (IF 46)


Glencross, M. & Boyd, A. V. (1992). How many sides has a polygon, on average? Mathematical Education, Vol. 23, No. 2. (IF 32)


Godino, J. D. (1996). Mathematical Concepts, their Meaning, and Understanding. Proceedings of th 20th Conference of PME, Vol. 2, pp. 417-424. (IF 60)


Godino, J. D. & Recio, A. M. (1997). Meaning of Proofs in Mathematics Education. Proceedings of the 21st Conference of PME, Vol. 4, pp. 313-320. (IF 62)


Goes, M. & Galbraith, P. (1996). Do it This Way! Metacognitive Strategies in Collaborative Mathematical Problem Solving. Educational Studies in Mathematics, Vol. 30, pp. 229-260. (IF 58, 59, 60)


Goldin, G. A. (2000). Affective Pathways and Representation in Mathematical Problem Solving. Mathematical Thinking and Learning, Vol. 2, No. 3, pp. 209-219.(IF 88)

 表象の情意的体系は,問題解決の潜在的能力(competence)に対する現実的なモデルを構築しようとする試みにおいて,幾つかの認知的表象体系の中に組み入れられている。情意の状態とは,大局的な態度や特質のことを表しているのではなく,解決者が問題解決の間に(有益な情報を貯蔵・提供したり,モニタリングを促進したり,発見法的なプロセスを喚起したりするために)経験し利用することのできる感情の局所的な状態の変化を表している。本稿では,2つの主要な情意的経路(一つは好意的であり,一つは好意的でない経路)が,有益なもしくは逆効果を生じる発見法的形態との間の推測される関係とともに議論される。このモデルの含意は,問題解決の発見法に関連した,数学指導に対する局所的情意の目標に関連する。



Gorgorio, N. (1998). Exploring the Functionality of Visual and Non-Visual Strategies in Solving Rotation Problems. Educational Studies in Mathematics, Vol. 35, No. 3, pp. 207-231. (IF 74)

 本稿は回転問題について取り扱っており、心的回転の使用やそれらの言語的表現(verbal terms)へのコード化に対する代案があることを示している:すなわち幾何的性質の使用である。この考えは、視覚主義の人と分析主義の人とを区別する理論と一貫するが、好みの処理様式という構成概念の代わりに、方略という構成概念を用いる。さらに、この区分に言及するが、しばしばそれを生徒を分類するのに用いる多くの研究者とは対照的に、ここでの研究では新しい変数、すなわち課題の性質を導入する。本稿では、様々な種類の方略の機能性や効率性についての分析を、課題のもつ特性の機能として提示する。研究では個人の特性ではなく解決方略について扱っており、幾何指導の改善のために役立ちうる情報を与えている。



Graeber, A. O., Tirosh, D. & Glover, R. (1989). Preservice Teachers' Misconceptions in Solving Verbal Problems in Multiplication and Division. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 20, No. 1, pp. 95-102. (IF 21)


Grandsard, F. (1995). Teaching Control: A Control Strategy for Graphing Functions. International Journal of Mathematical Education in Science and Technology, Vol. 26, No. 4, pp. 523-530. (IF 53)


Grasalfi, M., Martin, T., Hand, V. & Greeno, J. (2009). Constructing competence: an analysis of student participation in the activity systems of mathematics classroom, Educational Studies in Mathematics, Vol. 70, No. 1, pp. 49-70. (IF 117 118)

本稿は,2つの中等学校の数学教室におけるコンピテンスのシステムの構成を調査する。ビデオに撮った教室会議からの談話分析を利用し,本稿では,作用(agency)と説明責任(accountability)が,数学的内容に取り組んでいたときの,教師と生徒の間の相互作用を通して教室において分配される手段(way)を立証する。その際に我々は,コンピテンスが外面的に定義されうるという単なる個人の特性であるという仮説(assumption)を問題化する。その代わりとして,我々は,教室のような活動システムにおける人の参加の特性のように,個人のコンピテンスの概念を提言する。この観点において,「優秀である」として見なすものは,特定の教室において構成され得る,そして,非常に異なった設定から設定までをそれ故に見ることができる。コンピテンスが定義づけられうる手段の示唆は,将来の研究の用語(terms),及び公平な学習結果において議論される。



Gravemeijer, K. (2007). Emergent modelling as a precursor to mathematical modelling. W. Blum, P. L. Galbraith, H-W. Henn & M. Niss (Eds.), Modelling and Applications in Mathematics Education. The 14th ICMI Study, (pp. 137-144). New York: Springer. (IF 111)

本稿では,「創発的モデリング」と「数学的モデリング」の関係を論じる。前者は,RME理論研究所(RME theory constitutes)にその起源があり,本稿の主題である。数学的モデリングは,数学的モデルを解釈するために抽象的な数学的知識を要求するために,先行する学習過程を求める,ということを論じる。創発的モデリング・デザイン・ヒューリスティックは,抽象的な数学的知識の発達を育むと思われる一連のモデリング課題を形成するための1つの手段を与える。創発的モデリング・ヒューリスティックは,データ解析において指導の連続の中に記述される。



Gravemeijer, K. & Michelle Stephan (2002). Emergent Models as an Instructional Design Heuristic. In K.Gravemeijer, et al.(Eds.), Symbolizing, Modeling and Tool Use in Mathematics Education(pp.145-169).Kluwer Academic Publishers.(IF 97,98)

RMEの中でモデルが現れるプロセスの特徴と,これらのモデルが形式的,数学的に知る方法が現れるのを支援するプロセスに,「創発的(emergent)」というラベルがどのように言及するのかについて説明する。model-ofからmodel-forへの移行が,生徒達独自の出発点に関して「フォーマル」を意味する,新たな数学的現実の構築を意味することを示すために,模範的な一連の指導の分析を用いる。さらに,創発的モデルの動的な特性に注目する。本号では,本論文の後半部分を紹介する。



Grassl, R. M. & Mingus. T. T. Y. (1998). Keep Counting Those Boxes. The Mathematics Teacher, Vol. 91, No. 2, pp. 122-127. (IF 82)

 本稿では、正方形や長方形の数えあげを含む、いくつか関連のある発展問題を提示し解決する。また教室で、教師や生徒に問題自体を長期的に援用していくために、問題をどのように発展させていくのかも述べる。



Greeno, J. G. (2003). Situative Research Relevant to Standards for School Mathematics. A Research Companion to Principles and Standards for School Mathematics, pp.304-332, Reston, VA: National Council of Teachers of Mathematics.(IF 102,103)

本論文の前半では,まず,全く異なる目的と利用法をもつスタンダードと,その問題点を考察している。次に,教育のスタンダードを作成したり理解したりするのに,研究結果がどのように役立つのかについて議論している。そして,研究-開発-普及-評価というモデルに対する1つの代案を示している。 本論文の後半では,まず,状況論的視座における「研究の焦点(分析の単位)」「学習観」と,それに関わって「強調する学習の側面の違いによる実践の違い」「数学の学習活動システム」について説明されている。さらに,IREと再表現という「ディスコースにおける相互作用の2つの様式」について説明されている。



Gray, E. & Tall, D. (2001). Relationship Between embodied objects and symbolic procepts: An explanatory theory of success and failure in mathematics. Proceedings of the 25th PME Conference, Vol. 2,pp. 65-72. (IF 85)

本稿は数学における認知的構築の理論を提案する。氏らのアプローチは,Lakoffの身体的認知理論(embodied theory),van Hieleの幾何における理論,DubinskyとSfardの過程―対象の理論(process-object thory)の考えに関連する。それをふまえて統合的なモデルを構築し,数5の概念,導関数の概念の例を紹介している。



Greeno, J. G. (1991). Mathematical Cognition: Accomplishments and Challenges in Research. Hoffman, R. R. & Palermo, D. S. (Eds.), Cognition and the Symbolic Process: Applied and Ecological Perspective, pp. 255-279. (IF 29)


Groves, S. (2009). Exemplary mathematics lessons: a view from the west, ZDM Mathematics Education, Vol. 41, pp. 385-391. (IF 127)

異文化間の比較研究は,自身の実践のより良い理解を達成するために有力な手段を提供する。本稿は,東アジアにおける模範的な数学指導の実践と発展に関する特別な問題を強調することによって,西洋においてますます強調されている効果的な指導と対比させる。その対比は,この問題に関する論文の概要を提供し,模範的な実践として見なされるものと,その発展が現在の教育制度で支援される方法との類似点や相違点を調査するものである。 またその対比は,模範的な実践と東洋と西洋における発展の可能性を構成することへの私たちの理解に影響するような文化的な要因のいくつかを特定しようとするものである。



Gutierrez, A. & Jaime, A. (1993). An Analysis of the Students' Use of Mental Images When Making or Imagining Movements of Polyhedra. Proceedings of the 17th Conference of PME, Vol. 2, pp. 40-47. (IF 48)

H

Hanna, G. (1995). Challenges to the Importance of Proof. for the learning of mathematics, Vol. 15, No. 3, pp. 42-49. (IF 53, 55)


Hanna, G. & Jahnke, H. N. (1996). Proof and Proving. In “International Handbook of Mathematics Education”, Kluwer. (pp.877-908)(IF 104,105)

章ではまず、数学的実践において認められた、理解の伝達、この試みにおける証明の立場を指摘すること、数学の教授への影響のための重大な重要性について論議する。そして、「証明の死」の予言も含めて、数学者とその他の人による、数学における証明の立場づけを行おうという最近の挑戦を同定し評価する。そしてまた、時々外部社会的で哲学的な影響によって促進される、数学教育自体の範囲内で起こっているカリキュラムにおける証明の重要性への数々の挑戦を否定するために調査し、主として追求する。本章は、経験的科学における理論の役割に関して、数学的証明とその一部分である数学的理論に焦点をあてていく。授業で証明を使う事に関して重要な洞察がある。 それは、建前では非経験的科学の実践者である数学者が外的現実の理解に対して欠くことのできない寄与をすることによって、そのメカニズムのより深い理解を通して集められるだろう。



Hanna, G. & Jahnke, H. N. (1999). Using arguments from physics to promote understanding of mathematical proofs. Proceedings of the 23rd Conference of the PME, Vol. 3, pp. 73-80. (IF 75)

 本稿は、数学の理解を促すために授業で用いる有効な証明指導の方法として、物理学からの議論を用いることを提起したものである。数学と物理学のつながりと数学の例を通して物理学からの議論を用いることの良さと、今後の検討課題について述べている。



Harel, G. & Kaput, J. (1991). The Role of Conceptual Entities and Their Symbols in Building Advanced Mathematical Concepts. Tall, D. (Ed.), Advanced Mathematical Thinking, pp. 82-94. (IF 44, 46)


Harel, G. & Tall, D. (1991). The General, the Abstract, and the Generic in Advanced Mathematics. for the learning of mathematics, Vol. 11, No. 1. (IF 41)


Hart, D. (1994). Authentic Assessment : A Handbook for Educators. the Assessment Bookshelf Series. Addison-Wesley Publishing Company.(IF 95)

評価の革命は,数々の刺激的な評価のアプローチを生み出している。この本の目的は,なぜ教育者は標準化テストに代わるものを探しているのか,真正な評価のストラテジーがどのようにはたらくのかを明らかにするとともに,わかりにくい専門用語を明らかにすることで,その理解を助けようとするものである。また,評価法のひとつとしてポートフォリオ評価を取り上げ,その有効性について述べていく。



Haylock, D. W. (1987). A Framework for Assessing Mathematical Creativity in Schoolchildren. Educational Studies in Mathematics, Vol. 18, No. 1. (IF 8)


Heirdsfield, A. M. & Cooper, T. J. (2002). Flexibility and inflexibility in accurate mental addition and subtraction: two case studies. Journal of Mathematical Behavior, Vol. 21, No. 1, pp. 57-74. (IF 90)

 本稿では加法と減法の暗算における2人の児童の研究を報告し,彼らの心的な構造(mental architecture)を比較する.両児童とも正確さとしては同定されたけれども,一方が様々な心的な(柔軟な)ストラテジーを用いたのに対し,他方は授業で習った加法と減法の各々のアルゴリズムに対する記述的な手続きを反映している1つのストラテジーしか用いなかった.インタビューによって,ナンバーセンス(記数法,数と演算,基礎的事実,見積もりを含む),メタ認知,そして情意に関する両児童の知識と能力は同定された.これらの要素が,暗算(加法と減法)における2つのタイプの正確性を説明するためにどのように相互作用しているかを示すため,枠組みを発達させた。 柔軟な正確性は,メタ認知的ストラテジーや信念と統合された力強い数感覚の知識と,自己と指導についての信念の存在と関係していた.一方,柔軟でない正確性は,自己と指導についての信念によって支援された不適切な知識の補整の結果であった.



Hersh, R. (1993). Proving is Convincing and Explaining. Educational Studies in Mathematics, Vol. 24, No. 4. (IF 44)


Hershkowitz, R., Parzysz, B. & van Dormolen, J. (1996). Space and Shape. Bishop, A. J. et al. (Eds.), International Handbook of Mathematics Education, pp. 161-204. (IF 61, 62)

Heyd-Matzuyanim, E. (2013). The co-construction of learning difficulties in mathematics: teacher-student interactions and their role in the development of a disabled mathematical identity. Educational Studies in Mathematics, Vol. 83, Issue 3, 341-368. (IF 136)

「子どもが算数・数学を苦手としている」という事実の原因を学習障害に求めることは,ある意味では簡単かもしれない。しかし,数学教育にたずさわるものとしては,克服不能を含意しかねない「障害(disability)」という言葉によって学力不振の要因を説明する前に,克服可能性を示唆し得る「困難(difficulty)」の観点から検討を重ねる必要があるだろう。本論文の主張は大きく分けて以下の二点になる: 従来の枠組みの中では「数学の学習障害」と同定され得る生徒Dana の場合,その障害的状況は,認知的な障害というよりもむしろ情意的な困難によって引き起こされている。ˆ そうした情意的な困難はDana の個性に由来するものではなく,教師との相互作用によって発達させられたものである。



Hiebert, J. (1989). The Struggle to Link Written Symbols with Understandings: An Update. Arithmetic Teacher. (IF 19)


Hiebert, J. (1990). The Role of Routine Procedures in the Development of Mathematical Competence. Cooney, T. J. (Ed.), Teaching and Learning Mathemaics in the 1990's, 1990 Yearbook, NCTM. (IF 22)


Hirschhorn, D. B. (1990). Why is the SsA Triangle-Congruence Theorem Not Included in Textbook? Mathematics Teacher, pp. 358-361. (IF 21)


Hitt, F. (1994). Teachers' Difficulties with the Construction of Continuous and Discontinuous Functions. Focus on Learning Problems in Mathematics, Vol. 16, No. 4, pp. 10-20. (IF 50)


Hodgson, D and Riley, K. J. (2001). Real-World Problems as Contexts for Proof. Mathematics Teacher, Vol. 94, No. 9, pp. 724-728. (IF 86)

本稿では、実世界の問題を証明に対する文脈として使用することを奨励している。実際に証明は、生徒による実世界の問題場面の探求において自然な成り行きで行われうるため、実世界の問題が、証明の導入や証明を引き出すことにおいて最も効果的な文脈の一つであると考えられる。ここでは、ビリヤードの問題を用いてこれらについての検討をしている。



