平成26年(2014年度)

全国数学教育学会第41回研究発表会(1月31日・2月1日)


全国数学教育学会第41回研究発表会の感想です。

全国数学教育学会・第41回研究発表会において初めて口頭発表を行いました。発表を行うまでは、緊張と不安でいっぱいでしたが、発表後の質疑応答やその後の懇親会において他大学の先生方や現場で働いている先生方からご意見・ご感想をいただけて、とても有意義な2日間となりました。また、発表に至るまでの「これでよいか」「他の選択肢があるのではないか」といった自問自答で切り捨ててきたものを無意味だったと思ってしまっていたのですが、他の先生方の御発表を聞くときに今までやってきたことがあったために理解しやすいことなどがあり、少し自らのやってきたことを無駄ではなかったと思える2日間でもありました。
院生生活も1年が過ぎ、残り1年を出来る限り悔いのないものにしていきたいと思います。この1年で支えてくださったすべての人に感謝をし、今後はその恩に報いることができるように、報恩感謝を忘れずに院生生活を送りたいと思います。

博士課程前期1年 入江 讃良

初の学会発表ということで,久々に初々しく緊張している岡川を垣間見れたと思います。人という者は同じ空間にいるとどうしても怠けてしまう生き物なのだと改めて感じさせられました。この怠けに再び陥らないためにも今回の発表で感じた緊張感をいつまでも意識して,常に自分自身に一番厳しくできているか確認し,自己研鑚していく必要があると再認識しました。そういう点においても,年に二回の全数教,秋の日数教,そして中四国や教科教育というものは本当にいい機会だと思います。改めて素晴らしい環境で研究をさせていただいていると再認識できました。さて,発表の方でも貴重な意見をたくさんいただくことができ,それらの意見を踏まえて次回の全数教に向けて日進月歩していきたいと考えております。また、自分の英語力のなさというものを改めて実感しました。研究だけでなくそのような面においても成長していこうと思います。最期になりましたが,今回私の発表に来ていただいた皆様,まことにありがとうございました。

博士課程前期1年 岡川 健太

今回の全数教は,初めての学会発表であり,あっという間の緊張した2日間でした。まだ,あまり理論的基盤が完全に自分のものとして理解できていない状態にあったため,発表資料を作成においても発表の準備においてもどうしてよいのかわからないことばかりで,勉強不足を痛感しました。これまで,頭で考えるだけで考えたことを表現しようとしていなかったので,発表資料を作成したり,発表の練習を行ったりする過程で考えていることを文章にまとめたり説明をしようとすることで,考えていたことが整理されました。また,他の方の発表を聞くときも,恐らくこれまでの学会では,「ただ単に聞く」であったのだと思いますが,今回は,発表を聞きながら,「このようなスライドにすれば,わかりやすいな」とか「目的に対して,このように適切な内容をもってくるとはこのようなことか」など発表資料作成時にいろいろ指導して頂いたこととリンクしながら聞くことができ,内容以外の面でも参考になりました。
発表に当たって,お忙しい中,発表資料作成について様々なことをご指導してくださった先生方をはじめ,いつも快く質問に応えてくださったドクターの方々,自分のことで精いっぱいのはずなのに気軽に相談に応じてくれたM2,M1の皆さんのおかげでなんとか初めての学会発表を行うことができました。とても感謝しています。ありがとうございました。

博士課程前期1年 河村 真由美

今回の全国数学教育学会が初めての学会発表となりました。「高等学校数学科における生徒が主体的に学びを深める授業に関する研究(Ⅰ)-教授学的状況理論に基づく数学A「整数の性質」の授業分析-」という題目で発表させて頂きました。学会に向けての発表資料やスライドづくりでは,M1で研究してきたことを総動員して論文形式でまとめていく中で,途中では気づかなかった多くのことがみえてきました。学会発表では,教室での現象の分析結果や得られた示唆の方向性についてのご意見・ご質問を頂き,自分の視野の狭さに気づかされました。今回は一授業の一場面という極めて局所的な場面の分析しか取り扱うできなかったことから,単元全体を視野に入れた授業設計と分析を行っていくことが今後の課題です。

博士課程前期1年 西 真貴子

今回は3度目の学会にして,初の発表の機会をいただきました。
大学院に入学してから,1年間研究した成果の発表ということでしたが,やはり先生方から厳しいご意見をいただき,見えていなかった課題を見つけることができ,今後の研究へのモチベーションを得ることができました。
また,今回の学会では広島大学での開催であるということもあり,運営の面でも多くのことを学ぶことができました。
自身に残された時間も残り1年となりましたので,今回の学会で得たことを今後の研究に生かしていきたいと思います。

