< 小学校ゼミナールとは? >

1970年頃に始まったのか記憶は定かではないが、院生がDienesの研究を始めたのがきっかけであった。小学生のデータを取るためには、どうしても小学校でということで、平林先生が小学校の研究室に来られたのである。

 最初は、以上のように現代化を進める一方途として新しい学習具の研究や開発ということを主目的に置いた。

 属性ブロックやGeo-boardやキズネールの色棒などの研究と共に、統計学習具や立体図形の構成学習具の開発など、楽しく思い出される。この研究途中で、現代化を世界各国でどのように進めているのかを調べる必要性が生じたのは、当然の成り行きであった。平林先生を中心に教育学部のスタッフや院生の諸君、附属の教官らで懇話会を持つようになったのは当然の結果というべきであろうか。ここでは専ら新しい教育の目的、内容、指導法、研究成果などの論文を院生諸君が訳してくれて、それを輪読し、互いに意見や感想を話し合うという形式が最初から現在まで続けられている。

 取り上げられた論文の内容は、現代化を進めていく上で必要な集合は勿論のこと、確率、統計、図形や論証の世界へと進められたのであるが、目的、内容だけでなく、指導法や研究調査法など多岐にわたるものであった。その過程で、時には論文を実際に検証するために、院生諸君が附属で授業したり、子どもたちの反応を記録したり、子ども個々人の調査をみんなで手分けして調べてみたりすることもあった。

 この研究の中心になって頂いた先生も、最初の平林先生に続いて、岩合先生、中原先生,小山先生,影山先生へと延々と受け継がれてきている。その間、集う人達も、院生は勿論のこと、門戸が開かれている故もあり、附属の教官、公立小中高の先生方、研究生、留学生(内地留学生を含む)、退職した人、新採用された人など、多種多様、老若男女を問わず、国内外からの参加者も多く、志を同じにする者が自由に話し合える場として継続されている。

 思えば、会場もいろいろ使用させて頂いた。小学校研究室で始まった会場は、平林先生の研究室へと移り、人数が多くなるにつれて、教育学部の会議室をお借りしたりしたが、大学移転後は、附属高校の研修館へ、さらに小学校特別教室へと長い歴史を踏んできた。

(川嵜 昭三 記)
2012年,文責:早田 透の元で現在の状況に合わせて一部改稿
2021年,文責:石川 雅章の元で現在の状況に合わせて一部改稿

< 過去の記録 >

【 2022年度 】

第1回 議事録(2022 / 8 / 8)

第2回 議事録(2022 / 9 / 23)

【 2021年度 】

第1回 議事録(2021 / 4 / 26)

第2回 議事録(2021 / 8 / 24)