Hoehn, L. (1997). Loomis claimed 370 proofs… The Pythagorean Theorem: An Infinite Number of Proofs?… and the end is not yet. The Mathematics Teacher, Vol. 90, No. 6, pp. 438-441. (IF 67)


Hosmer, P. C. (1986). Students Can Write Their Own Problems. Arithmetic Teacher. (IF 9)


House, P. A. (1996). Try a Little of the Write Stuff. Communication in Mathematics K-12 and Beyond, NCTM 1996 Yearbook, pp. 89-94. (IF 71)

 本稿では、数学的内容を題材とした創作的文章(創作的Writing)を算数・数学教育に取り入れた実践について報告している。一見、算数・数学の学習とは思えないような実践であるが、導入課題としての「もしあなたが数になるのならどんな数がいいですか?」という自由記述、新聞や広告記事の作成といった基礎的な実践課題を具体的な生徒の作品とともに紹介している。さらに、文学的趣向の強い「散文詩」「替え歌」「物語」といった作品に取り組む実践についても、生徒の作品とともにその具体的事例について報告している。最後に、このような活動を行うことで生徒たちは自分たちの学習する数学を楽しみ、数学的トピックのより深い理解にとどまらず、「書く活動」を行うことでその課題をより深く学んだと結論づけている。



Howard, A. C. (1991). Addition of Fractions: the Unrecognized Problem. Mathematics Teacher, December, pp. 710-713. (IF 45)


Howson, G. (1993). Teachers of Mathematics. Mathematics Teaching, No. 142, pp. 28-31. (IF 38)


Hudson, F. M. (1990). Are the Primes Really Infinite? Mathematics Teacher, Vol. 83, No. 8. (IF 28)


Huinker, D. & Laughlin, C. (1996). Talk Your Way into Writing. Communication in Mathematics, K-12 and Beyond, NCTM 1996 Yearbook, pp. 81-88. (IF 74)

 考えることと話すことは,生徒のWritingに意味をもたせる過程における重要な段階である。本稿では,数学における記述によるコミュニケーションの向上のための「考え-話し-書く(think-talk-write)」と呼ばれるストラテジーについて説明する。このストラテジーを用いることは,子どもたちにとってはもちろん,大人にとっても有益である。



Hung, D. W. L. (1997). Meanings, Contexts, and Mathematical Thinking: The Meaning-Context Model. Journal of Mathematical Behavior, Vol. 16, No. 4, pp. 311-324. (IF 69)

 この論文の目的は、生徒の数学的思考と問題解決に影響を与える文脈的要因の、3つの異なったレベルを統合する意味-文脈モデルについて述べることである。これらの要因は、次のように分類できる:(1)手近にある問題-課題;(2)個々の問題解決者の、数学に関する個人的認識論;(3)個人が自らの数学的気質を発達させる時の社会的、文化的影響。著者はこれら3つの異なった文脈的要因をそれぞれ、意味-記号の文脈、意味-解釈の文脈、意味-間主観性の文脈として言及した。論文では又、このモデルの含意について議論している。


I・J

I

Irwin, K. C. (1996). Children's Understanding of the Principles of Covariation And Compensation in Part-Whole Relationships. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 27, No. 1, pp. 25-40. (IF 71)

 この研究は、部分-全体の関係における相殺と共変の原理に関する子どもの理解を、4歳から7歳までの子どものインタビューを通して調査している。
 ニュージーランドの学校では、7歳になるまで相殺と共変の原理を理解できないと主張したPiagetの研究の影響から、最初の3年間は、数えを伴わない量(数えを必要としない量)を操作したり比較したりする活動に従事している。しかしこのPiagetの研究は、数的な文脈において調査されており、Resnickは、正確な量化がなされていない理解(前量的な理解)であれば、数的な理解の前にすでに生徒は獲得していると主張している。
 よって著者は、数えを伴わない量、数えを伴う量、数的な等式のそれぞれにおける相殺と共変の原理の理解を調査し、就学前の子どもはすでに数えを伴わない量におけるこの原理を理解している(前量的な理解をしている)ということを調査によって示し、カリキュラムに対する示唆を与えている。



Ittigson, R. (2002). Helping Students Become Mathematical Powerful. Teaching Children Mathematics, Vol. 9, No. 2, October, pp. 91-95.(IF 94)

J



Jablonka, E. & Gellert, U. (2007). Mathematisation - Demathematisation, Mathematisation - Demathematisation: Social, Philosophical and Educational Ramifications, pp. 1-18. (IF 109)

 本稿では,数学化と脱数学化の意味を論じ,以てそれらを明らかにすることを試みている。さらに,数学化と脱数学化の関係について述べることで,数学化概念がもつ力を高めようとしている。本稿では,まず教授原理としての数学化について数学的モデル化と関連付けながら述べ,その問題点を指摘している。その一方で,社会的プロセスとしての数学化について述べている。最終的に,数学化と脱数学化のプロセス,関係,それらがもたらす効果について述べている。本稿は全体として,本書の導入章として,そこで議論される全体を要約している。



Jahnke. H. N. (2007). Proof and Hypotheses ZDM, Vol. 39, No. 1-2, pp. 79-86. (IF 116)

証明とは,毎日の状況,物理学,数学における証明としての陳述には共通,異なる特徴を持つ。それは陳述の証明が経験,日常の思考を基にするのか,例外のなく有効な陳述,すなわち演繹的思考を基にするのかの違いであり,数学においては後者のみが認められる。しかし,生徒は数学においても前者を基にして証明されることを正しいとすることを好む。本稿では,数学の授業における証明として,演繹的思考のみの証明の構成に比べより生産的とされる両者を包含したアプローチを提案し,教授単元を実例として挙げる。



Jaime, A. (1996). Use of Language in Elementary Geometry by Students and Textbooks. Mansfield, H., et al. (eds.), Mathematics for Tomorrow's Young Children, pp. 248-255. (IF 72)

 この論文は、スペインの小学校の教科書に載っている三角形と四角形の定義に関する研究の結果を報告している(Jaime, Chapa, & Gutierrez, 1992)。その目的は、定義の記述に関する間違い、個人による、あるいは教科書に載っている定義の矛盾した、不適切な使用について指摘することである。
 また、三角形と四角形に関する質問を小学生に行っており、そこでは、生徒が数学的言語を用い、理解する方法に注意を向けている。その結果の一つが以下である:生徒は小学校期間を通じて、数学的言語を用いる方法を"学習"しなければならない。



Janvier, C. (1990). Contextualization and Mathematics for All. Cooney, T. J. & Hirsch, C. R. (Eds.), Teaching and Learning Mathematics in the 1990s (1990 NCTM Yearbook), pp. 183-193. (IF 32)


Jennifer Earles Szydlik (2000). Mathematical Beliefs and Conceptual Understanding of the Limit of a Function. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 31, No. 3, pp. 258-276. (IF 83)

本研究は、27大学の学生達の微積分に対する数学的信念と、その信念と彼らの極限の理解との間のつながりを研究している。極限のインタビューで得られたデータ―は、確信の根源と極限の理解の間の関係を暗示した。確信の外的根源のある学生は、つじつまがあわなかったり、不適当な極限の定義を与え、境界または到達不可能としての間違った極限の概念を持ち、確信の内的根源のある学生より、極限の計算を正しく出来なかったことが明らかになった。極限の理解においては内容の信念の影響は明らにならなかった。



Jennifer M. Deitte,R. Michael Howe (2003). Motivating Students to Study Mathematics. Mathematics Teacher , Vol.96, No. 4, pp. 278-280. (IF 92)


Joaquim, B., Marianna, B., Lorena E. & Josep, G. (2005). Didactic Restrictions on the Teacher's Practice: The Case of Limits of Functions in Spanish High Schools. Educational Studies in Mathematics, Vol. 59, 2005, pp. 235-268. (IF135)

本稿は,フランスの数学教授学における理論の一つである教授の人間学理論を用いて,スペインの高等学校における関数の極限指導の困難性を記述している。経験的に指導が困難であるといわれている単元は少なからずあるが,その困難さを引き起こすメカニズムは何か,という問いに答えることは容易ではない。この論文は,人間学理論の枠組みで事実を捉えることにより,その困難性を浮き彫りにする。第3節ではカリキュラムの構成そのものに起因する指導活動への制約が記述され,論文の後半部分では教師の数学観や指導観に由来する制約が記述される。本稿には人間学理論を用いた分析が丁寧に書かれており,この理論的枠組みの概念を知る上でも役に立つ論文である。



Joy W. Whitenack, Nancy Knipping, Sue Novinger, and Gail Underwood (2001). Second Graders Circumvent Addition and Subtraction Difficulties. Teaching Children Mathematics, Vol.8, No.4, pp.228-233. (IF 92)

K

Kai-Lin Yang & Fou-Lai Lin (2007). Reading Comprehension of Geometry Proof. Educational Studies in mathematics, in printing(nline first), Published online: 3 May 2007. (IF 108 110)

 幾何的な証明を読解する(Reading Comprehension of Geometry Proof; RCGP)ような構成を概念化するために, (a)構成している局面と,(b)それら局面の構造を詳細に探究する必要性,およびその探究方法を説明する。様々な文献からRCGPの内容を集め,一つの仮定的なRCGPモデルを提案する。次に,RCGPの内容を豊かなものとするために,数学者と数学教師に,数学的な証明をよみとるということについてインタビューもしている。理解研究におけるモデル開発の過程の一例として,モデルの局面の設定過程や,その局面の妥当性の検証を,既存の統計学的原理等学問的見地と実際的な数学教師,数学者,生徒の実践等の両極面において実施している点に注目できる。



Kamii, C. & Lewis, B. A. (1990). Constructivism and First-grade Arithmetic. Arithmetic teacher, No. 1, September. (IF 22)


Kamii, C., Lewis, B. A. & Livingston, S. J. (1993). Primary Arithmetic: Children Inventing Their Own Procedures. Arithmetic Teacher, December, pp. 200-203. (IF 44)


Kamii, C. & Warrington, M. A. (1997). Multiplication with Fractions: A Constructivist Approach. Hiroshima Journal of Mathematics Education, Vol. 5, pp. 11-20. (IF 64)


Kang, W. & Kilpatrick, J. (1992). Didactic Transposition in Mathematics Textbooks. for the learning of mathematics, Vol. 12, No. 1, pp. 2-7. (IF 34)


Kaput, J. J. (1993). Overcoming Physicality and the Eternal Presents: Cybernetic Manipulatives. Sutherland, R. & Mason, J. (Eds), Exploiting Mental Imagery with Computers in Mathematics Education, pp. 161-177. (IF 74)

 この論文ではサイバネティックスの操作の視覚的、映象主義的側面、物理的な操作を改善するためにそれらをどのように計画するか、それらの可能性や落とし穴は何なのか、またそれらを数学の学習の支えとしてテクノロジー使用の大いなる進歩にいかに組み込んでいくか、ということを探求する。ここで表象の"即物性(Physicality)"の問題、"自然的な(natural)"表象と形式的な表象との強い結びつき、特に新しい形の行動記録がこれらの結びつきを部分的に変えたり、数学をする中で必要とされる思考水準を、低い水準であるコンピュータの操作から高い水準である計画、方略的、機能的思考まで高める方法として考察する。この論文では、新しい技術の表象的な利用という側面で、形式的な数学の記法と確信に値する人間の体験-特に現実的な模擬実験において裏付けられた人間の体験、の間の強い結びつきを主張した。



Kaput, J. (1994). The Representational Roles of Technology in Connection Mathematics with Authentic Experience. Biehler, R. et al. (Eds.), Didactics of Mathematics as a Scientific Discipline, pp. 379-397. (IF 45)


Katz , V. J. (2007). Stages in History of Algebra with Implications for Teaching, Educational Studies in Mathematics, Vol.66, No.2, pp.185-201. (IF 112-113)

 本稿で我々は,中等学校あるいは大学における代数の教授における,重要な発展とこの歴史の重要性への影響に特に言及しながら、代数の歴史を急いで旅する。しばしば,代数はその歴史的発展において3つの段階をもつと考えられている。:言語的段階,省略的段階,そして記号的段階である。しかし,これら3つの代数的な考えを表現する段階のほかに,表現の変化の局面で生まれた4つのより概念的な水準がある。これらの水準は,代数概念のほとんどが幾何学的な概念である幾何学的水準,ある関係を満たす数を見つけることを目的とする静的な方程式を解く水準,運動が基本的な考えであると思われる動的な関数の水準,そして最後に,数学的構造が中心的な役割を果たす抽象的な水準である。 代数の水準は,もちろん全く互いに共通部分をもたないわけではなく,かならず共通部分をもつ。 我々はここで,これらの水準の発達における最も重要なポイントについて議論し,これらの歴史的水準を代数の教授において利用することについて論じる。


Keith, W. (2013). What is a proof? A linguistic answer to an educational question, Paper presented at Seventeenth Annual Conference on Research in Undergraduate Mathematics Education. (IF135)

本稿は,アメリカでの大学数学教育研究の文脈で提起された理論的提言である。数学教育研究で「証明」という語の定義が上手くいっていない理由を言語学的観点から指摘している。



Kenny, P. A. & Silver, E. A. (1993). Student Self-Assessment in Mathematics. Webb, N. L. & Coxford, A. F. (Eds.), Assessment in the Mathematics Classroom, NCTM 1993 Yearbook, pp. 229-238. (IF 43)

Kieren, T. & Pirie, S. The Answer Determines the Question: Interventions and the Growth of Mathematical Understanding. (IF 33)


Kieren, T. & Pirie, S. (1991). Recursion and the Mathematical Experience. Steffe, L. S. (Ed.), Epistemological Foundations of Mathematical Experience, pp. 78-101. (IF 43)


Kieren, T., Pirie, S. & Reid, D. (1994). Mathematical Understandinf: Always Under Construction. Proceedings of the 18th Conference of PME, Vol. 4, pp. 49-56. (IF 48)


Kieren, T. E. (2000). Dichotomies or Binoculars: Reflections on the Papers bySteffe and Thompson and by Lerman. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 31, No. 2, 228-233. (IF 82)

 本稿は,数学教育は,社会文化的な現象とみなされるのか,個々の生徒の数学的発達を養育することとみなされるのか,ということについて,Steffe,Thompsonの論文と,Lermanの論文に見られる二分法的な捉え方とは異なる,別の捉え方を提案する。まず2つの立場についてそれぞれ検討する。つぎに,互いに相容れないような2つの立場を,別の観点から見た「真実」であると捉える筆者の立場が述べられる。



Killon, K. & Steffe, L. P. (1989). Children's Multiplication. Arithmetic Teacher, September, pp. 34-36. (IF 16)


Kilpatrick, J. (1985). Reflection and Recursion. Educational Studies in Mathematics, Vol. 16, No. 1. (IF 12)

Kilpatrick, J. (2012). The new math as an international phenomenon.
ZDM-The International Journal on Mathematics Education, Vol. 44, No. 4, 2012, 563-571. (IF 129)