博士課程前期1年 橋口 幸貴

今回、初めて学会で発表させていただきました。自分の研究成果はもちろんですが、研究の意図や自分が取り組んできたことを相手に分かりやすく伝えるのはとても難しいことだなと実感させられました。もっといい発表ができるように内容も発表の仕方も磨いていきたいと思っています。また、他の方々の発表を聞いていい刺激にもなりました。良い成果を収められるように、これから頑張っていきたいと思っています。

博士課程前期1年 原 清澄

Harelの知的必要性 (Intellectual Need) が理解の深まりにいかに関与するのかを明らかにすることを目的として発表させて頂きました。
これらの理論を基に実習校での授業(題材:平行四辺形)を設計・実践し,分析したものを提示することとなりました。
今回,課題に感じたことは以下3点です。
1. 生徒の主観に基づいた授業になっているか?
2. 枠組みに振り回された授業になっていないか?
3. 「Need」を「必要性」と訳すことでHarelの教育観が伝わりにくくなっているのではないか?
また,この発表をするまでに何ヶ月も1つの授業とにらめっこしていましたが,いかに授業を作ることが難しいかを痛感しました。特に生徒の主観に基づくことが大事と言うことは簡単ですが,それを実践するとなると一気に難しくなり自分の勉強不足に反省させられました。-例えば,生徒の視点から見れば平行四辺形の性質が成り立つことは当たり前であって,証明をする必要なんてない。では,教師はいかにして生徒に「平行四辺形の性質を証明しないと!」とさせるのか?
以上を踏まえた上で,次の実習,そして学会発表に向けて頑張っていこうと思います。

博士課程前期1年 山田 大希

「中学校数学科における対話を重視した問題解決の力の育成に関する研究」というテーマで発表しました。ちょうど制作していた課題研究報告書の第4章の部分にあたり、この2年間の研究の総まとめの気持ちで臨みました。「対話」の意味するところの範囲はどこまでなのかといったご質問をいただきました。大変勉強になりました。実践の部分は、自分のクラスでの数学の授業でした。自分が今研究していることが、目の前の生徒たちの力の育成につながってほしいという思いがとても強いです。もうすぐ大学とはお別れですが、研究への意欲は持ち続けたいと思います。ありがとうございました。

博士課程前期2年  生田 直子

院生として最後の学会参加・発表の機会となりました。
この二年間、多くの先生方の発表をきくことができ、さらに自分も全国数学教育学会において三回発表することができ、活発な議論を行うことができました。このような機会に恵まれた二年間は本当に充実しておりました。
4月以降は教員として働くことになりますが、研究と携わりながら今まで学んできたことを生かすことができたらと思います。

博士課程前期2年 後藤 佳太

学会での発表は今回で4回目となりました。
高等学校数学における探究的な学習活動を促す指導方法について,問題設定を単元を通した授業に系統的に取り入れる方法について,2年間研究を続けてきました。今回は,所属校において「空間ベクトル」の単元で実践を行った内容と分析・考察についてまとめました。生徒の探究的な学習活動が促される様子を実感することができました。あと1か月で,大学院での研修も修了しますが,今後も,学会発表や論文投稿ができるよう,日々研究心をもって取り組んでいきたいと思います。お世話になった方々へ感謝申し上げます。

博士課程前期2年 平山 成樹

この度の全国数学教育学会は、院生として最後の学会参加・発表の機会となりました。
この二年間を通じて、毎回発表を聞きにきていただいた先生方も多く、改めてこのような機会があることをありがたく感じることができました。
4月以降は教員として働くことになりますが、常に研究の心を忘れず精進していきたいと思います。次回の全国数学教育学会も楽しみです。

博士課程前期2年 的場 大佑

今回の研究発表会では、修士論文の全体的な内容として、ジョン・ペリーの数学教育観から見出した目的・目標論に関する示唆と、学習指導に対する示唆として、RMEとの整合性について発表しました。
質疑においては、ペリーの主張から示唆を見出すのは良いが、その根拠となる資料が少なく、客観性に欠けている、などのご指摘を頂きました。ペリーの数学教育観については、できる限り一次資料に基づいて考察してきましたが、私がそこから見出した示唆に行き着く必然性を保証するには足りなかったようです。歴史研究に対する心構えがまだまだ十分でなかったということを実感した発表でした。
私が修士論文にまとめた内容は、私の研究課題に対する絶対的な答えではなく、それを素地として、自らの考えを発展させていかなければならないと感じます。今後、学校現場で経験を積みながら、「なんのために数学を学ぶのか」ということについて、引き続き考えていきます。

