寺垣内 政一

Masakazu Teragaito

自己紹介


昭和39年,大阪の十三(じゅうそう)という大変おしゃれな街で生まれた.昭和44年,大阪府高槻市に引越し,中学は当時,ある特殊事情で有名だった第6中学へ,高校は地元の島上高校(2005年に閉校されたそうだ)へ通った.小学生5年生の頃から自分の半田ごてをもっていて,抵抗やダイオードなどをパーツ屋で買ってきて電子工作をしていた.高校では,選択科目として「電気」をとり,大阪の日本橋まで足を延ばすようになった.そんなこともあって,大学では電子工学や通信工学分野を専攻したいと思っていたのだが,模擬試験の結果などからその道を断念することになった.

高校時代の恩師が数学科出身であり,数学の個別指導をしてくださっていたこともあり,進路を数学科に変更.昭和57年,めでたく神戸大学理学部数学科に入学した.入学当初は,進路に対して迷いもあり,抽象的な集合論などに面食らったが,まじめに努力しているうちに楽しくなってきた.4年生のとき,日本における結び目理論の草分けである細川藤次先生の研究室に所属した.そのまま大学院に進学し,細川先生の指導のもと,結び目理論,3次元多様体論の勉強・研究を続けた.研究室には多くの先輩方がおり,すでに職を得ている方々も毎週のセミナーには参加され,大変刺激的な大学院時代を送ることができたことは幸運だった.平成3年3月,博士号を取得.神戸大学理学部助手を5年勤めた後,平成8年,広島大学理学部数学教室に転任.生まれて初めて関西の地を離れることとなった.9年間の学生時代,予備校でのバイト時代,神戸大学留学生会館相談主事としての5年間の勤務,結婚,娘の誕生,そして1995年1月17日の阪神淡路大震災.14年間暮らした神戸を離れるのは格別さみしかった.今でも時々,ポートアイランドに立ち寄ることもあるのだが,私が5年間暮らしたポートアイランドの風景も最近はずいぶん変わってしまった.

平成9年,わけあって広島大学学校教育学部に異動.平成12年に改組があり,現在の教育学部配属にいたっている.(正確には,理工学学術院の数学ユニットに所属し,令和元年の時点では,大学院教育学研究科に配属されている.)平成11年,文部省在外研究員という形で,アメリカ・テキサス大学オースチン校に8ヶ月滞在することができた.家族とともに滞在したのだが,生活基盤の立ち上げや数々のトラブルなどもあり,研究面はもとより,貴重な経験をえた.(私個人のホームページに詳細な記録があります.)毎年,研究面での刺激ということも含めて,可能な限りは海外に出かけるようにしている.おかげで,いろんな人たちとの交友を得ることができた.私は再びアメリカに長期で暮らしてみたいと思っているが,昨今の大学での状況を考えれば到底叶わぬ夢かもしれない.妻はアメリカよりは,平成9年に家族で1ヶ月だけ滞在したマルセイユを再訪したいといっている.2006年と2013年に,国際会議があって,私一人だけで再びマルセイユを訪問できた.2018年には久しぶりにテキサス大学を訪れた.20年近く経過し,変わらないものもたくさんあるし,当然のように変わったものもある.

教育学部に配属されているとはいえ,学生時代から数学の勉強,研究に集中してきたのであって,私は教員免許すら取得しておらず,しかも神戸大学時代,数学教育関連の授業はただの1つも受講していない.(実は,1つだけ初回に出席したのだが,2回目から出席をやめてしまった.)今までもそうであったように,これから先も数学の一研究者として人生を送りたい.一流ではないにせよ,創造活動ができる限りは続けたい.もちろん,教育学部にいる間は,数学者としての視点から,数学教育に微力ながら貢献することを厭うつもりはないが,数学教育を体の半分でやろうなどとは思わないし,できるなどといったらむしろ数学教育学研究者に失礼である.誤解がないように述べておくが,教育学研究科に配属されている以上,中学校あるいは高校での数学教員を志望する教育学部生に対して行う大学での数学の授業がいかなるものであるべきか(内容及び実際の授業の在り方),いわゆる教科内容学としての数学の方向性には関心があるし,提言をしていきたいと考えている.

大阪を離れたとはいえ,私は関西弁しか話さないが(この先もかえるつもりはない.それが大阪人の誇り),子どもたちは,広島弁を使う.岡山出身の妻は,すぐに広島弁に順応した.ただ,広島に移って23年が過ぎ,私の言葉遣いもだんだん怪しくなってきたようだ.以前,大阪から遊びにきた大学時代の後輩の息子さんに,「おっちゃんの大阪弁は広島弁がまざってるで」といわれ,大変ショックだった.

私も50歳をとっくにすぎ,学生たちとは世代格差を感じるようになってきた.実際,上の娘はもう成人して働いている.一方,2007年3月,3番目の子供(次女)が誕生した.この子が20歳になるときには,私は63歳だから,定年退職まぎわということになるだろう.

昔から映画とギターが趣味で,もう40年近くアコースティックギターを弾いている.William Ackerman, Jacques Stotzem, Duck Baker, Alex de Grassi,Andy McKee といったfingerpicking style のギタリストが特に好きだ.去年から,高校生の息子もアコースティックギターを弾き始めた(私のギターで).半年ほど経過しても継続的に真面目に練習しているので,先日二人で広島市内まで息子のギターを買いに出かけた.広島駅前にある有名な店で,ついでに私のギターの調整を無料でやっていただき,大変嬉しかった.息子は毎日のように米津玄師の曲を練習している.スマホでコードを簡単に入手できるなんて,時代は変わったものだ.映画のほうは,レンタルVIDEO店で旧作になるのを待って借りてきては観ている.息子と映画の趣味が合うので,どうしてもという大作が来たときは,息子と二人で映画館にいく.海外への往復では,いつも機内で寝ずに映画三昧をする.以前,アメリカからの帰路の便では6本連続で観た.

研究分野

結び目理論,3次元多様体論

いわゆるトポロジー(位相幾何学)という分野の中で,近年,活発に研究されている課題である.院生時代は,4次元球面の中の2次元球面がつくる2次元結び目を中心に研究していたが,しだいに3次元多様体論に惹かれていった.実際,2次元結び目理論をやっているときから,ファイバー型といって,3次元多様体との関連が特に強いものを扱っていた.以前は,もっぱらデーン手術の研究を中心にしていたが,2011年以降は,3次元多様体の基本群が許容する不変順序の研究に立ち位置を変えている.

研究室紹介

平成31年度は,4年のゼミ生が2名おり,トポロジー,グラフ理論,微分幾何学の勉強している.修士課程には,7名が私の研究室に所属し,結び目理論,グラフ理論を勉強,研究している.

その他


私のホームページを開設しています.詳細な研究業績,教育活動については,こちらの方をご覧ください.
https://home.hiroshima-u.ac.jp/teragai/

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