本稿の主要な問いは,数学教育は単一か?ということに集約される。“New math” として一括されることが多い,インターナショナルな現象としての数学教育現代化運動は,それがさまざまな国や地域に拡大していったとき,どのような問題を露呈したか。現代化運動の起源・展開・評価・反省を整理しながら上記の問いに回答する。New math という経験から得られた「学校数学がインターナショナル化すればするほど,その国家的特徴がより明確に顕れる」というアフォリズムは,歴史・社会・文化などの数学教育をめぐる多様なファクターの存在を物語っている。



Kilpatrick, K. (2001). Understanding Mathematical Literacy: The Contribution of Research. Educational Studies in Mathematics, Vol.47 , pp.101-116.(IF 96)

本稿では,アメリカの「数学戦争(math war)」に対する数学学習研究(MLS)の取り組みを例としながら,論争において学術研究が果たしうる役割と,学術研究を理解することが数学的リテラシーという目標を理解することにどのように貢献するかを検討している。



Kinzel, M. T. (2001). Linking Task Characteristics to the Development of Symbol Sense. Mathematics Teacher, Vol. 94 No. 6, pp. 494-499. (IF 86)

本稿は、これまでの研究から、いくつかの課題が他の課題よりも表記に関する課題について生徒の注意をむけさせるのに効果があることが明らかにしている。そして、生徒の注意をむけさせる課題を具体的にあげながら、表記に関する有効な課題を特徴づけることを試み、中学校のクラスに対する示唆を議論している。課題の特徴づけは、シンボルセンスの発達に関連付けながら行われている。



Kirshner, D. (1985). Linguistic and Mathematical Competence. for the Learning of mathematics, Vol. 5, No. 2, pp. 31-33. (IF 25)


Klein, P. A. (1990). Remembering How to Read Decimals. Arithmetic Teacher, Vol. 37, No. 9. (IF 20)


Krulik, S. & Rudnick, J. A. (1999). Innovative Tasks to Improve Critical- and Creative-Thinking Skills. In L. V. Stiff & F. R. Curcio (Eds.), Developing Mathematical Reasoning in Grades K-12 (1999 yearbook, pp. 138-145). Reston, VA: National Council of Teachers of Mathematics. (IF 89)

 本稿では,数学の教室を,子どもたちが批判的思考や創造的思考の技能を向上させることができる場所とするための,幾つかの明確な示唆を提供する。その一つは,George Polyaによって提案された発見的方法の最後の相である「振り返り」の内容を教師が拡張するということである。Polyaの方法は,問題の結果を確かめるということ,そして,それらの結果を幾つかの他の問題状況に用いるということを含んでいるが,彼はそれ以上のことを十分には述べていない。我々は,答えが見つかったということだけで問題を終わらせるべきではないと信じている。結果として我々は,この最後の発見的方法の相を,「反省」という名に付け直し,それを拡張して4つの付加的な領域を含めた。それは「他の方法はないか?」,「もし~だったら?」,「何が間違っている?」,「あなたならどうする?」ということである。


L

Laing, D. R. & White, A. T. (1991). Exhibiting Connections between Algebra and Geometry. Mathematics Teacher, Vol. 84, No. 9. (IF 32)


Lamb Jr. J. F. Trisecting an Angle- Almost, Part 2. (IF 28, 29)


Lamb, J. F., Aslan, Jr. F., Chance, R. & Lowe, J. D. (1991). Inscribing an "Approximate" Nonagon in a Circle. Mathematics Teacher, Vol. 84, No. 5. (IF 27)


Lambart, P. et al. (1989). A Cognitive Psychology Approach to Model Formation in Mathematical Modelling. Application and Modelling in Learning and Teaching Mathematics, pp. 92-97. (IF 14)


Lambdin, D. V. (1993). Monitoring Moves and Roles in Cooperative Mathematical Problem Solving. Focus on Learning Problems in Mathematics, Vol. 15, No. 2-3. (IF 40)


Lamon, S. J. (1996). The Development of Unitizing: Its Role in Children's Partitioning Strategies. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 27, No. 2, pp. 170-193. (IF 71)

 この研究は,量の構成に着目した子どもの有理数概念獲得、中でも子どもの単位化の過程における発達の傾向を推測することを目的としている。そのために直観的な活動として分割課題を採用し子どもが課題に取り組む様子を観察し、考察している。本研究では,ピースの数や大きさや、認知的な手がかりの使用における経済性を、単位化の精緻化として解釈する枠組みによって,第4学年から第8学年までの子ども346人の分割ストラテジーを分析している。それぞれの学年段階において,多くの割合の生徒が,経済性で劣る,切断-分配ストラテジーよりも経済的な分割ストラテジーを用いた。学年段階が上がるにつれて,経済的なストラテジーを用いる生徒の割合が増え,バラバラの単位の分配から,より複雑な合成単位の使用への転換を示した。ストラテジーは,共有されたものに関する社会的実践や、程度は下がるが与えられた多大な量のうち数に関する部分に強く影響された。 そしてこういった子どもの反応をもとに、著者は分割を用いた単位化の発達を促す教授学的ストラテジーを提案している。



Lawton, C. A. (1993). Contextual Factors Affecting Errors in Proportional Reasoning. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 24, No. 5, pp. 460-466. (IF 53)


Lehrer, K. (1988). Metaknouledge: Undefeated Justification. Synthese, Vol. 74, No. 3, pp. 329-347. (IF 8)


Lerman, S. (1999). Accounting for Accounts of Learning Mathematics: Reading the ZPD in Videos and Transcripts. Clarke, D. (Ed.), Perspectives on Meaning in Mathematics and Science Classrooms. (IF 79)


Leron, U. & Zazkis, N. (1986). Computational Recursion and Mathematical Induction. for the learning of mathematics, Vol. 6, No. 2. (IF 8)


Leron, U., Hazzan, O. & Zazkis, R. (1995). Learning Group Isomorphism: A Crossroads of Many Concepts. Educational Studies in Mathematics, Vol. 29, No. 2, pp. 153-174. (IF 52, 55)


Lesh, R. & Kelly, A. E. (1994). Action-Theoretic and Phenomenological Approaches to Research in Mathematics Education: Studies of Continually Developing Experts. Biehler, R. et al. (Eds.), Didactics of Mathematics as a Scientific Discipline, pp. 277-286. (IF 45)


Lesh, R., Post, T. & Behr, M. (1987). Representations and Tranlation among Representations in Mathematics Learning and Problem Solving. Teaching and Learning of Mathemaics, LEA, pp. 33-40. (IF 23)


Lester, F. K. (1994). Musings about Mathematical Problem-Solving Research: 1970-1994. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 25, No. 6, pp. 660-675. (IF 46)


Lester, F. K. et al. (1989). Self-confidence, Interest, Beriefs and Metacognition: Key Influences on Problem-solving. McLeod, D. B. & Adams, V. M. (Eds.), Affect and Matehmatical Problem Solving: A New Perspective, pp. 75-88. (IF 15)


Levenson, E. , Tsamir, P. & Tirosh, D. (2007). First and Second Graders Use of Mathematically-based and Practically-based Explanations for Multiplication with Zero, Focus on Learning Problems in Mathematics, Vol.29, No2, pp.21-40. (IF 115)

 本論文では、ゼロを含むかけ算に関する児童のプレコンセプションの調査と、その調査問題に対して、児童がどのような説明を与えたのかがまとめられている。ゼロを含む演算についての児童の困難は、とりわけわり算において指摘されることが多い。しかし、著者たちは、それ以前に学習するかけ算において、すでに見逃すことのできない困難を児童が有しているのだということを実証したいのであろう。調査で使用されたかけ算の問題に対して児童が与えた説明は、大きくMBとPBとに分けられている。本論文からは、このMBをできるだけ早く児童に導入するべきであり、実際に第1、2学年の児童のような幼い児童でもそのような形式的な数学を使う能力を有しているのだという著者らの考えが読み取れる。この点については議論の余地があると考える。



Liljedahl, P. & Zazkis, R. (2001). Analogy in the exploration of repeating patterns, Proceedings of the 25th Conference of the PME, Vol. 3, pp. 305-312.(IF 85)

本稿では,106人の小学校教員志望学生を対象に,反復パターンの探求に関する類比的推論の調査研究がなされている。その結果,問題の関係的構造だけでなく,それらの相対的な計算の複雑性が馴染みの深い課題と馴染みのない課題とを成功的に対応づける学生の能力に影響するということが見出された。教授学的な示唆として,教師は,生徒が倍数の理解とあまりのある除法の理解とを関連づけるように助けるべきであり,反復パターンの理解をより完全にすることに寄与するべきであるということが導かれた。



Linchecski, L. & Herscovics, N. (1996). Crossing the Cognitive Gap between Arithmetic and Algebra: Operating on the Unknown in the Context of Equations. Educational Studies in Mathematics, Vol. 30, pp. 39-65. (IF 56, 57, 58)


Lipp, A. (2001). Visualizing the Complex Roots of Quadratic and Cubic Equation. Mathematics Teacher, Vol. 94, No. 5, pp. 410-413.(IF 84)

二次方程式・三次方程式の実数解の存在は、生徒に分かりやすくするために、現在の教科書でも解の視覚化すなわちグラフを描くことによって示されている。しかし複素数解の存在の視覚化は行われていない。しかし実数解の視覚化を行えば自ずと虚数解の視覚化も望まれる。その要求に応えているのがこの論文である。



Lippert, R. (1987). Teaching Problem Solving in Mathematics and Science with Expert Systems. School Science and Mathematics, Vol. 87, No. 6, pp. 477-493. (IF 9)


Lopetz-Real, F. (1989). Metaphors and Related Conception in Mathematics: Part 1. Mathematics Teaching, No. 127. (IF 17)


Lories, G., Dardenne, B. & Yzerbyt, V. Y. (1998). From Social Cognition to Metacognition. Yzerbyt, V. Y., Lories, G. & Dardenne, B. (eds.), Metacognition: Cognitive and Social Dimentions, pp. 1-15. (IF 71)

 本書は、すべての社会的相互作用は、認知的活動の自己反省的な特徴が本質的なカテゴリーに分類される、というアイディアから生まれたのである。これは、メタ認知が可能になるとき、つまり、社会的認知とメタ認知の両方が自分自身の認知プロセスをモニターするために認知的活動の所産を用いることができるようになるとき、認知が社会的になる、という考えである。その中でも本章では、メタ認知というテーマを、未解決であるが、意識性,言語化,一貫性(penetrability)、反省性のパラドックスに関連するものと捉えている。神秘的な力を仮定したり無限後退を生み出したりすることなしに、効果的なメタ認知能力が実際に展開する方法を決定するための方法の1つは、メタ認知を通常の認知様式においてそれ自身の所産に適応するような認知として考えることである。著者らのメタ認知に対する社会的アプローチに関する考えは、その詩人と同じ意見である:"私は一人の他人である(Je est un autre)"。



Lornell, R. & Westerberg, J. (1999). Fractals in High School: Exploring a New Geometry. The Mathematics Teacher, Vol. 92, No. 3. (IF 81)

著者らは、ここ数年幾何学の授業にフラクタル幾何学を導入してきた。本稿では、フラクタルとは何か、どこからきたのか、伝統的なユークリッド幾何学との違いなどが述べられている。また、よく知られているフラクタルである、カントール集合、コッホ曲線を例にあげ、フラクタルの魅力、授業での取り組み、フラクタル幾何学を数学のカリキュラムに組み込むべき理由を述べている。



Love, W. P. (1989). Supersolids: Solids Having Finite Volume and Infinite Surfaces. Mathematics Teacher, Vol. 82, No. 1. (IF 15)


Lynda Colgan and Nathalie Sinclair (2000). Matissemathematics: Paper Dolls and Transformational Geometry. Mathematics in School, Vol. 29, No. 1, pp. 2-8. (IF 83)

幾何学的図形を視覚化、構成、比較そして分類することを通じて,生徒は反射、回転、平行移動のつながりに気がつき、数学的コミュニケーションのしきたりの必要性と性質に気が付くようにもなります。本稿では、対称性、変換群そして記号体系を開拓するための紙人形を用いて,変換幾何学を考え,その具体的な内容を紹介しています。


M

MacGregor, M. & Stacey, K. (1993). Cognitive Models Underlying Students' Formulation of Simple Linear Equations. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 24, No. 3, pp. 217-232. (IF 61, 62, 65)


MacGregor, M. & Stacey, K. (1996). Origins of Students' Interpretations of Algebraic Notation. Proceedings of th 20th Conference of PME, Vol. 3, pp. 289-296. (IF 60)


MacGregor, M. & Stacey, K. (1996). Learning to Formulate Equations for Problem. Proceedings of th 20th Conference of PME, Vol. 3, pp. 289-296. (IF 58)


Mack, N. K. (1995). Confounding Whole-Number And Fraction Concepts When Building On Informal Knowledge. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 26, No. 5, pp. 422-441. (IF 71)

 本研究は、生徒が分数についてのインフォーマルな知識を基にして取り組むとき、彼らの持つ全数に対する先行知識が、分数に対して構成する意味や表現にどのような影響を及ぼすのかという観点から、彼らが指導を通して分数の理解を発達させるようすについて調べたものである。第3学年の生徒4名と第4学年の生徒3名が3週間の間、1対1の体制で分数の足し算、分数の引き算の個別指導を受けた。生徒は、分数の記号表現に対する意味を構成しようとするとき、全数に対する記号表現の意味を分数に一般化しすぎてしまい、分数に対する記号表現の意味を全数に一般化しすぎてしまった。



Maher, C. A. & Alston, A. (1989). Is Meaning Connected to Symbols? An Interview with Ling Chen. Journal of Mathematical Behavior, Vol. 8, pp. 241-248. (IF 20)


Maher, C. A. & Martino, A. M. (1994). The Development of the Idea of Mathematical Proof: A 5-year Case Study. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 27, No. 2, pp. 194-214. (IF 57, 58, 59)


Malaty, G. (1994). Can Young Children Learn Abstract Ideas in Geometry? International Journal of Mathematical Education in Science and Technology, Vol. 25, No. 5, pp. 751-758. (IF 46)


Malik, M. A. (1980). Histrical and Pedagogical Aspects of the Definition of Function. International Journal of Mathematical Education in Science and Technology, Vol. 11, No. 4, pp. 489-492. (IF 47)


Malone, J. (1989). Four Labs to Introduce Quadratic Functions. Mathematics Teacher, November, pp. 601-604. (IF 17)


Maqsud, M. (1998). Effects of metacognitive instruction on mathematics achievement and attitude towards mathematics of low mathematics achievers. Educational Research, Vol. 40, No. 2, Summer, pp. 237-243. (IF 85)

本稿では,中等学校における数学の低学力者に対して,数学に対する成績と態度についてのメタ認知的な指導を行っている。本稿の主な目的は,「支持的な環境の中で適切なメタ認知的ストラテジーを指導する」という教育プログラムの有効性を示すことである。



Marja van den Heuvel-Panhuizen (2003). The didactical use of models in Realistic Mathematics Education: An Example from a longitudinal trajectory on percentage. Educational Studies in Mathematics, Vol.54 No.1 pp.9-35.(IF 96)