博士課程前期2年 森山 健

日本数学教育学会第47回秋期研究大会(11月8・9日)

日本数学教育学会第47回秋期研究大会の感想です。

今回は,現在興味を持っている事柄に関連する研究を、自分が引用している同じ文献の読み取り方の違いなどに着目しながら拝見させていただきました。同じ部分に疑問や不足を抱いていることを知りある種の安堵を抱く一方で、異なった読み取り方を見て少し視点が変わったりもしました。
また今回は,初めてポスター発表を行いました。内容は、学校数学の数学文化の開放性と神秘性について、神秘性が開放性に比べ過度に感じられすぎていることによって、数学学習の失敗を能力に原因帰属し数学離れが引き起こされているのではないかというものです。
ポスター発表で多くの先生方からご意見をいただきました。ありがとうございます。
いただいたご指摘は大きく分けると以下の4点です。
(1)開放性の強調をどのように行うのか。
(2)教師教育には興味はないのか。
(3)周囲とのやり取りの中で課題の解決を考えていくべきではないのか。
(4)神秘性を過度に感じていることが現実に問題となっているかどうかを調査しなければならない。
今後は得られた指針やいただいたご指摘を踏まえ,次の学会発表に向けて準備をしていきたいと思います。

博士課程前期1年 入江 讃良

前回の学会では自分は何がしたいのか分からない状態での学会だったため(今でもわからない部分の多いのですが)、ただ関西にっ戻っただけのような2日間でした。しかし、今回はある程度の興味を持ち学会に臨むことができました。今回の感想を簡単に述べると、自分のやりたい研究はまだまだ日本の数学教育においては受け入れられていないと感じました。日数教という大きな大会でも自分の興味にちょうどマッチする研究はありませんでした。周りの院生が「OO先生とお話ししてくる」という発言を少しうらやましく思いもしました。発表自体は面白そうなもの中心に直観的に見つけまわりましたが、どの方もよくまとめられているなと感心しました。
次回の学界の目標としては、自分の研究が必要だということをしっかりと主張すること、そして学会に集中できるよう体調管理や体の管理を徹底することに特に努めたいです。

博士課程前期1年 岡川 健太

これまでの学会では,まだ研究の方向性も定まっておらず,全く知識がないまま参加していたので,話されている内容を理解することに終始していました。また,どの発表を聞くかもタイトルを見てなんとなく興味がありそうなところの発表を聞きに行ったため,内容が想像していたものと全く違うこともしばしばありました。このため,発表を聞き終わってもこういうことを研究に取り入れたいとか,これが参考になったということが少なかったように思います。しかし,今回の学会では,研究の方向性が定まったため,事前に自分の研究と関連ありそうな発表が分かり,資料も読んだ後に発表を聞くことができ,勉強になったことが多くありました。特に,信州大学 小松孝太郎先生の「学校数学における証明と論駁の活動を促すデザイン実験の構想」で,反例や負例の場合も含むより一般的な推測から証明を考えていくという内容が反例も例として考えていく私の例づくりの研究に参考になりました。しかし,まだ,数学教育学に関する知識も理解していることも不十分であり,発表を聞いても分からないことが多いという現実があります。また,発表や文章などを批判的に聞いたり読んだりすることができず,「そうなんだ」と思って終わりになってしまうので,今後,理論に関する研究をさらに行いながら,少しずつ批判的に発表や文章を聞いたり読んだりすることができるようになっていきたいと考えています。

博士課程前期1年 河村 真由美

日本数学教育学会の第47回秋期研究大会に参加させて頂きました。
今回の研究大会では,自分の研究テーマや直後に控えたアクションリサーチ実習での課題と結びつけながら発表を聞かせて頂きました。
研究大会は,普段自分の研究で引用させて頂いている先生方の発表を実際に拝見したり,懇親会でお話させていただいたりと,大変刺激的な2日間でした。授業の際は実践者の視点,分析の際には研究者の視点という2つの視点を冷静に使い分けながら研究を進め,実践を経験論で片付けずに示唆を得ていくことの大切さを再確認できたように思います。
この2日間で再確認したことを心に留めて,研究に励みたいと思います。

