< 自己紹介 >
岡山県北の田舎町に生まれ、岡山県立津山高等学校を卒業後、高等学校の数学科教員になることを夢見て、当時広島市東千田町にあった広島大学教育学部に入学しました。昭和53年(1978年)の4月のことです。入学したのは高等学校教員養成課程数学科(「高数」)でしたが、その年の6月に学部改組があり教科教育学科数学科教育(「教数」)に名称が変更されましたので、その第1期生ということになります。学部卒業後、運命のいたずらか、広島大学大学院に進学し、数学教育学の研究をすることになりました。昭和61年(1986年)に運良く兵庫教育大学学校教育学部助手に採用され、その後、平成3年(1991年)の4月から母校の広島大学教育学部に数学教育学(数学教育方法学)の講師として勤務することとなり、平成7年(1995年)4月に助教授、そして平成19年(2007年)4月に教授になりました。平成20年(2008年)度には数学教育学講座主任を務め、平成21年(2009年)4月から4年間、大学院教育学研究科副研究科長・教育学部副学部長を併任し、平成25年(2013年)4月からは大学院教育学研究科副研究科長・教育学部副学部長に加えて教育研究評議会評議員を併任し、現在に至っています。
小学生時代にはソフトボール部のキャッチャー、中学生時代には軟式テニス部のキャプテン、大会前には陸上部の短距離とハードルの選手も兼ねていました。高校生時代には、自転車で家と学校を往復する「帰宅部」でした。そのほかに、川や池で魚釣りをしたり、川エビやクモの研究をしたり、風景画を描いたり浮世絵を模写したりするのが好きでした。高校を卒業し広島大学に合格して入学するまでの暇な時間に模写した浮世絵の一枚(喜多川歌麿の美人画)が、私の研究室に掛けてあります。現在は、忙しさのためか、なかなか趣味に没頭する時間がありません。ただ、最近は仕事の関係で海外へ出かけることが多く、それが一種の趣味のようになっています。初めて訪れる地での経験は、すべてが大変刺激的です。特に、平成5年(1993年)~平成6年(1994年)の10ヶ月間、文部省在外研究員として家族と一緒に過ごしたイギリスのオックスォード、フランスのパリ、アメリカのミズーリでの生活や、平成11年(1999年)に訪れたイスラエルの印象は今でも鮮明です。
平成24年(2012年)には、7月に韓国・ソウル市内のCOEX国際会議場で開催された第12回数学教育国際会議(ICME12)の国際プログラム委員(IPC)を務め、世界の数学教育研究者との交流を広げ深めることができました。平成25年(2013年)は、3月にタイ・プーケットで開催された第6回東アジア地域数学教育国際会議(EARCOME6)に参加し、D院生の上ヶ谷友佑君と共同研究発表をしました。また、同年7月には、ドイツ・キールで開催された第37回数学教育心理研究国際会議(PME37)に参加し、D院生の早田透君と共同研究発表をしました。平成26年(2014年)は、7月にカナダ・バンクーバーで開催される第38回数学教育心理研究国際会議(PME38)に参加し、研究発表をする予定です。
< 研究分野 >
数学教育方法学、数学教育学、数学教育心理学が、私の研究分野です。主な研究テーマは、数学教育における理解に関する研究、数学科教員養成に関する国際比較研究、算数・数学科授業研究などです。
最終学歴:広島大学大学院教育学研究科教科教育学専攻(数学科教育)博士課程後期中途退学(1986年)。博士(教育学)。兵庫教育大学学校教育学部助手、広島大学教育学部講師、同助教授などを経て現職。
主要著作:Nurturing Reflective Learners in Mathematics (Chapter Author, Singapore: World Scientific, 2013)。『数学教育学研究ハンドブック』 (共編著、東洋館出版社、2010)。『算数教育における数学的理解の過程モデルの研究』(単著、聖文新社、2010)。
< 授業担当 >
教育学部では、「中・高等学校教育実習入門」、「数学教育学概論II」、「数学教育方法学研究」、「数学教育方法実践研究」などを担当しています。
大学院教育学研究科では、博士課程前期(M)の「数学教育方法学特講」、「数学教育方法学特論」、「数学教育アクションリサーチ」、「数学教育課題解決セミナー」、「数学教育方法学特別研究」などを担当し、博士課程後期(D)の「科学文化教育学講究II(数学教育学分野)」、「科学文化教育学特別研究II(数学教育学分野)」などを担当しています。
< 研究室紹介 >
私の研究室は数学教育方法学で、教育学研究科C棟の8階(C805室)にあります。平成26年(2014年)度は、学部4年の卒業研究(卒論)の学生3名、大学院博士課程前期(M)(数学教育学専修)の学生5名、博士課程後期(D)(数学教育学専修)の学生3名が、私の研究室に所属しています。学生一人ひとりの数学教育方法学に関わる研究テーマについて、ゼミナール等で悪戦苦闘しながら、いつも優しく、時には厳しく指導しています。
< その他 >
全国数学教育学会副会長・理事、日本数学教育学会理事・論究部幹事、日本数学教育心理研究学会副会長、日本教科教育学会理事、日本科学教育学会理事、広島県数学教育会理事、EARCOME7(2015年5月フィリピン開催)国際プログラム委員会委員などを務めています。
また、毎年、広島県や広島市の教育センター等で算数・数学科教育講座の講師として、小・中・高等学校の先生方に拙い話題を提供しています。さらに、ここ数年間は、広島県内の小・中学校を中心に、算数科や数学科の「授業研究」にも参加させていただいています。
人間を中心に据えて数学(算数)と教育を考えることが、私のモットーです。