本稿では,RMEの中で,数学の理解における生徒達の成長を顕在化させるために,モデルがどのように用いられているのかについて述べる。まず初めに,このアプローチにおけるモデルの役割に関するRMEの特徴について,いくつかの背景となる情報を与える。それから,アメリカの中等学校のカリキュラムである文脈の中の数学(Mathematics in Context)のためにデザインされた,割合に関する長期的軌道の中での棒モデル(bar model)の使用について焦点を当てる。このモデルの力は,指導と生徒達の両方を並行して発達させることである。それは,割合に関する文脈を表現する絵(drawing)から操作者として割合の使用を支援する抽象的な道具に関して見積もりと推論のための帯(strip)までを含む。



Margulies, S. (1990). Discovering a New Algorithm. Mathematics Teacher, pp. 368-370. (IF 20)


Marquis, J. (1989). What Can We Do About the High D and F Rate in First-Year Algebra. Matehmatics Teacher, Vol. 82, No. 6. (IF 16)


Martinez, J. G. R. (1988). Helping Students Understand Factors and Terms. Mathematics Teacher, Vol. 81, No. 9. (IF 12)


Masat, F. & Mitchell, R. (1992). Connenting Logic, Algebra, and Functions in Discrete Mathematics. Mathematics Teacher, Vol. 85, No. 5. (IF 35)


Masingila, J. O., Davidenko, S. & Prus-Wisniowska, E. (1996). Mathematics Learning and Practice In and Out of School: A Framework for Connecting These Experiences. Educational Studies in Mathematics, Vol. 31, No. 1 & 2, pp. 175-200. (IF 71)

 この論文は、いくつかの差異は仕方ないかもしれないが、学校の中と外での数学の学習と実践はともに両立でき、関連付けられるようにするために、多くの差異を減らすことができるという立場を維持しながら、これらの差異を調査し、議論するものである。
 またそこでは、Saxe(1991) の枠組みを利用している。その枠組みは、社会文化的プロセスと認知的発達プロセスとの間の相互作用を研究するためのものであるが、それが学校の中と外での数学の学習や実践を結び付けることに対して役立つであろう。



Mason, J. (1989). Mathematical Abstraction as the Result of a Delicate Shift of Attention. for the learning of mathematics, Vol. 9, No. 2. (IF 36)


Mason, J. & Keynes, M. (1996). Book Review: Sierpinska, A., Understanding in Mathematics. Zentralblatt fur Didaktik der Mathematik, Jahrgang 28, Heft 2, pp. 40-41. (IF 56)


Mason, M. M. (1996). Geometric Knowledge in a Deaf Classroom: An Exploration Study. Educational Studies in Mathematics, Vol. 30, pp. 57-69. (IF 58, 59)


Mathematics Teacher (1989). Essentical Mathematics for the Twenty-first Century: The Position of the National Council of Supervisor of Mathematics. Mathematics Teacher, Vol. 82, No. 5. (IF 15)


Matthew Hall (2003). Calculator Cryptography. Mathematics Teacher, Vol.96, No.3, pp.210-212. (IF 92)


Mayer, J. & Hillman, S. (1995). Assessing Students' Thinking through Writing. Mathematics Teacher, Vol. 89, No. 5, pp. 428-432. (IF 63)


Mayer, R. E. (1987). Learnable Aspects of Problem Solving: Some Examples. Applications of Cognitive Psychology: Problem Solving, Education, and Computing. (IF 10)


McClain, K., Cobb, P. & Gravemeijer, K. (2000). Supporting Students' Ways of Reasoning about Data. Learning Mathematics for a New Century, NCTM 2000 Yearbook, pp. 174-187. (IF 81)

 この論文では,中学生の生徒がデータの分析に関連した統計的な理解の発達を通して,どのようにデータに関して推論できるようになるのかを検討している。そのために,コンピュータのツールを開発し,それを用いて12週間における指導実践を行った第7学年の授業からのエピソードを提示し,その特徴を述べている。



McClintock, R. (1999). Counting Triples, Triangles, and Acute Triangles. Mathematics Teacher, Vol. 92, No. 7, pp. 612-619. (IF 80)

 本稿は,1997年4月号の"The Mathematics Teacher"に掲載された,「ピラミッド問題:問題解決の探求」の続きである。ここでの活動の中で,生徒は36という周の長さに対する,各辺が正整数の長さの三角形をすべて見つけるように求められた。さらに36以外の周の長さの三角形を考え,助けとしてのコンピュータを用いた活動を通じて,数え上げに関する考察を試みた。



McDonald, J. L. (1989). Cognitive Development and the Structuring of Geometoric Content. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 20, No. 1. (IF 12)


McLeod, D. B. (1988). Affective Issues in Mathematical Problem Solving: Some Theoretical Considerations. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 19, No. 2. (IF 7)


McLeod, D. B. (1988). Affective Issues in Mathematical Problem Solving: Some Theoretical Considerations. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 19, No. 2, pp. 134-141. (IF 49)


Mcley, H. & Piggins, D. (1996). The Mental Manipulation of 2-D Representations of Knots as Deformable Structures. Educational Studies in Mathematics, Vol. 30, No. 4, pp. 399-414. (IF 62, 63)


Meconi, L. J. (1990). Number Bases Revisited. School Science and Mathematics, Vol. 90, No. 5. (IF 25)


Merenluoto, K. & Lehtinen, E. (2000). The "conflicting" concepts of continuity and limit? A conceptual change perspective. Proceedings of the 24th PME Conference, Vol. 3, pp. 303-310. (IF 85)

本稿は,関数の連続性の定義を理解する際の困難性に関する考察を行なっている。考察の方法としては,17-18歳の生徒に対して,連続性と極限の概念に関して,自分の言葉で説明させ,その解答を抽象化のレベルや日常経験での知識のレベルを基に,6つのカテゴリーに分類した。その結果,概念の学習困難性に対する1つの原因として,概念の複雑性だけでなく,生徒の前知識の本質にもあるということが示唆された。そして,そこでは,連続性に対する未発達の直観が,極限に対する未発達の理解と葛藤する。



Merenluoto, K. & Lehtinen, E. (2004). Number concept and conceptual change: towards a systemic model of the processes of change. Learning and Instruction, vol.14. pp.519-534.(IF 101,102)

概念変容に関する研究は,これまで,認知的な所産を主として扱ってきたが,とりわけ,ここ数年間は,概念変容の過程についての議論への関心が高まってきている。本稿の目的は,そのような議論に寄与すること,及び,概念変容における認知的要因と情意的(motivational)要因に関する原動力(dynamics)の理論的モデルを提示することである。



Meuser, M. H. (1991). Mathematics Education in Britain: An American Viewpoint. Mathematics Teacher, Vol. 84, No. 5. (IF 26)

Meyer, M. (2010). Abduction - A logical view for investigating and initiating processes of discovering mathematical coherences. Educational Studies in Mathematics, Vol. 74, 2010, 185-205. (IF138)

本稿の主要な問いは,数学的一貫性の発見がどのように行われるかである。C.S. Peirceのアブダクションという概念にに着目し,数学的発見がいかになされるかを明らかにしている。また指導への示唆として,5つのオプションを提供している。


Monaghen, J. Problem with the Language of Limits. (IF 34)


Moore, R. C. (1994). Making the Transition to Formal Proof. Educational Studies in Mathematics, Vol. 27, No. 3, pp. 249-266. (IF 51, 52)

Moschkovich, J. N. Language and Mathematics Education: Multiple Perspectives and Directions for Research. University of California at Santa Cruz. (IF133)

本書は、Research in Mathematics Educationシリーズの一つである。「言語と数学教育」を主題にした論文が4編収録されており、各章の著者の専門領域は数学教育に限らず、言語学や心理学などさまざまである。したがって本書は学際的な論文集であるといってよい。今回は、本書の「序文」を訳出した。そこでは、本書の成立の経緯や各章の概要が簡潔に纏められている。


Moskal, B. M. (2000). Understanding Students Response to Open-Ended Tasks. Mathematics Teaching in the Middle School, Vol. 5, No. 8, pp. 500-505.(IF 84)

この論文は、児童が、成文の、オープンエンドの幾何学の課題に対する反応の中で表した、詳細な説明の例について、特に、児童が自分たちの知識を伝えた方法について論じる。それぞれの児童は、解決過程を示すために、文章や図、数学の記号などを用いるといった異なった伝達の方法を選ぶ。児童の解決過程を調べることは、教師が児童の数学的な知識をより理解するのに役立つ。



Mumme, J. & Shepherd, N. (1990). Implementing the Standards: "Communication in Mathematics". Arithmetic Teacher, September. (IF 21)

N

Naraine, B. (1993). If Pythagoras Had a Geoboard. Mathematics Teacher, Vol. 86, No. 2, pp. 137-146. (IF 46)


Naylor, M. (1999). Exploring Fractals in the Classroom. The Mathematics Teacher, Vol. 92, No. 4, pp. 360-366. (IF 73)

 本稿は、フラクタル理論(Fractal Theory)の教授学習のための1つの指導書である。ここでは高校生を対象に、「いくつかの有名なフラクタルの性質を学習させ、自分でフラクタルな芸術作品を創り出すこと」を目標としている。そのために、ワークシートや宿題等を利用して生徒の理解を深めていくための探求課題が1から6まで設定されており、生徒には一般的な公式を作り出すことが求められる。また、指数関数、数列の極限等への応用も示唆している。



Nelson, T. & Narens, L. (1994). Why Investigate Metacognition? Metcalfe, J. & Shimamura, A. P. (Eds.), Metacognition Knowing about Knowing, pp. 1-25. (IF 59, 60)


Nesher, P. (1987). Towards an Instructional Theory: the Role of Student's Misconceptions. for the learning of mathematics, Vol. 7, No. 3. (IF 8)


Nickson, M. (1992). The Culture of the Mathematics Classroom: an unknown Quantity? Grouws, D. A. (Ed.), Handbook of Reserch on Mathematics Teaching and Learning, pp. 101-114. (IF 38, 39)


Noelting, G. (1980). The Development of Proportional Reasoning and The Ratio Concept Part I - Differentiation of Stages. Educational Studies in Mathematics, No. 11, pp. 217-253. (IF 72)

 認知発達のより明白な図式(picture)を設定するために、我々は2つの関連問題を解決しなければならない。
(i)低次の部分体系を調整する高次な体系に導く発達は階層的(hierarchical)であるのか?
(ii)もしそうなら、発達過程において伴うメカニズムは何であるのか? ここでは青年期後期のみの発達しか分からない概念:比例の概念を例としてこの2つの問題を研究していく。本稿のPARTⅠは、最初の問題について述べる。それは発達水準区分へと導き、着手した実験と結果の分析と関係している。これらの水準をそれぞれの水準の典型的なプロトコルによって示す。



Noelting, G. (1980). The Development of Proportional Reasoning and the Ratio Concept Part II - Problem-Structure at Successive Stages and the Mechanism of Adaptive Restructuring. Educational Studies in Mathematics, Vol. 11, pp. 331-363. (IF 75)

 比の概念から生じる複雑性を多様にした、23項目からなるオレンジジュース実験を、6-16歳の被験者に提示した。統計的分析によって、段階を区分し、それについては、PARTⅠで述べた。これらの段階は、Genevanの発達尺度によって、解釈している。本稿PARTⅡでは、各段階で適用されるストラテジーについて、まず分析し、2次分析をすることで、1段階から別の段階を通過するためのプロセスを決定する。2期間の発達-比の概念の構成要素、通分のアルゴリズムの構成要素-をもつ、"順応再構成(adaptive restructuring)"のプロセスを、最終的に展開する。



Nunez, R. E., Edwards, L. D. & Matos, J. F. (1999). Embodied Cognition as Grounding for Situatedness and Context in Mathematics Education. Educational Studies in Mathematics, Vol. 39, pp. 45-65. (IF 80)

 この論文では,近年,数学教育においても主張されている「身体的認知(embodied cognition)」について,その理論的な枠組みの提示と,事例研究による数学的アイデアの分析とがなされている。
 身体的認知とは,従来の心と体を切り離した二元論的な考え方ではなく,認知とは身体性に基づいているとみなす考え方である。この考え方では,基本的な身体性に基づく概念は,すべての人間にとって共有される客観的なものであり,それよりも抽象的な概念は,その基本的概念を基にしたメタファーによって理解されるものである。このような考え方に従えば,新しい数学的アイデアの分析が必要である。



Nyabanyaba, T. (1999). Whither Relevance? Mathematics Teachers' Discussion of the Use of 'Real-Life' Contexts In School Mathematics. For the Learning of Mathematics, Vol. 19, No. 3, pp. 10-14. (IF 81)

 本稿は,筆者が1997年9月に実施した,児童の数学の学習と日常的な経験を関連づけることに触れるときに,教師の関連性の‘理解’の調査を実施したものの中の,あるインタビューグループの中で何が起こったかという本質を例証するために,実際の数学の調査で取り組まれた討論の引用を述べている。そして,この中で筆者が追究したい2つの問題(誰との,何との関連性か,何の目的のための関連性か)について述べている。


O

Ockham, O. & Orton, R. E. (1995). Ockham's Razor and Plato's Beard. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 26, No. 3, pp. 204-229. (IF 65, 67)


Ofir, R. (1991). Historical Happenings in the Mathematics Classroom. for the learning of mathematics, Vol. 11, No. 2, pp. 21-23. (IF 32)


Ollertton, M. (1991). Testing Versus Assessment. Mathematics Teaching, No. 135, pp. 4-6. (IF 28)


Orton, R. E. (1988). Two Theories of "Theory" in Mathematics Education: Using Kuhn and Lakatos to Examine Four Foundational Issues. for the learning of mathematics, Vol. 8, No. 2, pp. 36-43. (IF 11)


Orton, R. E. (1995). Do van Hiele and Piaget belong to the Same "Research Program"? Zentralblatt fur Didaktik der Mathematik, pp. 134-137. (IF 65)


Ost, D. H. (1987). Models, Modeling and the Teaching of Science and Mathematics. School Science and Mathematics, Vol. 87, No. 5. (IF 14)


Otte, M. & Bromme, R. (1978). Der Begrliff und die Problems senier Aneignung. Bloch, J. R. (Hrsgs.), Grundlagenkonzepte der Wissen Schaftskritik Als Unterrichtsstrukturierende Monente. (IF 25, 26, 27, 28, 29)

P

Pagni, D. K. (1991). Counting Squares. Mathematics Teaching, Vol. 84, No. 9, (IF 31)


Pagni, D. L. (2002). Doing Mathematics out of School. Teaching Children Mathematics, Vol. 9, No. 3, pp. 175-178. (IF 91)


Pandiscio, E. A. (2002). Exploring the Link Between Preservice Teacher's Conception of Proof and the Use of Dynamic Geometry Software. School Science and Mathematics, Vol. 102, No. 5, pp. 216-221. (IF 89)

 この事例研究は,教員志望の学生が,幾何学の課題を与えられ,それを動的な幾何学のソフトウエアを用いて考えたときに,形式的な証明の必要性と利点をどのように認めるかということを調査した。結果は,教員志望の学生は動的なソフトウエアを使った後の高校生は証明の必要性を感じることができないであろう懸念を示した。その調査の参加者は多くの例を挙げることは証明することとは異なると言ったのにもかかわらず,高校生は形式的な証明の価値を認めないのではないかという疑問をもった。最終的に,教員志望の学生は幾何学のソフトウエアのよりおおきな価値を見つけた。