博士課程前期1年 西 真貴子

先日の第47回日本数学教育学会研究発表会に参加させていただきました。今回の学会も前回の学会と同様に参加だけという形になってしまいましたが,前回とは異なり自分の研究の内容も決まってきており,また同級生が2人発表しているということもあり,前回よりも明確な課題意識をもって,ほかの先生方の発表を聞くことができました。さらに,懇親会等でも自分の関心に近い研究をされている先生方やほかの大学の院生の方と交流を持つことができたのは今後の収穫となりそうです。
次回2月の全数教の学会では自分も発表をさせていただく予定なので,今回の学会での収穫を生かして頑張ろうと思います。

博士課程前期1年 橋口 幸貴

今回はポスター発表をさせていただきました。自分の考えを初めて公に発表する場となり、とても緊張しましたが、とても良い経験をすることができました。たくさんの方々から私の研究を発展させていく上で重要になるご意見、ご指摘をいただきました。ありがとうございました。
また、証明に関する研究をされている方々の論文発表、口頭発表を聞かせていただきました。勉強になることが多くありました。また、自分の次回の発表に向けてのモチベーションを高めるきっかけにもなりました。今回、お世話になった方々に良い報告ができるように、次回の学会に向けて日々、努力を重ねていきたいと思います。

博士課程前期1年 原 清澄

院生になって半年が過ぎてからの学会参加,初めて学会に行った時とは違う何かを今回は感じました。この半年間教職高度化で学んできて,理論のための実践という考えから実践のための理論と変わってきています。今回はこの視点でたくさんの発表を聞かせて頂きました。懇親会ではたくさんの先生方,他大学の院生の方々と話をさせて頂き,これも有意義な時間となりました。私が特に印象に残っているのは上越教育大学の岩崎浩先生と証明の必要性について話をさせて頂けたことです。「他者に説明をしたり,説得させるために証明は必要になってくること」(間違っていたらすみません)を実践での話を交えながら聞かせて頂き,食べることを忘れてしまう程でした。後期のアクションリサーチでは中2の平行四辺形を指導します。子ども達が平行四辺形について学ぶ過程でどれだけ証明の必要性を感じさせることができるか,そしてどれだけ楽しんでもらえるかを胸に頑張って来ようと思います。

博士課程前期1年 山田 大希

「数学教育における問題解決の力の育成に関する研究 -問題解決の力と対話との関連-」というテーマで口頭発表をしました。ちょうど1年前に広大附属中学校で行った授業を検証したものです。対話の在り方が、問題解決の力、特に問題解決のストラテジーの取得の様相に影響を与えてくるのではないかと考え、提案しました。発表後、質問をしてくださった院生の方は協働学習を研究されているようで、自分の発表とつながりがあり、後で話をすることができました。大学の先生からも「数学としての対話とは何か」という視点でご示唆をいただきました。何度発表しても緊張しますが、質問していただくことで大変勉強になります。貴重な20分間でした。ビデオもうまく声が流れてほっとしました。

博士課程前期2年  生田 直子

先日の第47回日本数学教育学会研究発表会に参加,発表させていただきました。
規模が大きな学会であり,発表題目だけでも新たな研究対象や興味深い研究がつらなり,数学教育研究を再度見直すことができました。また自分と同学年の院生の研究などを聴くことはとても刺激となり,研究への意欲がわくものとなりました。
自分の発表の方では,とても示唆的な意見をいただくことができ,また自分の研究を別の角度から見直す機会をいただくことができまいた。
今後、本学会に参加し学んだことを踏まえ、修士論文の作成に向けて頑張ろうと思います。

博士課程前期2年 後藤 佳太

日本数学教育学会の第47回秋期研究大会に参加し,口頭発表を行った。今回の発表では図形と方程式単元の記号過程を用いた分析を行い,中学校数学と高校数学との質的な差異の可能性について言及した。質疑においても,私自身の修士論文をまとめる上での大切な部分や,今後の課題となる部分についてご指摘を頂いた。また,懇親会などでも他大学の先生から貴重なお話を賜り,院生とは互いの研究について熱く語り合うことができた。これらを論文執筆の糧にしながら今後とも研究に取り組みたい。
最後になりましたが,拙い私の発表に足を運んで下さった方々に御礼申し上げます。ありがとうございました。

博士課程前期2年 辻本 亜希

大学院で研究をはじめて今回が3回目の学会発表でした。「高等学校数学における探究的な学習活動を促す指導方法に関する研究」というテーマで口頭発表を行いました。何度も原稿を練り直す中で,研究の本質について改めて考えることができました。また,たくさんの方々から質問や意見をいただき,今後の研究の方向性を見出すことができました。問題設定を授業に取り入れることで,生徒の探究的な学習活動を促す具体的な指導方法について整理し,年度末の課題研究報告書の完成に向けて,熊本で養った鋭気をもとに頑張っていきたいと思います。

博士課程前期2年 平山 成樹

第47回日本数学教育学会研究発表大会が11月8,9日に行われ,研究発表を行いました。
私自身の研究に対するたくさんのご意見をいただき,修士論文執筆に向けて改めて身が引き締まる思いです。
残り3か月,思い残す事のないように研究に取り組みたいと思います。

博士課程前期2年 的場 大佑

今回の発表では、「ジョン・ペリーの数学教育観の今日的意義」と題して、特に数学的活動の捉え方に着目し、数学学習への指導方法や目的・目標論への示唆として考察した内容を発表しました。口頭発表のため、あまり長い時間をかけて議論することはできませんでしたが、特に歴史研究をなさっている先生方から、ペリーの数学教育観の解釈や、日本への受容の
様相などについて、多くの示唆をいただくことができました。また、前日に参加させていただいた数学教育史学会においても、私の研究の視点から議論に参加させていただくことができ、大変実り多い機会になったと感じます。
ジョン・ペリーの数学教育観、特に数学教育改造運動の契機となった講演の内容については、私が手にとったいくつかの文献でも解釈が多様に存在しているため、原文を踏まえた上で、もっとも適当であろうと考えられる解釈に基づき発表を行いましたが、ペリー自身が執筆した文献においても、時期により「有用性」の表現が異なっているというご指摘は特に興味深く感じました。社会状況や教育事情を踏まえた上で、ペリーの数学教育観をどのように解釈し、まとめていくか、検討し直した上で、引き続き修士論文の作成に励んでいきます。

博士課程前期2年 森山 健


全国数学教育学会第40回研究発表会(6月14・15日)


全国数学教育学会第40回研究発表会の感想です。

大学院に入って初めての学会となりました。色々な方の発表を見させていただいて、自分のやっていることがまだ研究ではなく、勉強段階なのだと痛感させられました。前が見えていない状態でどうしようかと悩む日々が続いておりましたが、今回の研究発表会に参加させていただいて、初めて数学教育に関する学会に参加させていただいたとき、とても楽しいと感じ数学教育へ進もうと思ったことを思い出すことができました。また、その頃と違い発表を一人で聞いて、聞きっぱなしという状態ではなく、今はあれこれと議論できる仲間が近くにいるというこの現状をとても幸運なことと思いました。自分の興味ある内容に、違う視点から切り込んでいらっしゃる方々の発表を見ることは刺激的であり、また自己の思考を客観的に捉える良い機会となりました。与えていただけた情報を今後の研究や発表の糧としていきたいと思います。

博士課程前期1年 入江 讃良

第40回全国数学教育学会に参加させていただきました。私自身初めての学会ではありましたが,学会とはどのような場所か知ることができてとても有意義な学会になりました。直接私の研究につながるような発表はありませんでしたが,発表者のプレゼンテーション能力の重要性など,研究以外のことは多く学べました。いつか私もあの場でしっかりとした発表ができるように,自分の研究を進めていきたいです。

博士課程前期1年 岡川 健太

M1になって初めて学会に参加させていただきました。現職でこれまで大学院を修了された先輩方に,「初めての学会は,何の話をしているのか多分,分からないよ。でも,研究を進めていくうちにいずれは内容が分かるようになるから。」という話を聞いていたのですが,本当にその通りでした。タイトルだけ見てもどのような内容なのか自体が分からなかったり,タイトルで内容はこのような感じだろうと思って発表を聞いても全く違う内容であったりしました。入学してすでに2カ月が過ぎましたが,ほとんど理論研究は進んでおらず,勉強していろいろな知識を得ていかないといけないなぁと感じた2日間でした。しかし,資料の提示の仕方や発表については,とても参考になりました。自分の研究について,いかに人に分かりやすく,興味をもってもらえるように伝えることができるか,そのためには,自分自身が十分研究をするのは勿論のこと,人に伝えたいくらい自分の研究の内容を楽しんでいくことも大切なのではないかと感じました。これから,自分もそのように研究ができるよう頑張っていきたいと思います。

博士課程前期1年 河村 真由美

今回の全国数学教育学会研究発表会は,院生になってから初めての参加となりました。
学会自体には学部4年生の頃から発表を聞きに参加していたのですが,院生になったこともあり,自分の研究との関連の視点からより一層発表を充実して聞くことができました。