Papademetri-Kachrimani, C. (2012). Revisiting van Hiele. For the Learning of Mathematics, Vol. 32, No. 3, pp. 2-7. (IF131)

本書は近年の数学教育の中でも数学学習の心理学における先行研究のレビューを纏めた上で,数学学習の文脈について議論を深めることがメイントピックである。本稿では,van Hieleの理論の2つのパラドックスを取り上げながら,「van Hieleのモデルが階層的かどうか」という問いを立て,これまで暗黙的に,あるいは意図的に無視され続けてきたvan Hieleの理論の核心に触れることでvan Hieleの研究を再訪している。


Pegg, J. & Baker, P. (1999). An Exploration of the Interface between van Hiele's Level 1 and 2: Initial Findings. Proceedings of the 23rd Conference of the PME, Vol. 2, pp. 25-32. (IF 75)

 本論文は、van Hieleの第1水準での思考から第2水準でのそれへと移る際の生徒の反応にある構造の同定について考察する。発達の過程におけるこの期間は、生徒は図形の全体的ないし概括的な特徴を用いていたのが、図形を記述する諸性質を用いるようになる期間である。この発達は生徒にとって重要であり、形式的な幾何的思考の始まりを示すものである。この移行には、3つの重要なカテゴリーが同定されている。1つめは、特殊な特徴が同定される。2つめは、これらの特徴を認めたり(qualify)数えたりする(quantify)試みがなされ、最後に、図形を決定しているとは見なされないものの、その特徴は個人的な重要性をもつ。知見を説明するために、数多くの生徒とのインタビューが与えられる。



Pegg, J., Gutierrez, A. & Huerta, P. (1998). Assessing Reasoning Abilities in Geometry. Mammana, C. & Villani, V. (eds.), Perspectives on the Teaching of Geometry for the 21st Century: An ICMI Study, pp. 275-295. (IF 72)

 幾何の指導と学習に対する評価に質的にアプローチするモデルにはいろいろ考えられるが、評価の形態を発展させるのには有効なもので、研究者の目を特に引くものはvan Hiele理論とSOLO分類法である。本稿ではこれらの評価の枠組みを分析し、両者の類似性や相違点、評価用具としての潜在性について検討する。特に本稿では、SOLO分類法をvan Hiele理論を拡張したものとして捉えられる。



Pegg, J. & Redden, E. Procedures for, and Experiences in introducing Algebra in New South Wales. (IF 25)


Pehkonen, E. (1997). The State-of-Art in Mathematical Creativity. Zentralblatt fur Didaktik der Mathematik, Vol. 3, pp. 63-67. (IF 81)

 本稿は,1996年の7月にSevillaで行われた,数学教育世界会議(ICME-8)のトピックグループ(TG7)に端を発するものである。全体的なテーマを“数学的な創造性の促進”とし,その序章にあたる本稿では,次のようなことを主要な問題としている:学校数学における創造性の意味とは何か?学校状況における,数学的な創造性を促進するために用いることのできる方法とは何か? 数学的な創造性の意味について,我々が得ている科学的知識,すなわち研究結果にはどのようなものがあるか?



Pehkonen, E. & Vaulamo, J. (1999). Pupils in Lower Secondary School Solving Open-Ended Problems in Mathematics. Proceedings of the 23rd Conference of the PME, Vol. 4, pp. 33-40. (IF 76)


Peressini, D. & Knuth, E. (2000). The Role of Tasks in Developing Communities of Mathematical Inquiry. Teaching Children Mathematics, Vol. 6, No. 6, pp. 391-397. (IF 91)


Perrenet, J. C. & Wolters, M. A. (1994). The Art of Checking: A Case Study of Students' Erroneous Checking Behavior in Introductory Algebra. Journal of Mathematical Behavior, Vol. 13, No. 3, pp. 335-358. (IF 50, 51)


Perrin, J. R. (2007). Problem Posing at All Levels in the Calculus Classroom. JSchool Science and Mathematics, Vol. 107, No. 5, pp. 182-192. (IF 111-112)

 本稿は,調査プロジェクトを利用した微積分の教室における問題設定の活用について探究する。特に,生徒各々が設定した問題の独創性という点で異なっている4例の取り組みが考察されている。微積分に関して自分たちが抱いている実際の疑問を生徒たちに探究させておくこと,または自分たち自身の取り組みや授業での議論に起因すること,あるいは追加の題材を学習することから生ずる疑問によって,すべての生徒たちが首尾よく問題設定に没頭することができる。



Peterson, B. E. (2005). Student Teaching In Japan: The Lesson. Mathematics teacher education around the world, vol.8, pp.61-68.(IF 101,102)

本研究では,筆者が日本に2週間滞在し,3つの大学と,それらの附属中学校で,教育実習生と指導教員との相互作用の様子を観察した。本稿は,アメリカの数学教師教育学者の視点を通して見た,過程の記述である。中学校における,教育実習の主要な視点は,準備,指導,そして,授業の反省にある。



Pfiefer, R. E. & Hook, C. V. (1993). Circles, Vectors, Linear Algebra. Mathematics Magazine, Vol. 66, No. 2. (IF 40, 41, 43)


Pimm, D. (1988). Mathematical Metaphor. for the learning of mathematics, Vol. 8, No. 1. (IF 9)


Pirie, S. E. B. (1988). Understanding: Instrumental, Relational, Intuitive, Constructed, Formalized, ...? How We Can Know? for the learning of mathematics, Vol. 8, No. 3. (IF 13)


Pirie, S. & Kieren, T. (1989). A Recursive Theory of Mathematical Understanding. for the learning of mathematics, Vol. 9, No. 3, pp. 7-11. (IF 19)


Pirie, S. E. B. & Kieren, T. E. (1992). Watching Sandy's Understanding Grow. Journal of Mathematical Behavior, Vol. 11, pp. 243-257. (IF 35)


Pirie, S. & Kieren, T. (1994). Beyond Metaphor: Formalising in Mathematical Understanding within Constructivist Environment. for the learning of mathematics, Vol. 14, No. 1, pp. 39-43. (IF 43)


Presmeg, N. C. (1997). Reasoning With Metaphors and Metonymies in Mathematics Learning. English, L. D. (Ed), Mathematical Reasoning: analogies, metaphors, and images, pp. 267-279. (IF 74)

 この論文では、数学的構成物の表象に固有の多義性を理解する際のメタファー(隠喩)やメトニミー(換喩)の役割を探求する。メトニミーとメタファーのそれぞれに、「表記の鎖(chains of signification)」、「意味への降下(descent into meaning)」というメタファーを用いることによって、これらの文学的形態を数学におけるそれらの使用と関わって議論する。そしてメタファーとメトニミーは、学習者や数学者が等しく数学的な考えが意味をなしたり多義性を解決したりするための手助けとなる時の方法の分析において、同意、同音は説明的な構成物とした。



Presmeg, N. C. (1998). Metaphoric and Metonymic Signification in Mathematics. Journal of Mathematical Behavior, Vol. 17, No. 1, pp. 25-32. (IF 73)

 本稿は、数学的推論を行う際に、しばしば意味の構成の中心的な役割を担うアナロジーの特別な形式である、メタファー(隠喩)とメトニミー(換喩)について、高校数学におけるその使用例を用いて描写するものである。その際に、記号論の理論的な枠組み(Peirceの三角形モデルとSaussureの二元モデル)を用い、メタファーとメトニミーが、数学的推論の根底にある表記体系でどのように関わっているのかを練り上げる。
 数学の教授・学習におけるメタファーとメトニミーの使用は、これらの形式の表面的な力である、いくつかの潜在的な落とし穴に関係するために十分に注意しなければならない。





Presmeg, N. C. (2006). Semiotics and ``Connections'' Standard: Significance of Semiotics for Teachers of Mathematics. Educational Studies in Mathematics, Vol. 61, pp. 163-182. (IF137)

本稿の主要な問いは,教師自身が数学学習中での接続を構成する際に,記号論的な理論をどのように使用することができるかというものであり,その方法として,記号論的連鎖の入れ子型モデルを提案するものである。今回は理論的枠組みの記述されている,前半部分を掲載している。



Presmeg, N. C. (2009). Mathematics Education Research Embracing Arts and Sciences. ZDM, Vol. 41, No. 1-2, pp. 131-141. (IF 116)

(古くからある数学(discipline of mathematics)とは異なり)それ自体では若い領域として,数学教育研究は,他領域の確立された知識ベースおよび方法論の上に,折衷的に正確に描かれてきた。心理学は,認知科学の理論的枠組みに大きく基づき,心理学的研究の価値を安定させる1つのパラダイムに対する初期モデルとしての役割を果たした。数学は一般的に社会的集団の中で学ばれるので,最近では社会文化的理論に対する必要性が認識され,それにともない精神測定から,包含される課題のより深い理解を探るための質的研究法へと次第に向かう方法論に,社会学や文化人類学が寄与してきた。その創発的な視座は,(学習者の信念や情意を含む)個人の学習に関する研究と教室での数学的実践のダイナミクスとをうまく両立させた。今,その領域が成熟し,質的そして量的な方法の両者の価値が認められ,それらはよく,混合された方法を用いる研究において結合される。それらはしばしば,デザイン実験あるいは重層的な教授実験の形をとっている。 創造性と厳密性は,あらゆる数学教育研究に求められ,従って,本稿では例を用いながら,芸術と科学の両者の特性がこの取り組みに関わる,ということを論じる。



Puchalska, E. & Semadeni, Z. (1987). Children's Reaction to Verbal Arithmetical Problems with Missing, Surplus or Contradictory Data. for the learning of mathematics, Vol. 7, No. 3. (IF 8)

Q・R

Q

R



Randell L. Drum and Wesley G. Petty. Jr (2000). 2 is not the same as 2.0. Mathematics Teaching in the Middle School, Vol. 6, No. 1, pp. 34-38. (IF 83)

2と2.0のような数は、数学的な意味でみた場合には互いに等しい数であるけれども、測定値としてみた場合には全く異なった数である。後者の場合、2という数値は概数に直した結果が2となるような全ての数のことを指しており、2.0に比べて不正確な数であるといえる。しかし、そのことについての認識は、薄いように思われる。本稿では小数点以降の末尾の数の必要性について考察した後、これを題材にした学校における実践例について紹介する。



Ramful, A. & Olive, J.(2008). Reversibility of thought: An instance in multiplicative tasks. Journal of Mathematical Behavior 27, pp. 138-151. (IF 118)

子供の数学コンセプトの構造と表現を少しずつ理解するための現在の取り組みである。この事例研究は,2人の8学年の生徒の可逆性シェマの比較であり,研究の目的は,生徒がある乗法の場面における思考過程を逆にすることを通して,そのメカニズムを同定することである。臨床的インタビューを通して集められたデータは,参加者が,ある反比例の課題における欠測値を見つけるために,作業を振り返るのに使用した正確なストラテジーが描写されている。 本研究は,参加者の1人に生み出されたある概念の型版が,乗法の作業において,どれほど多様な柔軟性を与えたかも説明する。本研究の他の成果は,問題におけるパラメータの数的特性が,どれほど思考過程を逆にするための生徒の能力に影響するかを示すことである。我々は,代数方程式の型版において,どのように生徒が可逆的シェマを表しているかというさらに進んだ調査をしていく必要があると考えている。



Robert C. Iovineli. (2000). Chaotic Behavior in the Classroom. Mathematics Teacher, Vol. 93, No. 2, pp. 148-153. (IF 83)

本稿では、予測不可能な振る舞いをするカオスを表現している分かりやすいモデルを用いて、カオスとはどのようなものなのかを、グラフ電卓でモデルの振る舞いを視覚化することによって、生徒に体験させるという試みをしています。最終的に、カオスの数学的な定義はしないものの、新しい数学の領域を生徒に提供しています。


Robotti, E. (2013). Natural language as a tool for analyzing the proving process: the case of plane geometry proof, Educational Studies in Mathematics, Vol. 80, Issue. 3, pp. 433-450. (IF132)

本稿の主要な問いは,生徒の証明するプロセスを分析するために,自然言語(平面幾何に関する問題解決内での生徒の発話化)が研究者によってどのように用いられるかである。著者は研究方法として,自然言語に関する理論的枠組みの基,幾何問題を解決する生徒の実地調査を行い,生徒の証明するプロセスの様々な段階を識別できるモデルを開発した。


Romberg, T. (1988). NCTM's Curriculum and Evaluation Standards: What They Are and Why They Are Needed. Arithmetic Teacher, Vol. 35, No. 9. (IF 9)


Rose Vogel, Ludwigsburg (2005). Patterns- a fundamental idea of mathematical thinking and learning. Zentralblatt fur Didaktik der Mathematik, Vol.37, No.5, pp.445-449.(IF 106)

本稿では,「数学はパターンの科学」という今日的な数学観に基づき,授業におけるパターンの活用例およびその分析が述べられている。パターンを利用することは,日常経験においてもよくあることであるが,筆者はまず,数学教育においてその考え方がどのように用いられているのかを概観し,その後パターンを用いるということはどのような操作が必要とされるのかを述べ,事例を通してパターンを使用した授業に関して考察している。



Rubink, W. L. & Taube, S. R. (1999). Mathematical Connections from Biology: "Killer" Bees Come to Life in the Classroom. Mathematics Teaching in the Middle School, Vol. 4, No. 6, p350-356. (IF 77)


Russell, S. J. (1999). Mathematical Reasoning in the Elementary Grades. Developing Mathematical Reasoning in Grades K-12, NCTM 1999 Yearbook, pp. 1-12. (IF 76)


Ruthven, K. & Coe, R. (1994). A Structual Analysis of Student's Epistemic Views. Educational Studies in Mathematics, Vol. 27, No. 1, pp. 101-109. (IF 44)

S

Sastry, K. R. S. (1988). The Quadratic Formula: A Historic Approach. Mathematics Teacher, Vol. 81, No. 8. pp. 670-672. (IF 14)


Saxe, G. B. & Guberman, S. R. (1998). Emergent Arithmetical Environments in the Context of Distributed Problem Solving: Analysis of Children Playing an Educational Game. Greeno, J. G. & Goldman, S. V. (eds.), Thinking Practices in Mathematics and Schience Learning, pp. 237-256. (IF 73)

 本論文では、認知的発達に関する、社会文化的視座によって特徴づけられる子どもたちの学習環境の研究に対する一般的枠組みについて述べている。その枠組みの中心は、子ども達は目的を構成することを通して学習環境を創造するという観点にある。また、発生する目的の枠組みは、3つの構成要素からなっており、本論文では1つ目の構成要素-目的がいかにして実践において発生するのか-の分析に焦点をあてている。
 枠組みに従って、宝探しゲームにおける子ども達のペア活動について、4つのパラメーター(Saxe, 1991) :活動の構造、社会的相互作用、人工産物と慣習、既習の理解に焦点をあてて探求している。そこでは、質的分析と量的分析の2つの手法が用いられた。