発表を聞く際にはいつも心掛けていることですが,今回も質問や疑問に思う点をなるべく自分でもつことができるように発表を聞いてまわりました。質疑応答の時間になってもなかなか勇気がなくて挙手できないのですが,色々な研究テーマや課題意識をもつ人の発表を聞いてもった自分なりの疑問を大切にしながら,今後の自分の研究や勉強につなげていきたいです。

今度の学会では自分が疑問に思った点・意見をもった点をきちんと伝えることを目標に,日々取り組んでいきたいと思います。

博士課程前期1年 西 真貴子

今回が初めての学会の参加となりました。雰囲気もわからないままの参加でしたが,自分の関心と近いような発表を聞いたり,その研究をされている方とお話をさせていただいた中で,自分の中の問題意識がはっきりしたように感じました。今回の学会は,発表を聞くだけでしたが,来年のこの学会では,自分が発表することになると思うと研究のやる気が出てきました。今回の学会で得たものを,今後の研究に活かしてきたいと思います。

博士課程前期1年 橋口 幸貴

今回の研究発表大会は大学院に入学してから初めての学会参加 の機会となりました。入学してから本格的に研究を始め、今回の大会へは自分なりの研究課題を持って参加することができ、これから私の研究を進めていくにあたって、とてもよい刺激になりました。特にポスター発表の部では、発表者の方とじっくりお話をすることができ、とても有意義な時間となりました。私も一歩ずつ確実に研究を進め、研究成果を発表し、意見を交流する機会を早く持ちたいと感じました。また、研究分野を同じくする様々な方々ともじっくりお話ししたいとも思いました。そのために、私の研究分野に関してはもちろん、数学教育全般に関する知識や考え方をより一層磨いていかなければなりません。日々勉強、研究を進めていきたいと思っています。


博士課程前期1年 原 清澄

前期のアクションリサーチ(AR)を終え、その翌日から大阪へ向かうという、とてもハードなスケジュールでした。ARでは2軸過程モデルの横軸(直観ー反省ー分析)にメタ認知的活動を組み込むことを実践し、その結果「発問」「場の設定」「メタ認知とは何か」「教授と学習のメタ認知」等のキーワードが浮かび上がってきました。そこで、今回はそれらを解決するための糸口を探そうと思い学会での発表を見てきました。その中で、教師の言語的振る舞い、問題設定、練り上げ、対話、教師教育等たくさんの発表を見ることができ、とても面白く思うと共に「皆切り口が違うだけで目指しているものは同じ?」と感じました。ARで挙げられたキーワードについて深めるために、これから自分の研究内容について学ぶことももちろんですが、新しい切り口に出会うために他の理論も探ってみよう!と思えた2日間でした。

博士課程前期1年 山田 大希

「中学校数学科における対話を重視した問題解決の力の育成に関する研究」というテーマで発表をしました。普段の授業の中で行なわれている班での話し合い活動の質を高めることが、表現力や問題解決の力の育成に有効に働いてくるのではないかと考え、授業実践し、検証していきました。質疑の場面では、3人の先生からご示唆をいただきました。そして、「問題解決の力」の捉え方などまだ十分とはいえないところがあるので、もっと先行研究を深めなければならないと痛感しています。
大学院で研修をすることで、理論を学びながら、日々の授業に繋いでいくことができ、大変感謝しています。内容はまだまだですが、チャレンジの気持ちを持って学び続けて行きたいと思います。

博士課程前期2年  生田 直子

第40回全国数学教育学会研究発表会にて、2月に引き続き2度目の発表をさせていただきました。
今回はアブダクションの二つの側面を明らかにし、それら二つの側面から生徒の数学学習における困難性を明らかにしようとしました。
学会を通して具体例は的確なのか、帰納的推論との差異はどこなのか、より学習の中で生徒がアブダクションを行っている場面を明確に見せるためにはどうしたらよいかなど様々なご意見をいただくことができました。
今後残された時間は多くはないですが、いただいた意見を一つ一つしっかり受け止め、研究を進めていきたいです。

博士課程前期2年 後藤 佳太

第40回全国数学教育学会に参加し、発表を行った。今回は三角比の鈍角への拡張場面における学生の誤りの分析のために、教科書および活動の記述を行い、直感から論理への認識の変化について提言した。この分析をより詳細に考察していくとともに、質問にも挙がった指導への提言についても、修士論文へ向けた大きな課題として取り組んでいかなければならない。ご助言頂いたことを今後の研究へと生かしていきたい。

最後のセッションにも関わらず、多くの方に足を運んで頂き、充実した時間となりました。この場をお借りしてではありますが、足を運んで頂いた方々、質問を頂いた方々に感謝したいと思います。ありがとうございました。

博士課程前期2年 辻本 亜希

今回は2回目の発表でした。
2月の発表に引き続き,探究的な学習活動を促すために,問題設定を単元の授業にどう取り入れるかについて研究し発表しました。今年度は学校現場ですぐに実践を行うことができるため,研究の成果や課題がリアルタイムで見えます。定期的に大学で研究ができることに感謝して,学会でいただいた意見をもとに,研究の質を高め,発信していきたいと思います。

博士課程前期2年 平山 成樹

6月14、15日に大阪教育大学にて行われた全国数学教育学会・第40回研究発表会において研究発表を行いました。今回は、近畿数学教育学会との合同開催ということもあり、より多くの方々にご意見をいただくことができました。
特に、関西圏の現職の先生方から多くのご指摘をいただいたことで、理論と実践の乖離を実感する一方で、経験則を適切に研究の文脈にのせることが現在の私にとっての最たる課題であると再確認することができました。研究発表の機会は非常に限られるので、次回までにより研究に精進する所存です。

博士課程前期2年 的場 大佑

今回の全国数学教育学会では、ジョン・ペリーの数学教育観の今日的な意義と限界を明らかにすることを目的として、数学的リテラシーの視点から考察した内容を発表しました。
発表においては、数学的リテラシーという今日的な視点で見るのではなく、当時の時代背景などと照らし合わせながら、純粋にジョン・ペリーに着目するべきではないか、などのご指摘を多くいただきました。
有用性の概念を始めとするジョン・ペリーの数学教育観を見るための理論としてリテラシーに注目しましたが、当時の時代背景などの追求が不十分なままだったため、
講演を行った当時のペリーの意図を読み取るという、研究の土台かつ核心となる部分を固めることができていなかったというのが最も大きな反省です。
私の研究は、ジョン・ペリーを始めとする歴史を概観することで、現代、そして将来の数学教育に向けて提言を行うということを目的としています。ペリーの講演や教材の変遷といった歴史を読み解くという要の部分に
もう一度目を向け直し、研究の基盤をより明らかにしつつ、今後の研究を進めていきたいと考えています。
拙い発表に建設的なご意見を多く下さった先生方、ありがとうございました。

博士課程前期2年 森山 健

新入生自己紹介


平成26年度に新しく入学した博士課程前期/後期メンバーの自己紹介です。

はじめまして。
広島大学教育学部数理系コースから進学してきました入江讃良(いりえさらら)です。
学部生のときは、数学を教える意義・学ぶ意義に焦点を当て勉強していました。大学院では、数学教育についての知識を増やし、数学教育における事柄・現象について多面的な見方ができるようになるべく努めていきたいと思います。
数学教育学だけでなく、学問としての数学を学ぶことのできる大学院という恵まれた環境下にいるということを自覚し、数学についての理解も深めていきたいと思います。
2年後、「やれることは精一杯やりきった。」と胸を張って言えるように、大学院2年間を蛍窓雪案の精神で頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします。

博士課程前期1年 入江 讃良

みなさんはじめまして。立命館大学理工学部から進学してきました岡川健太(おかがわ けんた)といいます。学部時代は主にユークリットの比例論などの初等幾何学を研究をしていました。研究を通して読んだ本の中にフランス人数学者Poincareの言葉があり、そこで直観力に関して記述されていました。そこから直観力に関しての研究がしたいと思い広島大学大学院に進学しました。
他学部からの進学ということで教育に関しての知識が周りの人に比べて少ないのですが、無知の知ということで、逆にそれを利用するくらいの意気込みで頑張りたいと思います。
二年間が終わったとき、泣きながらでも、笑いながらでも、充実した二年間だったと胸を張って言えるように日々研究に没頭したいです。
こんな未熟者の私ですが、よろしくお願いします。

博士課程前期1年 岡川 健太

こんにちは。広島大学教育学研究科に進学しました、金盛福大(かねもり さちひろ)です。
学部時代は下村哲先生のご指導のもと、ルベーグ積分とルベーグのLp空間について勉強し、極大作用素の有界性、ソボレフの不等式について卒論を書きました。
大学院では、引き続き下村哲先生のご指導のもと、さらに一般化したものについて勉強、研究していきたいと考えています。また、数学教育についても見識を深めていきたいと思います。
今年から、同級生の多くが教員として現場で頑張っているので、僕も負けずに、志をもって勉強、研究に勤しみたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