Scapolla, T. (1989). Teaching Mathematics Through Proofs and Refutations: the Suggestions of Imre Lakatos. ZDM, pp. 179-182. (IF 17)


Schmittau, J. (1993). Vygotskian Scientific Concepts: Implications for Mathematics Education. Focus on Learning Problems in Mathematics, Vol. 15, No. 2-3, pp. 29-39. (IF 41)


Schmittau, J. (1994). Scientific Concepts and Pedagogical Mediation: A Comparative Analysis of Category Structure. Symposium Presentation at the Annual Meeting of the American Educational Research Association. (IF 60, 61)


Schrage, G. & Becker, J. P. (1987). Limitations of Microcomputer in the Classroom. School Science and Mathematics, Vol. 87, No. 8. (IF 7)


Schoenfeld, A. H. (1992). Learning to Think Mathematically: Problem Solving, Metacognition, and Sense Making in Mathematics. Grouws, D. A. (Ed.), Handbook of Reserch on Mathematics Teaching and Learning, pp. 334-370. (IF 31)


Schoenfeld, A. H. (1994). A Discourse on Methods. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 25, No. 6, pp. 697-710. (IF 47, 48)


Schoenfeld, A. H. & Arcavi, A. (1988). On the Meaning of Variable. Mathematics Teacher, Vol. 81, No. 6. (IF 10)


Scott, H. (1991). Towards Differentiation in Mathematics Education. Mathematics Teaching, March, pp. 2-8. (IF 26)


Segal, J. (1999). Learning About Mathematical Proof: Conviction and Validity. Journal of Mathematical Behavior, Vol. 18, No. 2, pp. 191-210. (IF 79)


Segalis, B. & Peled, I. (2000). The Effect of Mapping Analogical Subtraction Procedures on Conceptual and Procedural Knowledge. Proceedings of the 24th PME, Vol. 4, pp. 121-128. (IF 82)

 本研究は,三つの数領域における引き算の手続き間の関連づけを子どもたちが自発的に構成するのかということと,それらの知識に関する手続き的構造スキーマの効果を調査することであった。その結果, 58人の六年生の40%が,自発的にあるいはわずかな助けを借りて,手続き間の対応づけを同定できた。自分自身で関連づけができなかった子どもたちは,一連の対応づけの指導セッションを受け,その約75%が,手続きの類比的構造を見出すことができるようになり,数の問題とそれに関係する文章題における理解と成績を進歩させた。



Sellke, D. H., Behr, M. J. & Voelker, A. M. (1991). Using Data Table to Represent and Solve Multiplications Story Problems. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 22, No. 1. (IF 25)


Semadeni, Z. (2008). Deep Intuition as a Level in the Development of the Concept Image. Educational Studies in Mathematics, Vol. 68, pp. 1-17 (IF 117)

我々は,定義を伴わないディダクションをする可能性といったある現象を詳しく説明するために,次のような仮説を立てる:人は推論を,その推論に関わる一つ一つの概念の概念イメージが特定の発達水準に達した時に,その推論の必要さに関する正当な感性(a due feeling)を伴って理解し,その価値を認める。ここで我々はdeep intuitionのことを述べる。この捉えは,(多様な事例を伴って)D.Tallの数学の3世界(「概念的に具象化された世界」,「プロセプト的(proceptual)‐記号的な世界」,「形式的‐公理的な世界」)の枠組みにみられる。



Sfard, A. (1998). The Many Faces of Mathematics: Do Mathematicians and Researchers in Mathematics Education Speak about the Same thing. Sierpinska, A. & Kilpatrick, J. (eds.), Mathematics Education as a Research Domain: A Search for Identify, pp. 491-511. (IF 69)

 数学の学習と指導の理論と実践に寄与しようとするなら、数学教育研究者は数学や社会科学、教育学のように、互いに両立し得ないパラダイムへの傾倒から抜け出る方法を見つけなければならない。その目標を達成するためには、数学という語の意味を明確にしなければならない。本論文では、数学者とは異なる数学教育研究者の数学に対する見方の変遷の歴史を概観した後、なぜその2つの共同体にギャップが生じたのか、なぜ数学教育研究者は、'熟達した従事者'に関して生じる問題を無視することで満足し得ないのかについて述べる。



Sfard, A. (1992). Operational Origins of Mathematical Objects and the Quandary of Reification: The Case of Function. Dubinsky, E. & Harel, G. (Eds.), The Concept of Function: Aspects of Epistemology and Pedagogy, Mathematical Association of America, MAA Note, Vol. 25, pp. 59-84. (IF 59, 60, 61)


Sfard, A. (1998). On Two Metaphors for Learning and Dangers of Choosing Just One. Educational Researcher, Vol.27, No.2, pp.4-13.(IF 96)

本論文の前半では,学習に対する2つのメタファーについて説明されている。それは,学習を「知識の獲得」と捉える「獲得メタファー」と,学習を「ある共同体のメンバーになっていくこと」と捉える「参加メタファー」である。また,「獲得メタファー」に本来備わっている根本的なジレンマと,それを「参加メタファー」がどのようにして回避しようとしているのか,について説明されている。 本論文の後半では,まず,学習転移と教育内容に関する議論から「参加メタファー」の問題点が指摘され,AMを放棄することは望ましくないし,放棄すべきではないことが述べられている。そして,結論として「獲得メタファー」と「参加メタファー」をともに用いることが必要であると主張されている



Sfard, A. (2011). Epilogue: On the Importance of Looking Back. A Journey in Mathematics Education Research: Insights from the Work of Paul Cobb, pp. 231-239. (IF 128)

本エッセイは,『数学教育研究の旅路:ポール・コブ旅行記』の第14章であり,タイトルの通り本書の最終章である。コブの研究史を振り返ると,そこから少なくとも9つの数学教育研究に対する教訓が得られる。


Sfard, A. (2013). Almost 20 years after: Development in research on language and mathematics. Review of J. N. Moschkovich (Ed.) (2010). Educational Studies in Mathematics, Vol. 82, pp. 331-339. (IF133)

本稿では、数学教育におけるコミュニケーション研究におけるLMEの歴史的位置を確認し、これまでのコミュニケーション研究の成果と課題を整理する。とくにその先駆的著作といえるLanguage and Communication in the Mathematics Classroom (1998)との比較読みによって、コミュニケーション研究のパラダイムがどのように変化したかを説明する。キーワードは「ディスコース」であり、そこに知識観や数学観、言語観の転回を読み取ることができる。


Sfard, A. & Linchevski, L. (1994). The Gains and the Pitfalls of Reification. Educational Studies in Mathematics, Vol. 26, pp. 191-228. (IF 43)


Sfard, A., Nesher, P., Streetfland, L., Cobb, P.& Mason, J. (1998). Learning Mathematics through Conversation: Is It as Good as They Say? [1]. For the learning of mathematics, Vol. 18, No. 1, pp. 41-51. (IF 73)

 本稿は、Sfardによって提起された、対話を通して数学を学習することが本当に重要であるか、という問題に対する4人の研究者の見解が論じられている。各研究者の掲げたテーマはそれぞれ、「数学的に話すことと数学について話すこと」(Nesher)、「数学者の対話と生徒の数学的な話し合い」(Streefland)、「数学的な対話についての理論化と実践による学習」(Cobb)、「数学学習の間で話すことと数学的な対話の方法を学習すること」(Mason)である。ここでは、Sfardによる問題提起とまとめ、Masonの議論の一部を紹介する。



Shayer, M. (1997). Piaget and Vygotsky: A Necessary Marriage for Effective Educational Intervention. Smith, L., Dockrell, J. & Tomlinson, P. (Eds.), Piaget, Vygotsky and beyond: Future issues for developmental psychology and education, pp. 36-59. (IF 73)

 この論文では,Piagetの発達段階に対する子どもたちの実態調査を行い,上位20%くらいしか段階通りには発達していないことを指摘している。それを受けて本論文の目的は,教育的な「介在」によって形式的操作ができる子どもの母集団が増加することを示すこととしている。具体的には,発達が十分でない子どもたちの発達を促す枠組みとしてVygotsky理論を援用し,「介在」という手法を用いた実験授業を2年間にわたって行い,その効果を検証している。



Shepard, R. G. (1993). Writing for Conceptual Development in Mathematics. Journal of Mathematical Behavior, Vol. 12, pp. 287-293. (IF 52)


Shield, M. (1995). Interpreting Student Mathematical Writing. The Australian Mathematics Teacher, Vol. 51, No. 4, pp. 36-39. (IF 56)


Shield, M. & Galbraith, P. (1998). The Analysis of Student Expository Writing in Mathematics. Educational Studies in Mathematics, No. 36, pp. 29-52. (IF 73)

 数学の学習活動としてWritingを取り入れることは、これまで多くの文献で取り上げられてきている。しかし、はたしてWritingが数学学習を促進するのかという問いに対しては、ほとんど何も実証されてきてはいない。その理由のひとつは、生徒の書いたWritingを分析するための詳しい方法についての詳細が明らかになっていなかったという点である。本研究では、記述された数学的表現をコード化する体系が開発された。実践が行われた第8学年の段階では、ある特定の説明的Writingが大勢を占めていた。そのWritingは生徒たちが普段の授業で用いている典型的な教科書での記述と非常によく似ている。



Shilgalis, T. W. (1992). Symmetries of Irregular Polygons. Mathematics Teacher, Vol. 85, No. 5. (IF 33)


Siegel, M. & Borasi, R. (1992). Toward a New Integration of Reading in Mathematics Instruction. Focus on Learning Problems in Mathematics, Vol. 14, No. 2, pp. 18-36. (IF 33)


Sierpinska, A. (1990). Some Remarks on Understanding in Mathematics. for the learning of mathemaics, Vol. 10, No. 3. (IF 26, 27)

Sierpinska, A. (2002). Language and communication in mathematics education: “Discoursing mathematics away”. Meaning in Mathematics Education (pp. 205-230). Dortrecht: Kluwer AcademicPublishers. (IF128)

本稿は,数学教育における「ディスコース的パラダイム」に固執している人に対する反論的見解である。著者は数学における言語の役割を否定しないが,数学とディスコースを同一視することや数学教育でよく言われるディスコース的アプローチ(以下DAと表す)の中でなされているようなコミュニケーションを伴った数学的思考といったものには同意しない。本稿では,第一節でESMとFLMを参照しながらDAを概観し,第二節ではDAに対する論評を行う。DAによると,数学学習は数学的ディスコースへの加入として定義され,今あるディスコースが問題なのではなく,今あるディスコースに加入できないことが問題であるとされる。これらのDAの主張に対して,本稿はDAが決定的な理論ではないとして,DAの思考の集団化の危険性,非ディスコース的様式の重要性,およびそれらのディスコースが数学不在となる危険性を主張する。



Sierpinska, A. et al. (1993). What is Research in Mathematics Education, and What are its Results? Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 24, No. 3, pp. 274-278. (IF 45)


Silver, E. A. (1997). Fostering Creativity through Instruction Rich in Mathematical Problem Solving and Problem Posing. Zentralblatt fur Didaktik der Mathematik, Vol. 3, pp. 75-80.(IF 84)

本稿では,問題解決や問題設定の課題や活動を含んだ探究志向的な(inquiry-oriented)数学指導が,数学に対するより創造的なアプローチを生徒が発展させることを助けるということを論じる。そのような課題や活動の使用を通して教師は,創造性の核となる次元(dimension)に関する生徒の能力(つまり,流暢性,柔軟性,斬新さ)を増加させることができる。



Silver, E. A. (1997). Fostering creativity through instruction rich in mathematical problem solving and problem posing. Zentralblatt fur Didaktik der Mathematik,Vol.29,No.3,pp.75-80.(IF 107)

本稿では,問題解決や問題設定の課題や活動を含んだ探究志向的な(inquiry-oriented)数学指導が数学に対するより創造的なアプローチを子どもたちが発展させることを助けるということについて論じている。そのような課題や活動の使用を通して,教師は,創造性の核となる次元(dimension)に関する生徒の能力,つまり,流暢性,柔軟性,独創性を促進させることができる。



Silver, E. A. & Herbst, P. G. (2007). Theory in Mathematics Education Scholarship. Lester, F. (Ed.). Second handbook of research on mathematics teaching and learning,pp.39-67.(IF 114)

 本論は数学教育の学問領域における理論の役割に関するメタ研究である。「課題」「研究」「実践」を構成要素とする学問領域の三角形の中心に「理論」を位置づけ,それを考察の枠組みとして,数学教育における理論の取り扱いについて包括的に議論している。本論の前半部では,数学教育の学問領域における「理論」の歴史的展開を概観している。後半部では,「理論」は,「課題」「研究」「実践」の間の諸関係の媒介者であることが,数学教育における種々の理論を取り上げて例証されている。



Silver, E. A., Shapiro, L. J. & Deutsch, A. (1993). Sense Making and the Solution of Division Problems Involving Remainders: An Examination of Middle School Students' Solution Processes and Their Interpretations of Solutions. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 24, No. 2, pp. 117-135. (IF 37)


Simmons, M. & Cope, P. (1990). Fragile Knowledge of Angle in Turtle Geometry. Educational Studies in Mathematics, Vol. 21, No. 4, pp. 375-382. (IF 26)


Simon, M. A. (1996). Beyond Inductive and Deductive Reasoning: The Search for a Sense of Knowing. Educational Studies in Mathematics, Vol. 30, No. 3, pp. 197-210. (IF 69)

数学教育における様々な研究プロジェクトの成果より、著者は学習者が内発的に関与する、1つの数学的推論の形式を仮定している。それは、著者の述べるところの"変形推論(Transformational reasoning)"であり、帰納的推論や演繹的推論とは本質的に異なった推論形式である。この変形推論は、「どのように数学の体系が作用するのか」という学習者の問いから発生するものであり、「どのように作用するのか」は、帰納的推論や演繹的推論から得られないような理解の観念を導くかも知れないと著者は述べている。本論文では、変形推論を「対象や対象の集合の操作を心的、または物理的に規定したもので、人が対象の変形や、一連の操作の結果を想像することを助けるもの」と定義し、例を挙げて説明するとともに、その重要性を述べている。



Sirotic, N. & Zazkis, R. (2007). Irrational numbers on the number line ? where are they? International Journal of Mathematical Education in Science and Technology, Vol. 38, No. 4, pp. 477-488. (IF 110)

 本論文では,中等学校教員養成系の学生(prospective secondary school teachers)が有する無理数の理解に関する継続的調査の一部を報告する。本論文の主眼は,数直線上の点としての無理数の表現にある。臨床インタビューに先立つ質問紙調査において,参加者は,数直線上に5の平方根の正確な位置を示すように求められた。調査結果は,無理数とその小数近似との混乱,及び後者への過度の依存を示唆している。教授学的示唆が議論される。



Sirotic, N. & Zazkis, R. (2007). Irrational Numbers: The Gap between Formal and Intuitive Knowledge. Educational Studies in Mathematics, Vol.65, pp.49-76. (IF 108-109)

 本報告は,中等学校の教師志望の学生の無理数についての理解に焦点を当てている。2つの集合間(有理数と無理数)の関係についての参加者の知識の様々な次元について検討する。取り組まれる3つの問題は,数の大きさ(richness)と稠密性,有理数と無理数の数直線上への対応づけ,2つの集合の要素間での演算,というものである。調査結果が示していることは,参加者の直観的知識,形式的知識,アルゴリズム的知識の間に不整合があることである。大多数の参加者が用いた説明は,基本的に無理数の非循環無限小数による表現に基づいており,上述の問題についての限られた理解を示していた。



Skovsmose, O. (1989). Models and Reflective Knowledge. ZDM, pp. 3-8. (IF 15)


Sloyer, C. W. (2003). Mathematical Insight: Changing Perspective. Mathematics Teacher, Vol. 96, No. 4, pp. 238-242.(IF 93)


Smith, J. P. III and Phillips, E. A. (2000). Listening to middle school students' algebraic thinking. Mathematics Teaching in the Middle School, Vol. 6, No. 3, 156-161. (IF 85)

この論文では中等学校の生徒に焦点を当て、初歩的・入門的な代数において、どのような代数的能力と理解が生徒にとって重要であるかを考察する。その手段として代数的な考えの特性を例証する作業を幾つか生徒に行わせ、議論する。その際に用いられる概念は、彼らの教科書にあるものよりはるかに複雑なものであるが、生徒の言語を注意深く聞くことによって、私たちは彼らの積極的な洞察も、彼らの考えにおける限界も、両方認識することができる。



Solomon, A. (1991). What in s line? for the learning of mathematics, Vol. 11, No. 1, pp. 9-12. (IF 31)


Sowder, J. T. (1990). Mental Computation and Number Sense. Arithmetic Teacher, Vol. 37, No. 7, pp. 18-20. (IF 19)

Sowder, L. (1990). Choosing Operations in Solving Routine Story Problems. Reserch Issues in the Learning and Teaching of Algebra, NCTM, pp. 148-158. (IF 24)


Sriraman, B. & Nardi, E. (2012). Theories in Mathematics Education: some developments and ways forward. In M. A. (Ken) Clements, A. Bishop, C. Keitel, J. Kilpatrick, F. Leung (eds). Third International Hnadbook of Mathematics Education, Springer, 2012. (IF 129)

本稿は,数学教育学の理論を批判的に概観した上で,数学教育学研究を生産的に行うための議論を展開したものである。今回は,とりわけ,Sfard のコモグニション論をレビューした節に着目して訳出した。


Stacye, K. (1992). Mathematical Problem Solving in Groups: Are Two Heads Better Than One? Journal of Mathematical Behavior, Vol. 11, No. 3, pp. 261-275. (IF 38)


Steffe, L. P. (1990). Inconsistencies and Cognitive Conflict: A Constructivist's View. Focus on Learning Problems in Mathematics, Vol. 12, No. 3-4. (IF 37)


Steffe, L. P. (1991). The Learning Paradox: A Plausible Counterexample. Steffe, L. P. (Ed.), Epistemological Foundations of Mathematical Experience. (IF 35)


Steffe, L. & Kieren, T. (1994). Radical Constructivism and Mathematics Education. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 25, No. 6, pp. 711-733. (52, 53)


Steinbring, H. (1997). Epistemological Investigation of Classroom Interaction in Elementary Mathematics Teaching. Educational Studies in Mathematics, Vol. 32, pp. 49-92. (IF 70)

 日々の指導において、新しい知識に対する数学的意味は、例えば"漏斗パターン"のような、一連の儀式化された形式のコミュニケーションによってしばしば価値を無くされてしまい、社会的伝統に置き換えられる。相互作用的に組織された、新しい知識の精緻化を通して生じる理解に関する諸問題には、コミュニケーションのプロセスに与えられる社会的制約と、数学的知識の認識論的構造とが互いに及ぼし合う影響を分析することが必要となる。意味の発達に関する問題の特定の様相が、2つの典型的な一連の第二学年の指導エピソードのなかで探求される。そしてこれらは、数学的知識に対する意味の相互作用的構築を続けるための決定的条件を明らかにし議論する。



Steinbring, H. (2000). The Genesis of New Mathematical Knowledge as a Social Construction. Proceedings of the 24th PME Conference, Vol. 4, pp. 177-184.(IF 81)

 本稿は,日々の指導における数学的知識の発展が,単独の生徒の個人的な洞察に依存しているのか,それとも社会的な対話や相互的な議論を必要とするのかを明らかにすることを目的としている。リサーチ・プロジェクトの中から2つのエピソードを取り上げ,個人活動やペア活動では線形的で段階的でアルゴリズム的な知識構成が見られ,教室全体での相互作用的な反省の場面で,生徒が新しい知識を解釈する機会が生じているということを明らかにしている。 



Steinbring, H. (2000). Interaction Analysis of Mathematical Communication in Primary Teaching: The Epistemological Perspective. Zentralblatt fur Didaktik der Mathematik, vol.32, no.5, 138-148.(IF 106,107)

数学の授業における児童と教師の間のコミュニケーションは,社会的相互作用の一つの形式であり,それはある特殊な内容,すなわち,数学的知識に焦点をあてている。この数学的知識は,教室の「外から」教室内の相互作用へ導入されるものではなく,議論に参加している者同士の間の相互作用的なやりとりの中でのコミュニケーション過程を通して成長するものである。数学的コミュニケーションは,コミュニケーションのあらゆる他の形式と同じやり方として見られ,分析されねばならないけれども,相互作用的に構成された数学的知識の特異性及びその特殊な指導過程の文脈における社会的認識論が考慮されねばならない。 また,学校という施設及び指導に関する制度的影響(一般の社会相互作用的な研究アプローチの枠組みによって分析される)も考慮されねばならない。 認識論を指向した相互作用研究は,その分析において,数学的な授業及びコミュニケーションの文化の特殊性にアプローチする。



Steiner, Hans-Georg. (1967). Relationentheoretische Darsttellung der Aristotelischen Syllogistik. Der Mathematikunterricht, Jahrgang 13, Heft 5, ss.23-36. (IF 19, 23)


Stewart, I. A Construction of Regular 17-gon. Galois Theory, Chapter17-4. (IF 31)


Stiff, L. V. (1988). Problem Solving by Example. School Science and Mathematics, Vol. 88, No. 8. (IF 12)


Stonewater, J. K., Stonewater, B. B. & Perry, B. E. (1988). Using Developmental Clues to Teach Problem Solving. School Science and Mathematics, Vol. 88, No. 4. (IF 11)


Streefland, L. (1993). The Design of A Mathematics Course: A Theoretical Reflection. Educational Studies in Mathematics, Vol. 25, No. 1-2, pp. 109-135. (IF 50)


Styliandes, G. J. (2008). An Analytic Framework of Reasoning-and-Proving. For the Learning of Mathematics, Vol.28, No.1, pp.9-16. (IF 112)

 本稿では,推論-証明領域の概念化に据えられる,分析の枠組みを構成している。その要素は,3つの視座―数学的視座,心理学的視座,教育学的視座―である。数学的構成要素は,パターンをみつける,予測する,証明を与える,そして証明ではない議論を与えるという4つの活動を位置づけている。また,心理学的構成要素は,その4つの活動の対象の数学的本性に対する感覚についての探究を指し,教育学的構成要素は,その対象に備わる数学的本性に対し,学習者の感覚との比較方法と学習者の理解方法の2つの探究を指している。この枠組みで教科書分析と教師のエピソード考察を行い,結果,枠組みが次の2点に貢献するとした:①推論-証明領域の様々な調査研究の位置づけを明らかにすること。 ②既述した2つの分析により,教科書とカリキュラムの改訂の必要性を示唆すること。



Sumners, De W. (1990). Untangling DNA. The Mathematical Intelligencer, Vol. 12, No. 3, pp. 71-80. (IF 75)

 本稿は、結び目理論のDNAへの先駆けとして、DNAに働く酵素のメカニズムを解明するためにConwayのタングルを利用し、生化学的問題をトポロジー的な問題にすることによって酵素の働きを捉えている。ここではトポアイソメレースという酵素を用いて、人工的にDNA結び目を造り出し、その結び目の形状に応じてDNAを分類している。



Sundar, V. K. (1989). An Interactive Approach to Problem Solving: The Relay Format. Mathematics Teacher, Vol. 82, No. 3. (IF 13)


Swan, M. (2000). Making Sense of Algebra. Mathematics Teaching, No. 171, pp. 16-19. (IF 89)

 本稿は生徒に代数式や方程式の意味を構築させたり,熟考させたりすることを求める,代数の教授への2者択一のアプローチを試験的に提案するものである。そして本稿では,数学すべての分野を通して理解を育成するのに使われる,より一般的な授業「体系」の例を提供する。その授業体系の例は,同等の数学的表現の比較から「代数式を表現する」授業,数学的な言及や一般化を評価することから「代数の表現を評価する」授業,新しい問題を作り,分類することから「方程式を作成する」授業の3つから成り立っている。それぞれの授業において,「言語」のカード,「表」のカード,「面積図」のカード,「代数式」のカードが重要な役割を果たしている。これは物理的に動かすことを可能にする。



Swindal, D. N. (2000). Learning Geometry and a New Language. Teaching Children Mathematics, Vol. 7,No. 4, pp. 246-250. (IF 85)

本稿では、ステーション(ジオボードなどの幾何学における探求活動に用いられる教材)を用いて、生徒が言語の発達をする実践例が報告されています。この活動の結果として、言葉に出して考えること、図形を描くこと、質問すること、仮説を立てること、一般化・予想を形成すること、追究すること、仮説を証明すること、全ての視座からあらゆる次元の幾何学図形を探求することは、学習者のコミュニティーでの数学的な会話だけでなく生徒個人の学習をも豊かにするという結論が出ています。



Szydlik. J. E. (2000). Mathematical Beliefs and Conceptual Understanding of the Limit of a Function. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 31,pp. 258-276. (IF 82)

 本研究は、27大学の学生達の微積分に対する数学的信念と、その信念と彼らの極限の理解との間のつながりを研究している。極限のインタビューで得られたデータ―は、確信の根源と極限の理解の間の関係を暗示した。確信の外的根源のある学生は、つじつまがあわなかったり、不適当な極限の定義を与え、境界または到達不可能としての間違った極限の概念を持ち、確信の内的根源のある学生より、極限の計算を正しく出来なかったことが明らかになった。極限の理解においては内容の信念の影響は明らにならなかった。
 今回は、本研究の分析に至るまでの筆者の考え方とそれの基づいての準備に至るまでの過程を紹介させてもらいました。次号で詳しくアンケート分析とその考察及び結果をお伝えします。


T

Taback, S. F. (1988). The Wonder and Creativity in "Looking Back" at Problem Solutions. Mathematics Teacher, Vol. 81, No. 6. (IF 13)


Taback, S. F. (1990). Coordinate Geometry: A Powerful Tool for Solving Problems. Mathematics Teacher, April, pp. 264-268. (IF 22)


Tall, D. O. (1995). Cognitive Growth in Elementary and Advanced Mathematical Thinking. Proceedings of the 19th Conference of PME, Vol. 1, pp. 61-75. (IF 52)


Tall, D. & Baker, M. (1992). Student's Mental Prototypes for Functions and Graphs. International Journal of Mathematics and Science Technology, Vol. 23, No. 1, pp. 39-50. (IF 32)


Talton, C. F. (1988). Let's Solve the Problem Before We Find the Answer. Arithmetic Teacher, Vol. 36, No. 1. (IF 10)


Tang, E. P. & Ginsburg, H. P. (1999). Young Children's Mathematical Reasoning: A Psychological View. Developing Mathematical Reasoning in Grades K-12, NCTM 1999 Yearbook, pp. 45-61. (IF 77)


Tanner, H. & Jones, S. (1992). Developing Metacognition through Peer and Self-Assessment. Paper submitted for inclusion in the proceedings of Working Group 14 at ICME7. (IF 41)


Tanner, H. & Jones, S. (1994). Using Peer and Self-Assessment to Develop Modelling Skills with Students Aged 11 to 16: A Socio-Constructive View. Educational Studies in Mathematics, Vol. 27, No. 4, pp. 413-431. (IF 48)


Taplin, M. (1995). An Exploration of Persevering Students' Manegement of Problem Solving Strategies. Focus on Learning Problems in Mathematics, Vol. 17, No. 1, pp. 49-63. (IF 61, 62)

Tatsis, B. M. (2012). Generalization in Mathematics at all Educational Level, Wydawnictwo Uniwersytetu Rzeszowskiego. (IF132)

 本書籍は2012年7月に同名のテーマで,ポーランドにて開催されたCME2012(Children's Mathematicsl Education)から発行された書籍である(同学会はEuropean Congress of Mathematicsに付随したイベント)。2012年で3回目の開催となった同学会のPlenary等を基に出版された本であり,インターネット上で無償提供が実施されている【URL:http://www.cme.rzeszow.pl/index.php?\&p=book】。CMEのテーマに従い,3-16歳までの一般化に関して,「一般化とは何か」「一般化と関連したアプローチは何か」など,5つの観点から集められた論文を掲載した書籍となっている。


Thomas, C. D. & Santiago, C. (2002). Spotlight on the Standards: Building Mathematically Powerful Students through Connections. Mathematics Teaching in the Middle School, Vol. 7, No. 9, 484-488.(IF 94)


Thomas, N. (1991). Chaos in the Classroom. Mathematics Teaching, No. 134. (IF 27)


Thomas, R. M. (1984). Mapping Meta-Territory. Educational Researcher, 13, January. (IF 24)


Tirosh, D. (1990). Inconsistencies in Students' Mathematical Constructs. Focus on Learning Problems in Mathematics, Vol. 12, No. 3-4. (IF 38)


Tirosh, D. (1990). Improving Prospective Early Childhood Teachers' Content Knowledge and Attitudes Toward Mathematics. Steffe, L. P. & Wood, T. (Eds.), Transforming Children's Mathematics Education, pp. 415-423. (IF 49)


Tirosh, D. & Graeber, A. O. Evoking Cognitive Conflict to Explore Preservice Teacher's Thinking about Division. (IF 33)


Toumasis, C. (1991). 'Geometry is a motion' a dynamic Approatch to the teaching of school Euclidean geometry. Educational Studies in Mathematics, Vol. 22, No. 2, pp. 229-242. (IF 27)


Toumasis, C. (1992). An Interesting Triangle. Mathematical Education, Vol. 23, No. 3. (IF 33)


Trafton, P. R. & Zawojewski, J. S. (1990). Implementing the STANDARDS: Meanings of Operations. Arithmetic Teacher, Vol. 38, No. 3. (IF 23)


Triandafillidis, T. A. (2001). On "How to make our ideas clear": A pragmaticist critique of explication in the mathematics classroom. Proceedings of the 25th Conference of the PME, Vol. 4, pp. 279-286. (IF 86)

 本稿は,概念を行為へと翻訳するものとするプラグマティズムの論理に基づいて,数学の授業における典型的な指導について論じてる。ギリシャの小学校6年生の授業における教師と子どもたちとの相互作用の推論分析によって,教師が情報の正しい使用と概念の理解よりも教師の推論過程に従うことを高次に位置づけていること,また子どもたちの説明が,教師によって使用された推論に従うように訓練されている,ということが指摘されている。