博士課程前期1年 金盛 福大

現職教員派遣研修で来させて頂いています広島県立音戸高等学校の河村真由美です。大学院では,教職高度化プログラムで思考力を高めるために有効な指導方法について研究し,理論と実践を融合させていきたいと思っています。
分からないことばかりで迷惑をおかけすることが多いと思いますが,丸々学校へ来るのは今年度だけなので,今年一年はいろんなことにチャレンジして出来るだけ多くのことを吸収していきたいです。よろしくお願い致します。

博士課程前期1年 河村 真由美

こんにちは。広島大学教育学研究科に進学しました、小松 剛志(こまつ たけし)です。
学部生時代は、大学院での研究テーマとなる偏微分方程式への基礎知識として、「ベクトル解析における諸定理とその応用について」という題目で卒業論文をまとめました。
大学院では偏微分方程式についての研究を進めていきたいと考えています。
自らの研究はさることながら、周りの人への感謝を忘れず、さまざまな教養を身に付け、たくさんの知識を吸収した上で卒業したいと考えています。よろしくお願いします。

博士課程前期1年 小松 剛志

こんにちは。広島大学教育学部数理系コースから進学してきました西真貴子(にし まきこ)です。
卒業論文では小山正孝先生のご指導のもと、「高等学校数学科における生徒が主体的に学びを深める授業」というテーマで研究に取り組みました。大学院では教職高度化プログラムでのアクションリサーチを通して、引き続き高等学校においてどのように授業を構成していくかについて研究していきたいと考えています。
また、学部生の時から所属している書道部の方でも新しいことに挑戦していきたいです。
大学院での2年間は、授業、研究、実習、部活動…と多忙になることが予想されますが、マイペースに、充実した日々を過ごしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

博士課程前期1年 西 真貴子

こんにちは。広島大学教育学部から進学しました橋口幸貴(はしぐち こうき)といいます。
学部のときは,数学教育学を専攻し,生徒の多様な考えを引き出す授業というテーマのもと研究を進めてきました。大学院では,その中でも生徒による問題作りの活動に焦点を当てて研究を深めていこうと考えています。2年間という貴重な時間をいただいたので,研究や学会,趣味など大学院でしかできないことをやり尽くして,修了後,自信をもって教壇に立てるように励んでいきたいと思います。

  博士課程前期1年 橋口 幸貴

広島大学教育学研究科に進学しました、原 清澄(はら きよずみ)です。
学部生時代は、中学校数学科の証明学習における言語活動について、特に「証明を読む活動」について学習・研究をしてきました。大学院でも中学校数学科について、「証明学習」、「言語活動」などをキーワードにして、引き続き研究を進めていきたいと考えています。また、大学院での講義や、学会、研究大会などを通して、様々なことを吸収していきたいと考えています。
大学院での生活が充実するように、早寝、早起きはもちろん、食生活も見直し、規則正しい生活を心がけていきます。
自分が学問を修めることができる環境を与えてもらっていることに感謝する心を忘れることなく、努力を重ねていきたいと思います。よろしくお願いします。

博士課程前期1年 原 清澄

こんにちは。この春、東京理科大学理学部第一部数学科から広島大学教育学研究科(教職高度化プログラム)に入学してきました、山田大希(やまだ たいき)です。
学部時代は清水克彦先生のもとでゼミでは帰納と類比、問題解決ストラテジーに関する文献を輪読し、卒業研究では数学理解の2軸過程モデルを用いて三角関数の授業をつくりました。広島大学では小山正孝先生のもとで「高等学校数学における2軸過程モデルの具体化に関する研究」を研究題目として高等学校でアクションリサーチしていく予定です。
これから2年間はたくさん教育や数学を学んで将来出会う生徒達に還元できればと思っています。

博士課程前期1年 山田 大希

本講座の修士課程(博士課程前期)から博士課程(後期)に進学しました,袴田綾斗です。寺垣内政一先生のゼミに所属しています。
昨年度までは数学の研究をしていましたが,博士課程では数学教育の研究を行っていきます。研究の関心は「教科内容学(教科専門科目)としての数学の内容はいかにあるべきか」ということにあります。研究の枠組みとしては,フランス教授学の理論の一つである「教授の人間学理論(Anthropological Theory of the Didactic―ATD)」を用いたいと考えています。
また今年度は,広大附属福山中・高等学校に教員として勤務しています。数学教育研究も初めて,教員としても新任,と初めてづくしの年になりますが,どちらも誠意をもって取り組んでいけたらなと思います。

博士課程後期1年 袴田 綾斗

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