U・V

U

Ulep, S. A. (1990). An Intuitive Approach in Teaching Linear Programming in High School. Mathematics Teacher, January, pp. 54-57. (IF 23)

V

Vinner, S. (1990). Inconsistencies: Their Causes and Fanction in Learning Mathematics. Focus on Learning Problems in Mathematics, Vol. 12, No. 3-4, pp. 82-98. (IF 28)


Vinner, S. (1991). The Role of Definitions in the Teaching and Learning of Mathematics. Tall, D. (Ed.), Advanced Mathematical Thinking, pp. 65-81. (IF 33)


Vinner, S. & Dreyfus, T. (1989). Images and Definitions for the Concept of Function. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 20, No. 4, pp. 356-366. (IF 16)


von Glasersfeld, E. An Esposition of Constructivism: Why Some Like it Radical. Journal for Research in Mathematics Education, Monograph No. 4, 19, Chapter 2, pp. 19-29. (IF 29)


von Glasersfeld, E. (1991). Abstraction, Re-Presentation, and Reflection: An Interpretation of Experience and Piaget's Approach. Steffe, L. P. (Ed.), Epistemological Foundations of Mathematical Experience. (IF 34)

W

Walter, M. (1989). Curriculum topics through problem posing. Mathematics Teaching, No. 128, pp. 23-25. (IF 19)


Walton, K. D. (1990). Probability, Computer Simulation, and Mathematics. Mathematics Teacher, January, pp. 22-25. (IF 24)


Wearne, D. & Hiebert, J. (1988). A Cognitive Approach to Meaningful Mathematics Instruction: Testing a Local Theory Using Decimal Numbers. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 19, No. 5. (IF 11)


Weber, K., Maher, C., Powell, A. & Lee, H. S. (2008). Learning opportunities from group discussions: warrants become the objects of debate. Educational Studies in Mathematics, Vol. 68, No. 3, pp. 247-261. (IF 117 118)

数学教育学の研究において,グループディスカッションが数学の学習に貢献し,どの状態の学習が起こりやすいかということによる手法についての論争がある。この論文で,我々はグループディスカッションが生成しうる3つの学習場面を示すことによってこの論文に貢献する。統計の問題を検討している8人の中等学校の生徒を録画したものを分析すると,これらの生徒は彼らの仲間の行う主張にしばしば異議を唱えていることが分かった。これらの異議によって,生徒達は彼らの数学に関する主張の基礎として用いている彼らが信じて疑わない数学の原理や根拠について明確にした。あるケースでは,彼らが使っていた推論様式は破綻していて,これらの推論様式を却下すると認めており,またあるケースでは,なぜ彼らの推論様式が妥当であるかを判断するための演繹的なサポートを与えることを試みている。さらに我々は,どんな社会や環境の条件によってこの論文で分析される議論が生じるかを記述している。



Wheatley, G. H. (1990). Calculators and Constructivism. Arithmetic Teacher, 10, pp. 22-23. (IF 23)


Wheatley, G. H. (1992). The Role of Reflection in Mathematics Learning. Educational Studies in Mathematics, Vol. 23, No. 5, pp. 529-541. (IF 36)


Wheatley, G. H. & Reynolds, A. (1996). The Construction of Abstract Units in Geometric and Mumeric Settings. Educational Studies in Mathematics, Vol. 30, pp. 67-83. (IF 63, 64)


Wheeler, D. (1988). The Limits of Rationality. for the learning of mathematics, Vol. 8, No. 1. (IF 9)


Wheeler, D. (1993). Epistemological Issues and Challenges to Assessment: What is Mathematical Knowledge? Mogens, N. (Ed.), Investigations into Assessment in Mathematics Education, pp. 87-95. (IF 39)


White, R. T. (1988). Metacognition. Keeves, J. P. (ed.), Educational Research, Methodology, and Measurement, An International Handbook, pp. 70-75. (IF 27)


White, Y. D. (2001). Kenta, Kilts, and Kimonos: Exploring Cultures and Mathematics through Fabrics. Teaching Children Mathematics, Vol. 7, No. 6, pp. 354-359. (IF 86) 

本稿は、さまざまな国の伝統文化や数学的な考えを探求するために、世界各地の織物を用いた授業事例を報告している。授業の中で、教師はキルトなどの織物を取り上げている。そのことによって、児童は、それらについての情報を集めたり、系統づけたり、説明したりする活動や、学校で学習する数学と身の回りの世界に見られる事物を関係づける活動を主体的に行っている。



Whitenack, J. W., Knipping, N. & Kim, Ok-Kyeong (2001). The Teacher's and Students' Important Roles in Sustaining and Enabling Classroom Mathematical Practices: A Case for Realistic Mathematics Education. Proceedings of the 25th PME Conference, Vol. 4, pp. 415-422.(IF 84)

本稿は,第2学年の教授実験に関する予備報告である。本稿の主な目的は,具体的事例を用いることによって,教室における数学的実践を維持するのに,教師と生徒が果たしている重要な役割について述べることである。



Wiener, J. & Watkins, W. (1988). Problem Solving Also Raises Questions. Mathematics Teacher, Vol. 81, No. 9, pp. 729-732. (IF 12)


Wilkins, J. L. M. and Hicks, D. (2001). A S[t]imulating Study of Map Projections: An Exploration Integrating Mathematics and Social Studies. Mathematics Teacher, Vol. 94, No. 8, pp. 660-671.(IF 88)

 本稿では,数学と社会的研究が統合された指導の一例として「シミュレーションによって,異なる投影図上の面積比を比較する学習活動」を提案している。まず始めに,議論の中心となる投影図に関する簡単な説明,及び投影図の質的限界や歴史的な経緯について記述される。そして,所々で注意事項を補足しながら,具体的な授業の流れが提示され,最終的には,投影図を通して他国の人々の価値観や世界観を考察することにまで授業の視点を広げている。提示される授業の流れの中には,興味深い数学的処理が含まれる。



Wilson, M. R. (1994). One Preservice Secondary Teacher's Understanding of Function: The Impact of a Course Integrating Mathematical Content and Pedagogy. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 25, No. 4, pp. 346 - 370. (IF 70)

本稿では、ある中等学校数学科教員志望の学生が、将来教える数学の重要な部分をいかに理解していくかが記述されている。学部生が受講している数学教育課程において学生が経験したことがたどられ、この課程の活動が彼女の数学的及び教授学的理解に及ぼす影響が詳しく記録されている。本稿の意図する所は、数学科教師教育の合理的変化に役立つ情報を与えることである。関数のような特定の数学的話題について教師が持つ考え方を考慮することにより、より広い領域の教師の数学的な考え方や、教授と学習におけるその影響をよりよく理解できるようになる。



Winslow, C. (1998). A Linguistic Approach to the Justification Problem in Mathematics Education. For the learning of Mathematics, Vol. 18, No. 1, pp. 17-23. (IF 70)

この論文では、数学の正当化の問題に対し、数学の言語性に着目して数学教育における概念形成への1つのアプローチを提唱している。著者は、西洋における数学の目標を歴史的に考察することにより、視点を整理し、数学教育の目的・目標は、その社会において何を強調するのかによって異なってくることを指摘している。その上で、数学教育における概念形成には、言語による相互作用としての、コミュニケーションを生かしたアプローチが有効であることを提唱している。



Wittmann, E. C. (1995). Mathematics Education as a 'Design Science'. Educational Studies in Mathematics, Vol. 29, pp. 355-374. (IF 53, 55)


Wittmann, E. C. (2005). Realistic Mathematics Education, past and present. Nieuw Archief voor Wiskunde, , 6(4), 294-296. 2005. (IF 116)

この小論は,オランダのフロイデンタール研究所が,Freudenthalの生誕100年を記念して開催したシンポジウムでの,Wittmannによる寄稿です。この中で,著者自身が数学者から数学教育学者への転向する際に,Freudenthalの思想を継承することを決意したことや,Freudenthalの主催したIOWOをモデルにしてmathe2000プロジェクトが企画されたことが語られています。またFreudenthalの数学観や数学教育観を基軸して,近年の数学教育学の動向,とりわけ現実的数学教育(RME)の動向を検討するなかにはそれらに対する厳しい批判もみられます。すなわちFreudenthalの思想に根ざしていた「過去」から,そこからかけ離れてしまった「現在」へと展開していきます。最後に,これからの数学教育学,そこでの教授学習観に対する提言がなされています。



Wolbert, W. J. (2001). Mathematical Modeling: Compound Functions and The IRS Tax Rate Schedules. Mathematics Teacher, Vol. 94, No. 8, pp. 655-659.(IF 90)

 本稿では,数学の実生活への応用という観点から,高等学校2年生の代数の文脈において提示される複合関数の概念と,1999年の税率表を用いたこの概念の応用に焦点化しており,1つの教材案を紹介している。この論文の著者は,このような教材を用いることで,数学的概念の1つである複合関数の概念がより一層定着されるだけでなく,科学や政治など他の教科とも関わり得る大変興味ある議論と新しい事実の発見が促されるという。



Wong, M. K. F. (1992). Properties of a Triangle with Three Concurrent Cevian Lines. Mathematical Education, Vol. 23, No. 3. (IF 34)


Wood, E. F. (1988). Math Anxiety and Elementary Teaching: What Does Research Tell Us? for the learning of mathematics, Vol. 8, No. 1. (IF 9)


Wood, T. (1998). Alternative Patterns of Communication in Mathematics Classes: Funneling or Focusing? Steinbring, H., Bussi, M. G. B., Sierpinska, A. (eds.), Language and Communication in the Mathematics Classroom, pp. 167-178. (IF 76)


Woodrow, D. (1991). Children Drawing Cubes. Mathematics Teaching, No. 136, pp. 30-33. (29)

X・Y・Z

X


Y

Yackel, E., Cobb, P., Wood, T., Wheatley, G. & Merkel, G. (1990). The Importance of Social Interaction in Children's Construction of Mathematical Knowledge. Cooney, T. J. (Ed.), Teaching and Learning Mathematics in the 1990's (1990 Yearbook). (IF 20)


Yates, R. C. (1971). The Trisection Problem: Solutions by Means of Curves. The Trisection Problem, pp. 19-22. (IF 33)


Yates, R. C. (1971). The Trisection Problem: Solutions by Means of Curves Part2. The Trisection Problem, pp. 22-25. (IF 34)


Yudariah BT. Mohammad Yusof and David Tall (1999). Changing Attitudes to University Mathematics through Problem Solving. Educational Studies in Mathematics Vol.37,67-82.(IF 94)

大学数学では,自ら考えることを通した学習よりも,完成された知識の大成として教授されることが多い。本稿では,協働的な問題解決を行うコースの学生の態度への影響と活動が含んだ思考の反射についてのアンケート調査の結果をまとめる。この結果より、予想される態度から望ましい態度への「変化の望まれる方向」を与えた。また、問題解決を通した学習後に改善した学生の態度が、通常のコースに戻った6ヵ月後には元に戻っていることも示された。


Yves, C. (2012). Teaching Mathematics in Tomorrow's Society: A Case for an Oncoming Counterparadigm. 12th International Congress on Mathematical Education Regular Lectures 4-11, COEX, Seoul, Korea, 2012, pp. 865-878. (IF135)

訳文の原典は,ICME12thにおけるイブ・シュバラールのレギュラー・レクチャー論文であると同時に,フロイデンタール・メダリストの講演資料という側面ももっているようである。その内容は「シュバラールの考える数学教育目的・目標論」であり,来るべき数学教育の姿が,「探究」,「ヘルバルチャン」,「順行認知」,「開放的人物」といった特殊な術語を駆使しながら,「世界追究パラダイム」という形で示される。そしてこの新しい教育パラダイムにおいて,数学や数学教育関係者は,これまでとは異なる重要な役割を担うことになる。


Z

Zaslavsky, C. (1998). Ethnomathematics and Multicultural Mathematics Education. Teaching Children Mathematics, Vol. 4, No. 9, pp. 502-503. (IF 68)

 Ethnomathematics(民族数学)は、ブラジル人の数学の哲学者である Ubiratan D'Ambrosio が1970年代に紹介した用語で、数学の教授・学習に関する社会文化的要因を強調するスピーチの中で用いたものである。これは、ethnic(民族の)数学に限定されず、(様々な集団の数学的経験に関係した)より広い領域を含むものであるが、その正確な定義は存在し得ない。
 多文化的数学教育では、この民族数学的視座を必要としている。子どもたち自身が家や地域から教室へと持ち込むことの出来る民族数学的な知識を、現在の学校では無視する傾向にあるが、子どもたちにとっては、数学が意味のある文脈におかれることがなによりも必要なのである。



Zaslavsky, C. (2001). Developing Number Sense: What Can Other Cultures Tell Us? Teaching Children Mathematics, Vol. 7, No. 6, pp. 312-319.(IF 88)

 本稿では,他文化の数体系が児童の数感覚の育成に有益であることを示唆し,さまざまな社会の数体系をいくつか例示する。その後に,5学年生の数感覚の育成を促す学習において,児童が重要な数学的概念を勉強するだけでなく,自分らと異なる社会の人々の数学的な貢献の評価の仕方を学ぶような,数学的な環境を創造するための考えを,彼らがどのようにして実施するかを記述する。



Zaslavsky, O. (1997). Conceptual Obstacles in the Learning of Quadratic Function. Focus on Learning Problems in Mathematics, Vol. 19, No. 1, pp. 20-44. (IF 80)

 この論文の目的は、二次関数の生徒の理解を妨害していると考えられる概念的つまずきを同定することである。方法は,生徒にアンケートをとってその分析から概念的つまずきの原因を同定している。その結果,概念的つまずきの原因は,グラフを見抜く力(グラフ(対称性)と式の関係),二次関数と二次方程式の関係,係数が特別な場合の式とグラフの関係などの概念が充分に作られていないところに起因しているのではないかと結論づけている。



Zazkis, R. & Liljedahl, P. (2004). Understanding Primes:The Role of Representation. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 35, No. 3, pp. 164-186.(IF 99,100)

本論文では初等学校 (K-7) の教員養成課程の学生が素数の概念をどのように理解しているかということを,表現の役割という観点から調査し考察している。表現の役割について,例えば,784は や と表現できるが, という表現は784が平方数であるという性質の分かりやすい表現(transparent representation)であるが,13で割ったら4余るという性質については分かりにくい表現(opaque representation)ではないように,数の性質の表現について考察される。しかし,素数の分かりやすい表現というのはない。このような分かりやすい表現がないことが素数の理解にどのように影響するかということが調査される。本論文の前半では,このような数の性質の表現について考察され,研究の方法が提示される。問題1および問題2への被験者の反応について述べられる。



Zazkis, R., Dubinsky, E. & Dautermann, J. (1996). Coordinating visual and analytic strategies: a study of students' understanding of the group D4. Journal for Research in Mathematics Education, Vol. 27, No. 4, pp. 435-457. (IF 64, 65, 67)


Zepp, R. A. (1992). Numbers and Codes in Ancient PERU: the QUIPU. Arithmetic Teacher, Vol. 39, No. 9, pp. 42-45. (IF 33)

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